ピコレーザーによるシミ取り症例|施術前後の経過と効果
最終更新日: 2026-05-23
📋 この記事のポイント
  • ✓ ピコレーザーは、シミや肝斑、ADMなど多様な色素性病変に効果が期待できる治療法です。
  • ✓ 施術後の経過には個人差があり、ダウンタイムや色素沈着のリスクを理解し適切なケアが重要です。
  • ✓ 医師との十分なカウンセリングを通じて、自身のシミの種類と最適な治療プランを決定することが成功の鍵となります。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

ピコレーザーは、シミやそばかす、肝斑(かんぱん)、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)といった色素性病変の治療に用いられる先進的な医療レーザーです。従来のレーザー治療と比較して、非常に短いパルス幅(ピコ秒)でレーザーを照射することで、周囲組織への熱損傷を最小限に抑えつつ、メラニン色素を効果的に破壊します。この特性により、ダウンタイムの短縮や炎症後色素沈着のリスク軽減が期待されています[4]

ピコレーザーとは?そのメカニズムと特徴

ピコレーザーのメカニズム解説。短時間照射でシミのメラニンを破壊する様子。
ピコレーザーの作用メカニズム

ピコレーザーは、1兆分の1秒という極めて短いパルス幅でレーザーを照射する医療機器です。この短時間での照射により、標的となるメラニン色素に光音響効果(こうおんきょうこうか)と呼ばれる衝撃波を発生させ、メラニンを微細な粒子に粉砕します。粉砕されたメラニン粒子は、体内のマクロファージ(貪食細胞)によって効率的に排出されることで、シミの改善へと導かれます。

従来のレーザーとの違い

従来のナノ秒レーザー(Qスイッチレーザーなど)が熱作用を主体としてメラニンを破壊するのに対し、ピコレーザーは光音響作用が主体となります。これにより、熱による周囲組織へのダメージが少なく、以下のような利点があります。

  • 痛みの軽減: 熱作用が少ないため、施術中の痛みが比較的少ない傾向にあります。
  • ダウンタイムの短縮: 熱損傷が少ないため、赤みや腫れなどのダウンタイムが短くなることがあります。
  • 炎症後色素沈着のリスク低減: 特にアジア人の肌では、炎症後の色素沈着が起こりやすいですが、ピコレーザーはこのリスクを低減する可能性が示唆されています[1]
  • 多様なシミへの対応: シミ、そばかすだけでなく、肝斑やADM、タトゥー除去など、幅広い色素性病変に対応可能です[3]
光音響効果(こうおんきょうこうか)とは
レーザーの短いパルスが標的物質に吸収されることで、急激な温度上昇と膨張が起こり、音波(衝撃波)が発生する現象です。この衝撃波によって、メラニン色素などの標的が物理的に微細な粒子に粉砕されます。

ピコレーザーで治療できるシミの種類とは?

ピコレーザーは、その特性から様々な種類のシミ治療に適用されます。当院では、初診時に患者さまのシミの種類を正確に診断するため、ダーモスコピーなどの専門機器を用いた詳細な診察を行っています。患者さまの中には「これはシミだと思っていたけれど、実は肝斑だった」とおっしゃる方も少なくありません。適切な診断が、最適な治療プランの立案に不可欠です。

治療対象となる主な色素性病変

  • 老人性色素斑(日光黒子): いわゆる「シミ」の代表的なもので、紫外線によって生じる境界がはっきりした茶色い斑点です。ピコスポット照射で高い効果が期待できます。
  • そばかす(雀卵斑): 遺伝的な要因が大きく、鼻や頬に小さな斑点が散らばるように現れます。ピコスポットまたはピコトーニングで治療します。
  • 肝斑: 頬骨のあたりに左右対称に広がる、もやもやとした薄茶色のシミです。摩擦やホルモンバランスが関与するとされ、ピコトーニングが第一選択となります[2]
  • ADM(後天性真皮メラノサイトーシス): 頬や額にできる、灰色がかった色素斑で、真皮の深い層にメラニンが存在します。ピコスポットで複数回の治療が必要です。
  • 炎症後色素沈着: ニキビ跡や傷跡、やけどなどが原因で一時的に色素が沈着したものです。自然に薄くなることもありますが、ピコトーニングで改善を促すことができます。
  • 太田母斑・異所性蒙古斑: 生まれつきの青みがかったアザで、深い層にメラニンが存在します。複数回のピコスポット治療が必要です。
  • タトゥー・アートメイク除去: 色素を粉砕する効果が高いため、黒色だけでなくカラータトゥーの除去にも応用されます。
⚠️ 注意点

肝斑と診断された場合は、ピコスポットのような高出力のレーザーを直接照射すると悪化するリスクがあるため、ピコトーニングなどの低出力治療が推奨されます。自己判断せずに専門医の診断を受けることが非常に重要です。

ピコレーザーの3つの照射モードと効果の違い

ピコレーザーの3つの照射モード(ピコトーニング、ピコフラクショナル、ピコスポット)の効果と特徴を比較。
ピコレーザー3つの照射モード

ピコレーザーには、シミの種類や深さに応じて使い分けられる複数の照射モードがあります。当院では、患者さまの肌の状態やライフスタイル、治療目標を詳しく問診し、最適なモードを組み合わせたオーダーメイドの治療プランを提案しています。例えば、目立つシミを早く取りたい方にはスポット照射を、全体的なトーンアップや肝斑治療にはトーニングを、肌質改善も同時に求める方にはフラクショナル照射をお勧めすることが多いです。

1. ピコスポット(高出力集中照射)

特定のシミやそばかす、ADM、タトゥーなど、濃くはっきりとした色素斑に対して、高出力のレーザーをピンポイントで照射するモードです。メラニン色素を強力に破壊し、1回の施術でも大きな効果が期待できますが、施術後は一時的にかさぶたや赤みが生じるダウンタイムがあります。

  • 主な対象: 老人性色素斑、そばかす、ADM、タトゥー
  • 効果: 濃いシミの除去、色素の徹底的な破壊
  • ダウンタイム: 1週間~10日程度、かさぶたや赤みが生じることがあります。

2. ピコトーニング(低出力広範囲照射)

顔全体に低出力のレーザーを均一に照射するモードです。メラニンを少しずつ分解・排出することで、肝斑や炎症後色素沈着、肌全体のくすみ、色ムラを改善します。複数回の施術が必要ですが、ダウンタイムがほとんどなく、マイルドな治療が可能です。

  • 主な対象: 肝斑、炎症後色素沈着、肌全体のくすみ、毛穴の開き
  • 効果: 肝斑の改善、肌のトーンアップ、毛穴の引き締め
  • ダウンタイム: ほとんどなし。ごく稀に赤みが生じることがあります。

3. ピコフラクショナル(点状照射)

レーザーを非常に小さな点状に分割して照射するモードです。皮膚の表面にはダメージを与えず、真皮の深部に微細な空胞(LIOB: Laser Induced Optical Breakdown)を形成し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進します。これにより、肌のハリや弾力アップ、小じわ、毛穴の開き、ニキビ跡の改善などが期待できます[3]。シミ治療と同時に肌質改善も目指したい場合に有効です。

  • 主な対象: 毛穴の開き、小じわ、ニキビ跡、肌のハリ低下
  • 効果: 肌の若返り、肌質改善、凹凸の改善
  • ダウンタイム: 数日程度の赤みやざらつき感。
モード主な対象期待される効果ダウンタイム
ピコスポット濃いシミ、そばかす、ADM、タトゥーシミの除去1週間~10日程度
ピコトーニング肝斑、くすみ、色ムラ、毛穴肝斑改善、トーンアップ、毛穴引き締めほとんどなし
ピコフラクショナル毛穴、小じわ、ニキビ跡、肌のハリ肌質改善、若返り、凹凸改善数日程度の赤み・ざらつき

ピコレーザーによるシミ取りの施術の流れと経過

ピコレーザーによるシミ取り治療は、カウンセリングからアフターケアまで、患者さま一人ひとりに合わせた丁寧なプロセスで進められます。当院では、初回のカウンセリングに特に時間をかけ、患者さまの肌の状態、シミの種類、期待する効果、そしてダウンタイムに関するご希望を詳しく伺うようにしています。これにより、治療後の「こんなはずではなかった」というギャップを最小限に抑え、満足度の高い結果を目指します。

1. カウンセリングと診察

  • 肌診断: 医師が肌の状態を詳しく診察し、シミの種類、深さ、広がりなどを確認します。必要に応じて肌診断機を使用し、肉眼では見えない隠れたシミもチェックします。
  • 治療計画の立案: シミの種類や患者さまのご希望に応じて、最適なピコレーザーの照射モード(スポット、トーニング、フラクショナル)や回数、併用療法などを提案します。
  • リスクとダウンタイムの説明: 施術に伴うリスク(赤み、腫れ、色素沈着など)やダウンタイム、アフターケアについて詳細に説明し、疑問点があれば解消します。

2. 施術(照射)

  • クレンジング・洗顔: 施術部位のメイクや汚れを丁寧に落とします。
  • 麻酔(必要な場合): ピコスポットなど痛みが懸念される場合は、麻酔クリームを塗布し、痛みを軽減します。
  • レーザー照射: 医師が設定した出力で、シミの種類に応じたモードでレーザーを照射します。照射時間は、範囲によって異なりますが、数分から30分程度です。

3. 施術直後から数日間の経過(ダウンタイム)

施術直後から数日間の経過は、照射モードによって大きく異なります。

  • ピコスポット: 照射部位は一時的に白っぽくなり、数時間で赤みや腫れが生じます。その後、数日かけて薄いかさぶたになり、1週間~10日程度で自然に剥がれ落ちます。かさぶたが剥がれた後は、一時的にピンク色の肌が現れます。
  • ピコトーニング: ほとんどダウンタイムはありません。ごく稀に軽い赤みが生じることがありますが、数時間で落ち着くことがほとんどです。メイクも当日から可能です。
  • ピコフラクショナル: 施術直後から数日間、赤みや軽い腫れ、ざらつき感が生じることがあります。数日で落ち着き、メイクでカバーできる程度です。

施術後のフォローアップでは、副作用の有無だけでなく、治療を継続できているか、効果の実感があるかを確認するようにしています。特に、ピコスポット後の「かさぶたが取れたら、またシミが濃くなった気がする」というお声を聞くことがあります。これは、炎症後色素沈着という一時的な反応であることが多く、適切なケアと経過観察で改善に向かうことを丁寧にご説明しています。

4. アフターケアと注意点

  • 保湿: 施術後の肌は非常にデリケートな状態です。保湿を徹底し、肌のバリア機能をサポートすることが重要です。
  • 紫外線対策: 施術後は特に紫外線に敏感になります。日焼け止め(SPF30以上推奨)を毎日使用し、帽子や日傘などで物理的な遮光も心がけてください。
  • 摩擦を避ける: 洗顔時やスキンケア時に肌を強くこすらないよう注意しましょう。
  • かさぶたは無理に剥がさない: ピコスポット後のかさぶたは、自然に剥がれるのを待つことが大切です。無理に剥がすと色素沈着や傷跡の原因となることがあります。
  • 色素沈着への対応: 稀に炎症後色素沈着が生じることがありますが、多くは数ヶ月で薄くなります。必要に応じて、ハイドロキノンなどの美白剤や内服薬を併用することもあります。

ピコレーザーの施術回数と費用はどのくらい?

ピコレーザーによるシミ取り施術の回数と費用の目安をグラフで表示。
シミ取り施術回数と費用の目安

ピコレーザーの施術回数や費用は、シミの種類、大きさ、深さ、個数、そして選択する照射モードによって大きく異なります。当院では、患者さまの経済的な負担も考慮し、無理のない範囲で最大の効果が得られるよう、複数の治療プランを提示しています。

施術回数の目安

  • ピコスポット: 老人性色素斑やそばかすの場合、1回の施術で効果を実感される方が多いですが、深いシミや広範囲のシミ、ADMでは複数回(2~5回程度)の施術が必要となることがあります。
  • ピコトーニング: 肝斑や肌全体のくすみ改善には、複数回の施術が必須です。一般的に、2~4週間に1回のペースで5~10回程度の施術が推奨されます。
  • ピコフラクショナル: 肌質改善を目的とする場合、3~5回程度の施術を推奨しています。

治療を始めて数ヶ月ほどで「肌が明るくなった」「化粧ノリが良くなった」とおっしゃる方が多いです。特にトーニングは回数を重ねるごとに効果を実感しやすいため、継続が重要になります。

費用について

ピコレーザー治療は自由診療となるため、費用はクリニックによって異なります。一般的に、シミの大きさや数、照射範囲によって料金が設定されています。また、複数回コースが用意されている場合もあります。

  • ピコスポット: 1箇所あたり数千円~数万円。広範囲の場合は別途見積もり。
  • ピコトーニング(全顔): 1回あたり1万円~3万円程度。複数回コースがお得な場合が多いです。
  • ピコフラクショナル(全顔): 1回あたり2万円~5万円程度。

上記はあくまで目安であり、麻酔代や診察料、アフターケア用の薬剤代が別途発生する場合もあります。事前にクリニックに確認し、納得した上で治療を開始することが重要です。

ピコレーザーの注意点と副作用はある?

ピコレーザーは比較的安全性の高い治療法ですが、医療行為である以上、いくつかの注意点や副作用が存在します。実際の診療では、患者さまの肌質や体質、既往歴を詳細に確認し、リスクを最小限に抑えるための対策を講じています。特に、妊娠中の方や光過敏症の方、ケロイド体質の方には、治療をお勧めできない場合があります。

施術を受けられないケース

  • 妊娠中、授乳中の方
  • 重度の皮膚疾患がある方(アトピー性皮膚炎の活動期など)
  • 光過敏症の方、てんかんをお持ちの方
  • ケロイド体質の方
  • 日焼け直後の方
  • 金の糸を挿入している部位

起こりうる副作用

  • 赤み、腫れ: 施術直後から数日間生じることがありますが、通常は自然に治まります。
  • かさぶた: ピコスポットの場合、照射部位に薄いかさぶたが形成されます。無理に剥がさないでください。
  • 色素沈着(炎症後色素沈着): 施術後に一時的にシミが濃くなったように見えることがあります。特にアジア人の肌に起こりやすく、数ヶ月で薄くなることがほとんどですが、適切なアフターケアと紫外線対策が重要です。
  • 色素脱失(白斑): 稀にレーザーの反応が強く出すぎて、メラニンが過剰に破壊され、肌が白く抜けてしまうことがあります。
  • 毛嚢炎(もうのうえん): 施術後に一時的に毛穴が炎症を起こし、ニキビのような症状が出ることがあります。

これらの副作用は、適切な施術とアフターケアによりリスクを低減できます。当院では、施術後の肌トラブルを避けるため、施術後のスキンケア指導を徹底し、必要に応じて内服薬や外用薬を処方しています。

まとめ

ピコレーザーは、シミ、そばかす、肝斑、ADMなど、様々な色素性病変に対して効果が期待できる画期的な治療法です。極めて短いパルス幅でメラニン色素を微細に粉砕する光音響作用により、従来のレーザーに比べてダウンタイムが短く、炎症後色素沈着のリスクも軽減される傾向にあります。ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルの3つの照射モードを使い分けることで、患者さま一人ひとりのシミの種類や肌悩みに合わせたオーダーメイドの治療が可能です。施術後の経過には個人差があり、適切なアフターケアと紫外線対策が治療効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを抑える上で非常に重要です。シミ治療を検討されている方は、まず専門の医療機関で肌診断を受け、ご自身のシミの種類と最適な治療プランについて医師と十分に相談することをお勧めします。

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よくある質問(FAQ)

ピコレーザーはどんなシミに効果がありますか?
ピコレーザーは、老人性色素斑(いわゆるシミ)、そばかす、肝斑、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、炎症後色素沈着、タトゥーなど、幅広い色素性病変に効果が期待できます。シミの種類や深さに応じて、ピコスポット、ピコトーニング、ピコフラクショナルといった照射モードを使い分けます。
施術後のダウンタイムはどのくらいですか?
ダウンタイムは照射モードによって異なります。ピコスポットでは、照射部位に1週間~10日程度で剥がれ落ちるかさぶたや赤みが生じます。ピコトーニングはほとんどダウンタイムがなく、当日からのメイクが可能です。ピコフラクショナルでは数日程度の赤みやざらつき感が出ることがあります。
施術後にシミが濃くなることはありますか?
はい、施術後に一時的にシミが濃くなったように見える「炎症後色素沈着」が生じることがあります。これは特にアジア人の肌に起こりやすい反応ですが、多くは数ヶ月で自然に薄くなります。適切なアフターケア(保湿、紫外線対策)と、必要に応じて美白剤や内服薬の併用で改善を促すことができます。
何回くらい施術を受ける必要がありますか?
施術回数はシミの種類や状態によって異なります。老人性色素斑やそばかすは1回で効果を実感できることもありますが、深いシミやADMは複数回(2~5回程度)必要です。肝斑や肌全体のくすみ改善を目的とするピコトーニングは、2~4週間に1回のペースで5~10回程度の継続的な施術が推奨されます。
この記事の監修医
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