授乳中のニキビ薬を相談する準備を表す、閉じた無地のチューブ、ノート、白いタオル

Acne & Skin Care Column

授乳中のニキビ薬再開前に確認したいこと赤ちゃんへの接触対策

授乳中にニキビ薬を始める・再開するときは、薬名と塗る場所を医師・薬剤師へ確認してください。授乳中でも使える場合はありますが、塗り薬なら一律に安全とは言えません。母乳への移行と、薬を塗った皮膚に赤ちゃんが触れることは別に考えます。この記事ではアダパレン・過酸化ベンゾイルの確認、乳房へ自己判断で塗らない理由、診察で伝える情報を整理します。薬をなめた、目に入ったなどの接触は医療機関へ相談しましょう。

監修: 吉井恭平 授乳中のニキビ薬と赤ちゃんへの接触 最終更新 2026-09-23

ニキビ・肌荒れでまず押さえたい3つの視点

01

薬ごとに確認

02

塗った場所に触れない

03

迷ったら相談する

赤ちゃんが薬をなめた・目に入ったときは早めに相談

薬をなめた、飲み込んだ、目に入った場合は、製品名と時刻を確認し、医療機関や中毒110番へ相談してください。息苦しさ、意識や反応の異常、けいれんがあれば119番へ連絡します。家庭で無理に吐かせないでください。

01 / Acne care while breastfeeding

授乳中の使用は薬ごとに相談します

授乳中に使えるかどうかは、薬の成分や使い方、赤ちゃんの状態で変わります。薬の名前を確認し、授乳中であることを処方医と薬剤師へ伝えてから、開始・再開について相談してください。

出産前に処方されたチューブが残っていても、以前の説明だけで再開しないようにします。飲み薬と塗り薬、同じ成分名でも濃度や組み合わせが違う製品は、別々に確認が必要です。

薬を使うことへの不安だけで、必要な治療や授乳を一律にやめる必要があるとは限りません。反対に、「塗り薬だから赤ちゃんに影響しない」と決めつけることもできません。自分の薬でどう判断するかを相談しましょう。

すでに使用した場合も、自分を責めず、薬名、使った時刻、量、場所を伝えます。情報がそろわなくても相談できるので、包装を探し終えるまで連絡を遅らせる必要はありません。

ニキビ薬の自己中断についての記事は継続の基本を扱っています。本記事では、授乳中に使う薬を再確認し、赤ちゃんが塗布部位に触れる場面を整理します。

治療方法の全体像はニキビ治療の案内も参考になります。授乳中の方に同じ薬や施術が必ず適するという意味ではなく、まず現在の皮膚を診てもらうための情報です。

本記事は主に顔に使うニキビ外用薬の確認を扱い、飲み薬の銘柄別の適否や、授乳を中断する時間を決めるものではありません。飲み薬を使っている場合も、処方元へ薬名と授乳状況を必ず伝えてください。

02 / Acne care while breastfeeding

アダパレン・過酸化ベンゾイルは製品ごとに確認

相談するときは、販売名と成分名、濃度、飲み薬か塗り薬かを確認します。チューブや箱、お薬手帳を見せればよく、難しい成分名を覚えておく必要はありません。

アダパレンと過酸化ベンゾイルについて、日本の電子添文は治療の利点と母乳栄養の利点を考えて判断する扱いです。母乳中へどれだけ移るか不明という記載を、すべての人への禁止や安全保証へ置き換えないでください。

一方、海外の授乳情報には、皮膚からの吸収が少ないことから乳児へのリスクは低いと考える説明もあります。ただし授乳中の研究には限りがあり、国内の処方指示や本人の状況を確認する代わりにはなりません。

配合剤は一つのチューブに複数の成分が入っています。似た名前や同じ色の容器だけで判断せず、「いつ処方された何という薬か」を確認します。市販薬、サプリメント、ほかの診療科の薬も一緒に伝えましょう。

家族のニキビ薬の共有は避けます。「家族が授乳中に使えた」「以前の病院では大丈夫と言われた」という体験談だけで、別の薬や別の使い方へ広げないことが大切です。

ネット上の一覧表で自分の薬が見つからないときも、それだけで危険とは決まりません。商品名と成分名が違うこともあるため、手元の実物を薬剤師に確認してもらってください。

この表は「使える薬・使えない薬」を自己判定する一覧ではありません。外用薬の説明を飲み薬へ当てはめず、処方された製品名をひとつずつ確認するために使ってください。

薬の名前と、処方元へ聞くこと
手元の薬授乳中に確かめる内容
アダパレンを含む外用薬国内添文と本人の状況を合わせ、開始・再開と塗布部位を相談
過酸化ベンゾイルを含む外用薬濃度、塗る製品か洗い流す製品か、乳房への使用回避を確認
複数成分の配合剤・飲み薬一成分の説明で判断せず、製品全体の授乳情報を確認
03 / Acne care while breastfeeding

顔に塗ったニキビ薬へ赤ちゃんが触れない工夫

母乳を介した影響と、塗った薬が赤ちゃんの皮膚や口へ直接つくことは別の確認事項です。授乳中の使用が可能と判断された場合でも、赤ちゃんが塗布部位へ触れない工夫が必要です。

抱っこで頬が触れる、顔を手で触った後に指をなめる、胸元に顔を寄せるなど、普段の動きを思い出してみましょう。授乳の時間だけでなく、抱っこや寝かしつけの場面も薬を塗る場所と合わせて伝えます。

授乳情報データベースLactMedは、アダパレンや過酸化ベンゾイルを塗った皮膚と乳児の皮膚が直接触れないよう注意しています。薬が乾けば必ず接触してよい、という判断はできません。

塗布後は手を洗い、指に残った薬が赤ちゃんや哺乳用品へ移らないようにします。薬のついた手のままお世話を始めないよう、塗布と手洗いまでをひと続きの動作として準備しておきましょう。

顔へ触れやすい抱き方を避けられない場合は、生活の様子を医師・薬剤師へ具体的に話します。自己流に薬を薄める、回数を減らす、顔を覆うなどで解決しようとせず、実行できる方法を相談します。

ニキビ薬を塗る範囲は診断や薬によって異なります。赤ちゃんが触れそうだからと一律に点塗りへ変えるのではなく、指示された範囲と接触を避ける方法を一緒に確認してください。

04 / Acne care while breastfeeding

顔用のニキビ薬を乳房や胸元へ広げません

ニキビ薬を乳頭・乳輪へ自己判断で塗らないでください。乳房や胸元の発疹が気になる場合は、赤ちゃんが口や顔を近づける場所であることを伝え、診断と使える治療を確認します。

海外公的資料ではアダパレンを乳頭・乳輪へ塗らないこと、過酸化ベンゾイルを授乳中の乳房へ使わないことが案内されています。洗えば使えるという独自のルールを作らず、処方元へ相談してください。

アダパレンの国内製品は顔のニキビを対象としており、胸や背中への有効性・安全性が確立していないとされています。顔に出された薬を胸元のぶつぶつへ広げないようにしましょう。

胸元の発疹はニキビに似た毛穴の炎症や湿疹などの場合もあります。ニキビと毛嚢炎の違いの記事は参考になりますが、授乳中の乳房の赤みや痛みを写真だけで判定するためのものではありません。

胸元の汗や衣服のこすれが気になる場合も、薬を追加する前に触れる範囲を確認します。胸・デコルテの肌ケアは、授乳中に乳房へニキビ薬を使用してよいという説明ではありません。

乳房に痛みや熱感があり、赤みが広がる、発熱を伴う場合は、ニキビとして様子を見続けず産科などへ相談してください。授乳に伴う乳房のトラブルもあるため、皮膚の薬を塗って対応する前に確認が必要です。

湿疹のために処方されたステロイド外用薬などは、ニキビ薬とは確認事項が異なります。授乳中の湿疹と塗り薬の注意で説明する授乳前の除去方法を、ニキビ薬を乳房へ使う理由にしないでください。

05 / Acne care while breastfeeding

時間だけで安全を決めず使い方を確認します

授乳後に塗れば必ず安全、何時間待てばよい、という共通の時間は決められません。製品の使い方と生活に合わせ、塗布のタイミングや接触への対策を処方元へ確認してください。

同じ過酸化ベンゾイルでも、塗ったままにする製品と洗い流す製品は使い方が異なります。海外の記事にある回数や洗い流すまでの時間を、日本で処方された別製品へそのまま当てはめないようにします。

赤ちゃんのお世話で夜間の予定が変わることもあります。毎回の授乳時刻をそろえるために無理をするのではなく、どの場面で接触しやすいかを話し、続けられる治療計画を相談しましょう。

塗り忘れたときは、まとめて多く使って埋め合わせないでください。ニキビ薬を使い忘れた日の確認も参考に、次の使用時刻や回数は薬の指示に従います。

不安から化粧品を次々足すと、どの製品で刺激が出たか分かりにくくなります。レチノール化粧品との重ね使いも含め、薬だけでなく普段のスキンケアを一度一覧にして相談しましょう。

塗った直後にお世話が必要になったときも、薬の量を増減して調整しないでください。手を洗い、直接接触を避ける方法を取り、繰り返し困る場合は次の診察を待たず薬局へ連絡してかまいません。

06 / Acne care while breastfeeding

赤ちゃんに薬がついたときの対応

薬が赤ちゃんの皮膚についたら、こすらず流水で洗い流します。口に入ったときは無理に吐かせず医療機関や中毒110番へ、目に入ったときは直ちに洗い流して受診の相談をしてください。

皮膚についた場合は、付着した衣服も外します。洗っても赤みや痛そうな様子が続く、範囲が広い、何の薬か分からない場合は、小児科などへ早めに相談しましょう。

口に入ったときは無理に吐かせないでください。飲んだ物によって対応が異なるため、水やミルクを大量に飲ませて薄めようとせず、製品の容器を手元に置いて相談します。

目に入った場合はこすらず、すぐに流水で10分以上洗います。赤ちゃんの目を洗うのが難しい場合は無理を続けず直ちに受診し、洗った後にも赤みや痛そうな様子があれば医療機関へ相談してください。

息苦しい、唇の色が悪い、呼びかけへの反応がおかしい、けいれんしている場合は119番へ連絡します。薬の写真や記録を用意することより、救急への連絡を優先してください。

塗った場所を一度触っただけで重大な影響が起きたとは限りません。自己判断で長期間授乳を中断するのではなく、どんな接触があったかと現在の様子を伝え、その場に応じた助言を受けましょう。

  • 皮膚:流水で洗い、続く赤みや痛みを相談
  • 口:吐かせず、製品名・時刻・量を伝える
  • 目:すぐ洗眼し、洗えない場合は直ちに受診
  • 呼吸・意識の異常やけいれん:119番
07 / Acne care while breastfeeding

母親と赤ちゃんの変化を分けて相談します

母親の皮膚症状は処方元・皮膚科へ、赤ちゃんの体調変化は小児科へ相談します。どちらにも授乳中であることと薬の使用状況を伝え、薬が原因と決めつけず診察を受けましょう。

母親に強い腫れ、水疱、広がる赤み、強い痛みなどが出た場合は、刺激を我慢して塗り続けず速やかに処方元へ連絡してください。アダパレンや過酸化ベンゾイルの添付文書では、過敏反応や重度の皮膚刺激時に使用中止の注意があります。授乳への漠然とした不安による自己中断とは分けて考えます。

軽い乾燥でも続いてつらい場合は、ニキビ薬による乾燥・刺激への対応を確認し、使用量や保湿の調整を相談します。ひりつく部分へ別の薬やピーリング化粧品を重ねないようにしましょう。

赤ちゃんの発疹、哺乳量の低下、繰り返す嘔吐、普段と違う眠り方などが気になる場合は小児科へ相談します。母親が薬を使っているだけで原因とは決まりませんが、使用薬と接触の有無は判断材料になります。

ニキビが深く痛む、跡が残りそう、気持ちの負担が大きい場合も受診の理由になります。授乳が終わるまで必ず我慢するのではなく、今できる治療や相談先を一般皮膚科で確認してください。

外来では「薬をやめたい」「授乳を続けたい」といった希望も伝えられます。治療と育児のどちらかを自分だけで選ばなくてはならないと考えず、不安を含めて共有することが大切です。

08 / Acne care while breastfeeding

薬・塗る場所・授乳状況を一枚にまとめます

診察では、薬の実物やお薬手帳、塗る場所、授乳状況、赤ちゃんの月齢と体調を伝えます。記録は分かる範囲で十分で、緊急の症状があるときはメモ作成より受診を優先してください。

薬については名前、濃度、開始日、最後に使った時刻、実際の回数を整理します。指示どおりに使えなかった日も含め、できた使い方をそのまま伝える方が調整しやすくなります。

赤ちゃんについては月齢、早産の有無、持病や治療中のこと、母乳だけか混合かなどを共有します。これらは薬の相談に必要な背景であり、育児の方法を評価するための項目ではありません。

顔のどこに塗っているか、抱っこで頬が触れるか、胸元へ顔を寄せるかも書いておきましょう。「薬を塗った後のお世話で困る」という説明からでも、具体的な使い方を相談できます。

妊娠している可能性や次の妊娠を考えている場合は、授乳とは別に必ず伝えます。妊娠中のニキビ薬の確認と授乳中の判断は同じではなく、妊娠で使えない薬があるためです。特にアダパレンは国内添文で妊娠中・妊娠の可能性がある場合は使用しない扱いです。授乳中の使用について受けた説明を、妊娠の可能性が出た後までそのまま使わず、次の使用前に医師へ連絡してください。

受診までに薬がなくなりそうな場合も、家族の薬で代用せず処方元へ連絡します。電話で相談するときは、薬名と「授乳中の開始・再開または接触の相談」であることを先に伝えると話を整理できます。

相談後は、使ってよい製品、塗る場所、困ったときの連絡先をメモに追記します。薬や授乳の扱いについて説明が食い違ったときは、一方を自分で選ぶ前に、処方元と調剤薬局へ内容を共有して確認してもらいましょう。

相談メモに書いておく項目
伝える情報確認したいこと
薬名・濃度・開始日・実際の回数授乳中に開始・再開・継続してよいか
頬など塗る場所・触れる場面指示された範囲と接触を避ける具体策
月齢・早産歴・持病・授乳状況赤ちゃんの状態に応じた追加の注意
母親と赤ちゃんの症状・発症時刻相談先と、急いで受診する変化
薬名と塗る場所を診察で伝えるための白紙のノート、無地の箱とチューブ、タオル
ニキビ薬の名前・塗る場所・授乳状況を相談メモにまとめるための生成イメージです。実際の医薬品や診療記録ではありません。

池袋で授乳中のニキビを相談したい方へ

池袋で皮膚科受診をご検討の方へ

池袋駅周辺や東池袋で、授乳中のニキビ薬に迷う方は一般皮膚科へご相談ください。薬の名前・塗る場所・赤ちゃんの月齢が分かるものを持参すると、治療と授乳について相談しやすくなります。

池袋サンシャイン通り皮膚科では、現在の皮膚の状態と使用薬を確認します。美容皮膚科の施術や新しい化粧品を先に選ぶ前に、授乳状況を含めて相談しましょう。赤ちゃんの体調に心配がある場合は、かかりつけの小児科にも伝えてください。

FAQ

よくある質問

授乳中なら塗り薬はすべて使えますか?

すべて使えるとは言えません。成分、濃度、塗る場所、赤ちゃんの状態によって判断が異なります。薬の実物やお薬手帳を示して医師・薬剤師へ確認してください。

出産前のニキビ薬を再開してもよいですか?

以前の処方だけで再開せず、現在授乳中であることを伝えて確認しましょう。薬名、濃度、使う場所と赤ちゃんの月齢を共有してください。

薬が乾いたら赤ちゃんが頬に触れても大丈夫ですか?

乾いただけで接触してよいとは判断できません。授乳中の使用が可能とされた薬でも、赤ちゃんが塗布部位に直接触れない方法を医師・薬剤師へ確認してください。

授乳後に塗れば何時間か待つだけでよいですか?

どの薬にも共通する待ち時間はありません。自己判断で授乳間隔や薬の回数を変えず、製品の使い方と接触する場面を処方元へ伝えて相談しましょう。

赤ちゃんが薬をなめたときはどうすればよいですか?

無理に吐かせず、薬の容器を手元に置いて医療機関や中毒110番へ相談してください。薬名、時刻、分かれば量を伝えます。息苦しさや反応の異常、けいれんがあれば119番へ連絡します。

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長 吉井恭平

この記事の監修医師

吉井恭平|池袋サンシャイン通り皮膚科 院長

授乳中のニキビ治療では、薬の名前だけでなく、どこへ塗り、赤ちゃんがどのように触れるかも一緒に確認します。出産前の処方を再開したい場合は、お薬手帳や薬の実物をお持ちください。
不安だけで治療や授乳をあきらめる必要があるとは限りません。現在の皮膚の状態、赤ちゃんの月齢、実際のお世話の様子を共有し、無理なく続けられる対応を相談しましょう。
参考文献
  1. PMDA. ディフェリンゲル0.1% 電子添文. 9.6授乳婦・適用部位など(2023年1月改訂).
  2. PMDA. ベピオゲル2.5%・ローション2.5% 電子添文. 9.6授乳婦・製剤の違い(2026年5月改訂).
  3. NLM LactMed. Adapalene. 授乳情報の限界と塗布部位への接触回避(2025年6月15日更新).
  4. NLM LactMed. Benzoyl Peroxide. 授乳情報と乳児の皮膚接触(2024年11月15日更新).
  5. NHS. Benzoyl peroxide. Breastfeeding and benzoyl peroxide、使用時の注意.
  6. 国立成育医療研究センター. 授乳中のお薬相談. 相談時に用意する母子・薬剤情報.
  7. 日本中毒情報センター. 中毒事故が起こったら(家庭でできること、やってはいけないこと).
  8. NHS. Mastitis. 乳房の熱感・痛み・発熱と相談.