症状・部位から抗真菌薬を選ぶ
同じ水虫でも、足の皮膚、爪、体、股、胸・背中の色むらでは薬の選び方が変わります。
ルリコン、ニゾラールなど。塗る範囲と期間が重要です。
クレナフィン、ルコナックなど。爪の範囲と厚みで適応を見ます。
ネイリン、テルビナフィン、イトラコナゾールなど。安全確認が必要です。
| 薬の種類 | 代表薬 | 向きやすい状態 | 確認したいこと |
|---|---|---|---|
| 外用抗真菌薬 | ルリコン、ニゾラール | 足白癬、体部白癬、股部白癬、癜風など | 真菌検査、塗る範囲、期間、かぶれ |
| 爪外用薬 | クレナフィン、ルコナック | 病変が限られる爪白癬 | 爪の厚み、根元への広がり、継続期間 |
| 内服抗真菌薬 | ネイリン、テルビナフィン、イトラコナゾール | 広範囲・肥厚・複数爪の爪白癬 | 肝機能、併用薬、妊娠、基礎疾患 |
薬の前に、真菌症かどうかを確認します
水虫に見えても湿疹、かぶれ、乾燥、掌蹠膿疱症、乾癬、細菌感染などのことがあります。
部位、左右差、皮むけ、赤み、爪の厚みを確認します。
必要に応じて角質や爪を採取して真菌を確認します。
皮膚、爪、範囲、重症度、安全性で選びます。
靴、靴下、バスマット、家族内感染も見直します。
外用抗真菌薬
足の水虫や体部白癬、股部白癬、癜風などで使う塗り薬です。成分や剤形だけでなく、塗る範囲と治療期間を診断に合わせて確認します。
爪水虫の外用薬
爪白癬は治療期間が長くなりやすく、爪の厚み、病変範囲、爪の根元への広がりを確認して、外用薬と内服薬を使い分けます。
内服抗真菌薬
ネイリン、イトラコナゾール、テルビナフィンなどは爪白癬で重要な選択肢です。肝機能、併用薬、妊娠の可能性、基礎疾患を確認して選びます。
爪が厚い、病変範囲が広い、外用だけでは難しい場合に候補になります。
詳しく見るトリアゾール系内服抗真菌薬イトラコナゾール爪白癬ではパルス療法などで検討します。併用禁忌・注意薬が多いため、お薬手帳を確認します。
詳しく見るアリルアミン系/内服・外用ありテルビナフィン(ラミシール)外用では足白癬などに、内服では爪白癬に使います。内服時は肝機能や血液検査などを確認します。
詳しく見る肝機能、併用薬、妊娠の可能性、基礎疾患で選べる薬が変わります。市販薬や家族の薬を使わず、診察で確認してください。
水虫の正しい治療と再発防止
水虫の正しい治療法は、真菌を確認したうえで病型に合う薬を必要な期間続け、足・爪・生活環境に残る再感染の要因を一緒に見直すことです。かゆみや皮むけが軽くなっても、自己判断で薬を中止せず、診察で終了時期を確認します。
見た目が改善しても真菌が残っている場合があります。塗る範囲・回数・期間は処方時の指示を守り、改善しない場合は薬を重ねず、診断・塗り方・治療期間を見直します。
爪白癬と足白癬が併存すると、皮膚と爪の間で感染が続くことがあります。爪の白濁・肥厚・崩れがあれば、皮膚だけでなく爪の検査と治療も検討します。
足指の間は洗った後にやさしく水分を拭き取り、湿った靴下は交換します。靴は十分に乾かしてから履き、同じ靴を連日使う場合も中敷きや靴下で湿った時間を減らします。
靴・スリッパ・爪切りなど足や爪に直接触れる物の共用を避け、脱衣所などは通常の清掃を続けます。家族に皮むけや爪の変化がある場合は、症状のある方も診断を確認します。
靴や靴下の消毒法には研究上の選択肢がありますが、標準化された方法は限られます。刺激の強い薬剤や機器を自己判断で使うより、まず通常の洗濯・乾燥・清掃と共用回避を続けてください。靴の蒸れで足がかゆいものの水虫か分からない場合は、靴の蒸れで足がかゆいときの見分け方をご覧ください。
処方を検討する医師向けメモ
皮膚真菌症診療ガイドライン2025、爪白癬内服薬のシステマティックレビュー、添付文書情報を踏まえた実臨床上の整理です。
爪病変の範囲、爪甲肥厚、爪母部病変、複数爪罹患、足白癬合併を確認し、外用薬と内服薬を選びます。内服ではテルビナフィン、イトラコナゾール、ホスラブコナゾールの有効性・相互作用・禁忌を比較します。
KOH確認、塗布範囲、角質増殖型、ステロイド外用歴、家族内感染を確認します。治療失敗例では診断違い、塗布量不足、爪白癬合併を見直します。
監修医師
池袋サンシャイン通り皮膚科 院長。水虫・爪水虫・癜風などの真菌症では、見た目だけで薬を決めず、必要に応じて角質や爪を採取して真菌の有無を確認します。湿疹、かぶれ、乾燥、掌蹠膿疱症、乾癬、細菌感染などが似た見た目になることがあるため、診断の整理が治療の出発点になります。
外用薬は塗る範囲と期間、爪外用薬は爪の厚さ・病変範囲・継続期間、内服抗真菌薬は肝機能、併用薬、妊娠の可能性、年齢、基礎疾患を確認して選びます。特にネイリン、イトラコナゾール、テルビナフィンなどの内服薬は、効き方だけでなく相互作用や採血フォローまで含めて安全に使うことが大切です。
よくある質問
水虫薬は市販薬と処方薬で何が違いますか?
原因が真菌か、爪まで広がっているか、塗る範囲や期間が適切かで選択が変わります。処方薬では診断と再診を前提に薬を調整できます。
爪水虫は塗り薬だけで治りますか?
病変が限られる場合は爪外用薬を検討します。爪が厚い、広範囲、複数爪の場合は内服薬も選択肢になります。
内服抗真菌薬は安全ですか?
肝機能、併用薬、妊娠の可能性などを確認して使います。ネイリン、テルビナフィン、イトラコナゾールでは注意点が異なります。
参考文献
- 日本皮膚科学会・日本医真菌学会:皮膚真菌症診療ガイドライン2025
- J-STAGE:皮膚真菌症診療ガイドライン2025
- マルホ:皮膚真菌症診療ガイドライン2025 改訂ポイント
- Systemic antifungals for toenail onychomycosis: systematic review and network meta-analysis
- Monotherapy for toenail onychomycosis: systematic review and network meta-analysis
- PMDA 医療用医薬品情報検索
- Tinea pedis: an updated review. Drugs Context. 2023. PMID: 37415917
- Onychomycosis: Treatment and prevention of recurrence. J Am Acad Dermatol. 2019. PMID: 29959962
- Transmission of Onychomycosis and Dermatophytosis between Household Members: A Scoping Review. J Fungi. 2022. PMID: 35050000