
頭部白癬は、白癬菌が頭皮や毛に感染する病気です。外用薬だけでは毛の内部・毛包へ十分届きにくいため、検査で診断したうえで内服抗真菌薬を用いるのが治療の中心です。円形脱毛症や脂漏性皮膚炎と見分けにくいため、自己判断で市販薬を塗らず皮膚科へ相談してください。

Symptoms
頭部白癬でみられる症状
典型的な脱毛斑だけでなく、フケや湿疹のように見える場合があります。
フケを伴う脱毛
円形または不整形に毛が抜け、表面に細かな鱗屑がみられます。
根元で切れる毛
毛が頭皮近くで折れ、黒い点のように見えることがあります。
赤み・腫れ・膿
強い炎症を伴うケルスス禿瘡では、痛みや膿、厚いかさぶたが生じます。瘢痕性脱毛を防ぐため早めの受診が必要です。
ステロイド外用薬で見た目だけが変化し、感染が広がることがあります。原因不明の脱毛や治りにくい頭皮湿疹では、自己判断で塗り続けず診断を受けてください。
Diagnosis
毛や鱗屑を採取して診断します
見た目だけでなく、感染毛や鱗屑を用いた真菌検査が重要です。
診察
脱毛、切れ毛、鱗屑、炎症の程度、家族や学校での発生状況を確認します。
直接鏡検
採取した毛や鱗屑を顕微鏡で調べ、真菌要素を確認します。
培養・菌種同定
原因菌によって薬剤選択が変わるため、可能な範囲で培養などを行います。
円形脱毛症、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、抜毛症、細菌感染などとの鑑別が必要です。
Treatment
治療は内服抗真菌薬が中心です
ガイドラインでは原因菌を踏まえた全身治療と、感染拡大を抑える補助的な局所治療の併用が推奨されています。
| 治療 | 位置づけ・注意点 |
|---|---|
| 内服抗真菌薬 | 毛の内部や毛包に存在する菌を治療します。菌種、年齢、体重、肝機能、併用薬などを確認して選択します。 |
| 抗真菌シャンプー等 | 頭皮表面の菌量を減らし感染拡大を抑える補助療法です。単独治療では不十分です。 |
| 炎症が強い場合 | ケルスス禿瘡などでは瘢痕性脱毛のリスクを評価し、炎症や二次感染への追加治療を個別に判断します。 |
PMDA添付文書ではテルビナフィン錠とイトラコナゾール製剤の効能に頭部白癬が含まれます。一方、テルビナフィン錠の添付文書には「小児等を対象とした臨床試験は実施していない」と記載されています。海外ガイドラインの小児用法をそのまま用いず、国内添付文書、体重、肝機能、相互作用を確認して専門医が判断します。自己判断で成人の薬を子どもへ分けて服用しないでください。
Prevention
家庭・学校・スポーツ活動での感染対策
人から人へうつる菌種があり、無症状の保菌者が感染源になることもあります。
共有を避ける
帽子、ヘルメット、タオル、枕、くし、バリカンなどを共用しないようにします。
洗浄・清掃
寝具やタオルを洗い、毛髪が付着する場所や共用品を清掃します。
周囲の症状を確認
家族や同じ集団にフケ、かゆみ、脱毛がある場合は受診を勧めます。ペットが感染源になる菌種もあるため、動物の皮膚症状は獣医師へ相談します。
登園・登校やスポーツ参加の扱いは、治療開始状況、感染の広がり、施設の規定を踏まえて医師や施設と相談してください。
FAQ
よくある質問
頭部白癬は自然に治りますか?
放置すると広がり、周囲へ感染する可能性があります。早めに検査を受けてください。
市販の水虫薬を頭皮に塗ってよいですか?
頭部白癬は通常、外用薬だけでは不十分です。似た病気も多いため、自己判断で使用せず診断を受けてください。
家族も検査が必要ですか?
症状がなくても保菌している場合があります。家族内や集団で複数人に症状がある場合は医療機関へ相談してください。
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Medical Supervisor
吉井 恭平
池袋サンシャイン通り皮膚科 院長。頭部白癬は円形脱毛症や湿疹と見分けにくく、治療法が異なります。脱毛部のフケや切れ毛がある場合は真菌検査をご相談ください。