池袋サンシャイン通り皮膚科の院内と診療導線

Insurance Dermatology / Burns

やけどの正しい応急処置は?熱傷診療ガイドライン第3版から受診目安まで解説

日本皮膚科学会「創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン(2023)―6」と2026年公開の英語版をもとに、家庭での初期対応、受診の目安、医療機関で行われる治療の考え方を整理します。

流水で冷却水疱は破らない受診目安を確認国内ガイドライン準拠
まず行うこと

熱源から離れ、安全を確保してから、水道水などで10分前後を目安に冷却します。衣服が皮膚に付着している場合は無理にはがさず、衣服の上から冷やしてください。水疱は破らず、清潔なガーゼなどで覆います。

First Aid

家庭で行うやけどの応急処置

冷却は痛みや腫れの軽減に役立ちます。ただし広範囲の熱傷や乳幼児では低体温に注意し、重症が疑われる場合は冷却だけで受診を遅らせないでください。

01

安全を確保

熱源から離れ、化学物質や電気の場合は二次被害を避けます。

02

流水で冷却

衣服の上からでも、水道水などで10分前後を目安に冷やします。

03

清潔に保護

水疱を破らず、清潔なガーゼなどで覆います。

氷を直接長時間当てる、歯磨き粉や味噌などを塗る、自己判断で水疱を破る処置は避けてください。

Urgency

救急要請・早めの受診を考える状態

意識や呼吸の異常、煙を吸った可能性、顔や首のやけど、広範囲の熱傷、全身状態の悪化がある場合は119番を検討してください。

状態確認が必要な理由
顔、手、足、関節、陰部機能や整容面への影響を評価します。
白い、黒い、感覚が鈍い深い熱傷の可能性があります。
手のひらより明らかに広い面積と深さを医療者が評価します。
化学薬品・電気・煙によるもの見た目以上の損傷や気道障害の可能性があります。
赤み、腫れ、痛み、膿が増える感染や治癒遅延を確認します。

Guideline

熱傷診療ガイドライン第3版で示されたこと

第3版はGRADE方式で作成され、予防的な全身抗菌薬、ドレッシング材、トラフェルミンについてメタ解析を行っています。

予防的な全身抗菌薬

やけどをしただけで飲み薬や点滴の抗菌薬が必須になるわけではありません。感染の有無と重症度で判断します。

ドレッシング材

滲出液、感染、深さ、交換時の痛みなどを確認して選択します。

トラフェルミン

傷の状態や治療段階を踏まえて医療機関で使用を検討します。

「弱い推奨」の読み方

いずれもすべての患者に一律に行うという意味ではありません。熱傷の深さ、範囲、部位、感染徴候、年齢、基礎疾患などを踏まえて選択します。

Site Guide

関連する診療案内

この記事はやけど直後の対応と受診判断に限定しています。

FAQ

よくある質問

冷やす時間はどのくらいですか?

公的な応急手当資料では水道水などで10分前後の冷却が案内されています。広範囲や乳幼児では低体温に注意してください。

水疱はつぶしたほうがよいですか?

自己判断では破らず、清潔に保護してください。大きい水疱や関節部の水疱は医療機関で処置を判断します。

抗菌薬は必要ですか?

すべてのやけどに予防的抗菌薬が必要なわけではありません。感染徴候や重症度に応じて医師が判断します。

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長 吉井恭平

Medical Supervisor

吉井 恭平

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長。やけどは見た目だけで深さを判断しにくいため、部位・範囲・色・痛みや感覚の変化を確認します。