- ✓ 季節の変わり目は、温度や湿度の変化により皮膚のバリア機能が低下し、トラブルが生じやすくなります。
- ✓ 春の花粉症皮膚炎、夏の紫外線ダメージ、秋冬の乾燥肌など、季節ごとの特徴に応じた適切なケアが重要です。
- ✓ 自己判断せず、症状が悪化する前に皮膚科を受診し、専門的な診断と治療を受けることが早期改善につながります。
季節の変わり目には、多くの方が皮膚トラブルを経験します。これは、気温や湿度の変化、紫外線量の変動、花粉などのアレルゲン増加などが複合的に影響し、皮膚のバリア機能が低下しやすくなるためです。適切な知識と対策で、一年を通して健やかな肌を保つことが可能です。
春の花粉症と肌荒れ|池袋の皮膚科で早めの対策を

春は花粉の飛散量が増加し、花粉症の症状だけでなく、肌荒れに悩む方も少なくありません。この現象は「花粉症皮膚炎」と呼ばれ、花粉が皮膚に付着することでアレルギー反応を引き起こし、かゆみ、赤み、乾燥などの症状が現れます。
花粉症皮膚炎とは?そのメカニズム
花粉症皮膚炎は、花粉が皮膚の角層に侵入し、免疫細胞が過剰に反応することで炎症が生じる状態です。特に、皮膚のバリア機能が低下している部分(目元、口元、首など)で症状が出やすく、アトピー性皮膚炎の患者さまはより重症化しやすい傾向があります。当院では、春になると「顔がかゆくて赤くなる」「いつもの化粧品がヒリヒリする」と相談される患者さまが非常に多く、花粉の飛散時期と症状の悪化が一致するケースをよく経験します。
- 花粉症皮膚炎
- 花粉が皮膚に接触することで引き起こされるアレルギー性皮膚炎の一種で、かゆみ、赤み、湿疹、乾燥などの症状を特徴とします。特に顔や首など露出部位に発生しやすいです。
春の肌荒れ対策と治療法
春の肌荒れ対策としては、花粉を皮膚に付着させないことが基本です。外出時にはマスクや眼鏡を着用し、帰宅後は衣類をはたき、洗顔で優しく花粉を洗い流しましょう。また、皮膚のバリア機能を保つために、保湿ケアを徹底することが重要です。低刺激性の保湿剤を選び、肌をこすらないように優しく塗布してください。
症状がすでに現れている場合は、自己判断で市販薬を使用するのではなく、皮膚科を受診することをお勧めします。当院では、症状に応じて抗ヒスタミン薬の内服やステロイド外用薬、非ステロイド性抗炎症薬などを処方し、炎症を抑える治療を行います。また、皮膚のバリア機能を修復するための保湿指導も丁寧に行っています。早期に治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、快適な春を過ごせるようサポートします。
夏の紫外線ダメージとシミ予防|日焼け後のケア

夏は紫外線量が一年で最も多くなり、皮膚に深刻なダメージを与える季節です。紫外線は日焼けだけでなく、シミ、しわ、たるみなどの光老化を促進し、皮膚がんのリスクも高めることが知られています。
紫外線が皮膚に与える影響とは?
紫外線(UV)には、UVA、UVB、UVCの3種類があり、このうちUVAとUVBが地表に到達し、皮膚に影響を与えます。UVAは皮膚の奥深く真皮まで到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊してしわやたるみの原因となります。UVBは表皮にダメージを与え、日焼け(サンバーン)やシミ、そばかすの原因となります。長期的な紫外線曝露は、皮膚の免疫機能を低下させ、皮膚がんのリスクを高める可能性も指摘されています[2]。
診察の中で、若い頃に日焼け対策をあまりしていなかったという患者さまが、40代以降になって急にシミが増えたと訴えられるケースをよく耳にします。紫外線によるダメージは蓄積されるため、若いうちからの継続的な対策が非常に重要です。
効果的な日焼け止め対策と日焼け後のケア
夏の紫外線対策の基本は、日焼け止めを正しく使用することです。SPF(Sun Protection Factor)とPA(Protection Grade of UVA)の表示を確認し、日常生活ではSPF20~30、PA++~+++程度、レジャーではSPF50+、PA++++を選ぶと良いでしょう。日焼け止めは2~3時間おきに塗り直すことが推奨されます。また、帽子やサングラス、長袖の衣類なども活用し、物理的に紫外線を避けることも効果的です。
万が一、日焼けをしてしまった場合は、速やかに冷却し、炎症を抑えることが重要です。冷たいタオルやシャワーで肌を冷やし、保湿剤でしっかり水分を補給してください。赤みや痛みがひどい場合は、炎症を抑えるためのステロイド外用薬や内服薬が必要となることがありますので、皮膚科を受診してください。当院では、日焼け後の肌状態を詳しく診察し、シミ予防のための内服薬(トラネキサム酸、ビタミンCなど)や外用薬、場合によってはレーザー治療なども含めた総合的なケアをご提案しています。
秋冬の乾燥肌対策|保湿と皮膚科での治療
秋冬は気温が低下し、空気が乾燥するため、皮膚の水分が失われやすくなります。これにより、乾燥肌(ドライスキン)や皮脂欠乏性湿疹などの皮膚トラブルが増加します。
なぜ秋冬は肌が乾燥するのか?
皮膚のバリア機能は、角層の細胞間脂質や天然保湿因子(NMF)によって保たれています。しかし、秋冬の低湿度環境では、皮膚からの水分蒸発が促進され、バリア機能が低下しやすくなります[3]。また、熱いお風呂やナイロンタオルでのゴシゴシ洗いなども、皮膚の皮脂を過剰に除去し、乾燥を悪化させる原因となります。当院の問診では、秋冬に「肌が粉を吹く」「かゆくて夜中に目が覚める」といった訴えが多く、特に高齢の患者さまやアトピー性皮膚炎の既往がある患者さまに多く見られます。
| 季節 | 主な皮膚トラブル | 主な原因 |
|---|---|---|
| 春 | 花粉症皮膚炎、ニキビ悪化 | 花粉、気温・湿度の変化 |
| 夏 | 日焼け、シミ、あせも、毛嚢炎 | 紫外線、高温多湿、汗 |
| 秋冬 | 乾燥肌、皮脂欠乏性湿疹、しもやけ | 低湿度、気温低下 |
効果的な保湿ケアと皮膚科での治療
秋冬の乾燥肌対策では、保湿が最も重要です。入浴後は、タオルで水分を軽く拭き取った後、すぐに保湿剤を塗布しましょう。保湿剤には、水分を補給する「化粧水」、水分を保持する「乳液」、水分の蒸発を防ぐ「クリーム」などがあります。ご自身の肌質や乾燥の程度に合わせて、適切なものを選ぶことが大切です。特に乾燥がひどい場合は、ヘパリン類似物質や尿素配合の保湿剤が効果的です。
ご家庭でのケアだけでは改善しない、かゆみや赤みが強い、湿疹ができているといった場合は、皮膚科を受診してください。当院では、患者さま一人ひとりの肌の状態を丁寧に診察し、保湿剤の選び方や正しい塗り方を指導します。炎症が強い場合には、ステロイド外用薬や非ステロイド性抗炎症薬を処方し、症状の改善を図ります。また、生活習慣の見直し(入浴方法、衣類の選択など)についてもアドバイスを行い、根本的な改善を目指します。治療を始めて数週間で「肌のかゆみが減って、夜もぐっすり眠れるようになった」とおっしゃる方が多いです。
季節の皮膚トラブルの基本的な理解と予防策

季節ごとの皮膚トラブルは、その原因となる環境要因が異なるため、それぞれの季節に合わせた理解と対策が必要です。皮膚は体と外界との境界であり、そのバリア機能は私たちの健康を維持するために不可欠です。季節の変わり目に皮膚トラブルが悪化する背景には、皮膚の生理機能の変化が深く関わっています。
皮膚のバリア機能とは?
皮膚のバリア機能は、外部からの刺激(アレルゲン、病原体、化学物質など)の侵入を防ぎ、体内からの水分蒸発を抑制する重要な役割を担っています。この機能は、角層細胞と細胞間脂質(セラミドなど)によって構成される「角層」によって維持されています。しかし、温度や湿度の急激な変化、紫外線、花粉などの環境要因は、このバリア機能を容易に低下させてしまいます[3]。
例えば、冬の乾燥した環境下では、皮膚の水分が失われやすく、角層が乱れてバリア機能が低下します。これにより、外部刺激が侵入しやすくなり、かゆみや炎症を引き起こすことがあります。また、夏の高温多湿な環境では、汗や皮脂の分泌が増加し、毛穴の詰まりや細菌の繁殖を招きやすくなります。季節によって皮膚の状態が変動することは、複数の研究でも報告されています[4]。
季節性皮膚トラブルの共通する予防策
季節ごとに異なる皮膚トラブルですが、共通して実践できる予防策も存在します。これらを日常生活に取り入れることで、年間を通して皮膚の健康を保つことができます。
- 適切な保湿ケアの継続: 季節を問わず、皮膚のバリア機能を維持するために保湿は非常に重要です。特に乾燥しやすい季節はもちろん、夏でもエアコンによる乾燥や紫外線ダメージ後のケアとして保湿を怠らないようにしましょう。
- 紫外線対策の徹底: 紫外線は一年中降り注いでおり、曇りの日でも油断できません。日焼け止め、帽子、日傘などを活用し、年間を通して紫外線対策を行うことが、シミや光老化の予防につながります。
- 低刺激性のスキンケア製品の使用: 皮膚への負担を最小限に抑えるため、香料や着色料、アルコールなどが少ない低刺激性の製品を選びましょう。洗顔や入浴時も、肌を強くこすらず、優しく洗うことが大切です。
- 生活習慣の改善: バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動は、皮膚の健康だけでなく全身の健康にも良い影響を与えます。ストレスも皮膚トラブルの一因となるため、リラックスする時間を作ることも重要です。
- アレルゲンからの保護: 花粉やハウスダストなど、ご自身のアレルゲンが分かっている場合は、それらからの接触を避ける工夫をしましょう。例えば、花粉の飛散時期には外出を控えたり、帰宅時に衣類を払ったりすることが有効です。
これらの基本的な予防策を実践することで、季節の変わり目に起こりやすい皮膚トラブルのリスクを低減し、健やかな肌を維持することが期待できます。しかし、症状が改善しない場合や悪化する場合は、早めに皮膚科専門医にご相談ください。当院では、患者さまの肌質や生活習慣、季節ごとの具体的な悩みに合わせて、オーダーメイドのスキンケア指導や治療プランを提案しています。特に、アトピー性皮膚炎や酒さなど、特定の皮膚疾患をお持ちの患者さまは、季節の変わり目に症状が悪化しやすい傾向があるため、定期的な診察と適切なケアが不可欠です[1]。
自己判断での治療や市販薬の過度な使用は、症状を悪化させる可能性があります。特に、かゆみや赤みが強い場合、広範囲に及ぶ場合、または数日経っても改善しない場合は、速やかに皮膚科を受診し、専門医の診断と適切な治療を受けることが重要です。
まとめ
季節の皮膚トラブルは、春の花粉症皮膚炎、夏の紫外線ダメージ、秋冬の乾燥肌など、季節ごとの環境要因によって様々な形で現れます。これらのトラブルを予防し、改善するためには、それぞれの季節に合わせた適切なスキンケアと生活習慣の見直しが不可欠です。特に、皮膚のバリア機能を維持するための保湿、紫外線対策、そして低刺激性のスキンケア製品の選択が共通して重要となります。症状が軽度であっても、自己判断せずに皮膚科専門医に相談することで、早期に適切な診断と治療を受け、肌の健康を保つことができます。当院では、患者さま一人ひとりの肌の状態に合わせたきめ細やかなサポートを提供し、一年を通して健やかな肌で過ごせるようお手伝いいたします。
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- Swetha Atluri, Rahul Masson, Khiem Tran et al.. Managing seasonal flares in hidradenitis suppurativa.. Journal of the American Academy of Dermatology. 2023. PMID: 37716369. DOI: 10.1016/j.jaad.2023.01.055
- Behzad Khodaei, Simin Seyedpour, Bahare Gholami et al.. Seasonal and gender variation in skin disease: A cross-sectional study of 3120 patients at Razi hospital.. International journal of women’s dermatology. 2022. PMID: 35028385. DOI: 10.1016/j.ijwd.2021.09.014
- K A Engebretsen, J D Johansen, S Kezic et al.. The effect of environmental humidity and temperature on skin barrier function and dermatitis.. Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology : JEADV. 2016. PMID: 26449379. DOI: 10.1111/jdv.13301
- Iva Dolečková, Aneta Čápová, Lenka Machková et al.. Seasonal variations in the skin parameters of Caucasian women from Central Europe.. Skin research and technology : official journal of International Society for Bioengineering and the Skin (ISBS) [and] International Society for Digital Imaging of Skin (ISDIS) [and] International Society for Skin Imaging (ISSI). 2021. PMID: 33084174. DOI: 10.1111/srt.12951
- アルツディスポ(ヒアルロン)添付文書(JAPIC)
- ヘパフィルド(ヘパリン)添付文書(JAPIC)