円形脱毛症の治療を説明するイメージ
Prescription Medicine Guide

リットフーロ(リトレシチニブ)とは|円形脱毛症への効果・飲み方・副作用

リットフーロは、広範囲で難治の円形脱毛症に用いる内服JAK阻害薬です。使える条件、50mgを1日1回の飲み方、48週までの効果判定、必要な検査を患者さん向けと処方医向けに分けて解説します。

リトレシチニブJAK3/TECファミリー阻害薬12歳以上円形脱毛症
患者さん・ご家族向け

ここからは患者さん向けの解説です

症状・受診の目安・治療の流れを、日常の言葉を先にして説明します。処方や診療実務の専門情報は、ページ後半に分けています。

01

リットフーロの位置づけ

円形脱毛症のすべてに使う薬ではなく、一定の重症度と経過を満たす場合に検討する全身治療です。

1日1回の内服JAK阻害薬

免疫反応に関わるJAK3とTECファミリーキナーゼの働きを抑え、毛包への免疫反応を調整します。AGAの発毛薬ではありません。

一般名
リトレシチニブトシル酸塩
剤形
50mgカプセル
対象
広範囲で難治の円形脱毛症
服用
12歳以上に50mgを1日1回
最初に確認したいこと
円形脱毛症の診断、頭部の脱毛範囲、直近約6か月の発毛、これまでの治療、感染症や予防接種、併用薬を確認して適応を判断します。
AGE12歳以上

12歳未満は対象外です。

DOSE50mg/日

1日1回内服します。

AREA頭部約50%以上

開始時の目安です。

REVIEW48週まで

反応を確認します。

02

どのような人が対象になりますか

年齢だけでなく、脱毛の広さ、自然な発毛の有無、診断と既治療をまとめて確認します。

頭部のおおむね50%以上
診察では脱毛範囲の指標(SALT)などを用いて頭部の脱毛範囲を評価します。
約6か月、自然再生がない
産毛や太い毛が戻っている範囲、経過写真も判断材料です。
広範囲で難治
既治療の内容と反応、眉毛・まつ毛・爪、生活への影響も確認します。
患者さんへ円形脱毛症に見えても、AGA、女性型脱毛症、白癬、休止期脱毛、瘢痕性脱毛症などでは治療が異なります。薬の希望より先に診断を確認することが大切です。
03

飲み方と通院の流れ

50mgを1日1回服用し、開始前と治療中の検査、発毛の記録を続けます。

01
開始前評価

感染症・結核・B型肝炎、血球、肝機能、脂質、ワクチン、妊娠、持病と併用薬を確認します。

02
50mgを1日1回

処方された方法で服用します。飲み忘れで2回分をまとめず、対応は医師・薬剤師に確認します。

03
症状と検査を定期確認

発毛だけでなく感染症の症状、血球、肝機能、脂質などを確認します。

04
48週までに継続を再評価

通常48週までに反応がなければ中止を検討します。改善しても自己判断で中止しません。

04

効果は「毛が生えたか」だけで判断しません

同じ角度・明るさの写真と脱毛範囲を使い、時間をかけて変化を確認します。

脱毛範囲の指標(SALT)で頭部の脱毛範囲を記録

SALTは頭部全体の脱毛割合を評価する尺度です。数値だけでなく眉毛・まつ毛・爪、進行の止まり方も確認します。

生活上の負担も共有

見た目への不安、学校・仕事、ウィッグ、通院・検査の負担を含め、続ける利益と負担を定期的に話し合います。

治療してもすぐに生えそろうとは限りません。
反応には個人差があり、治癒を保証する薬ではありません。中止後に再び脱毛が進むこともあります。
05

副作用と必要な検査

免疫反応を調整する薬のため、開始前と治療中の感染症・血球などの確認が欠かせません。

INFECTION感染症・帯状疱疹

発熱、強いだるさ、長引く咳、片側の痛みや水ぶくれがあれば早めに連絡します。

LAB TESTS血球・肝機能・脂質

好中球、リンパ球、ヘモグロビン、血小板、肝機能、脂質などを確認します。

OTHER RISKS血栓症など

突然の息切れ・胸痛・片脚の腫れ、麻痺や言葉の障害などは直ちに受診します。

すぐ受診を考える症状:高熱、息苦しさ、突然の胸痛、片脚だけの腫れ・痛み、意識や言葉の異常、急速に広がる水疱・粘膜のただれ。次の予約日を待たず処方元または救急医療へ相談してください。
06

オルミエントとの違い

どちらも重症の円形脱毛症で検討される内服JAK阻害薬ですが、作用する分子、年齢・体重、用量、評価時期が異なります。

本文に出てくる医療用語

JAK阻害薬
免疫反応の情報伝達に関わる酵素を抑える薬です。薬ごとに主に作用するJAKの種類が異なります。
SALT
頭部全体のうち脱毛している割合を0〜100で評価する指標です。
自然再生
治療変更がなくても毛髪が自然に戻ることです。開始前約6か月の経過を確認します。
07

池袋で円形脱毛症を相談したい方へ

診断、脱毛範囲と経過、既治療、安全性を確認し、全身治療の適応と受診先を一緒に整理します。

診断を確認

AGAなど別の脱毛症と区別します。

適応を確認

年齢、範囲、自然再生、既治療をみます。

安全性を確認

感染症、検査、併用薬を確認します。

診察や予約は処方を保証するものではありません。治療に施設要件がある場合は、適切な医療機関をご案内することがあります。

09

よくある質問

リットフーロは円形脱毛症なら誰でも使えますか?

いいえ。国内では、頭部全体のおおむね50%以上に脱毛があり、過去約6か月に自然な発毛がみられない広範囲で難治の円形脱毛症が対象です。12歳以上で、診断・既治療・安全性を確認して検討します。

リットフーロは何歳から使えますか?

成人と12歳以上の小児が対象です。12歳未満では有効性・安全性が確立していません。

どのくらいで効果を判断しますか?

発毛には時間がかかることがあります。電子添文では通常48週までに反応を確認し、反応が得られない場合は中止を検討します。途中の評価時期は診察時に決めます。

AGAや一般的な薄毛にも使えますか?

使いません。国内での適応は条件を満たす円形脱毛症です。AGA、女性型脱毛症、感染症、瘢痕性脱毛症などは治療が異なるため診断が必要です。

体調がよければ自分で中止できますか?

自己判断で中止・再開しないでください。中止後に再び脱毛が進むことがあり、感染症などで一時中断した場合の再開時期も個別に判断します。

08

監修医師

薬の基本情報だけでなく、選ぶ条件・避ける条件・改善後の出口まで確認しています。

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長 吉井恭平

MEDICAL SUPERVISOR

吉井 恭平

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長

院長紹介・経歴を見る

監修医からのメッセージ

リットフーロは『円形脱毛症だから使う薬』ではなく、診断、脱毛範囲、直近の自然再生、既治療、安全性をそろえて初めて検討する薬です。本ページでは、患者さんが受診前に確認したい対象条件と検査を先に示し、処方医向けには用量、48週の再評価、感染症・血球系の管理まで一続きに監修しました。

このページで医学的に確認した3点
01導入条件

診断、重症度、既治療と開始前確認

02安全管理

感染症、検査、併用薬と有害事象

03継続判定

効果目標、中止・変更条件

最終医学レビュー:2026年8月13日確認資料:PMDA電子添文・日本皮膚科学会資料
ここで情報が切り替わります

ここからは医療従事者・処方医向けです

適応判断、承認用法、モニタリング、安全管理、エビデンスを専門用語で整理しています。

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医療従事者・処方医向けここからは処方・診療実務の専門情報です。患者さん・ご家族は、上の欄だけで治療の概要を確認できます。患者さん向け情報へ戻る ↑

処方・鑑別・安全管理を確認するための情報です。患者さんは上部の患者向け説明をご覧いただき、薬の開始・変更・中止は自己判断せず診察時にご相談ください。

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FOR PRESCRIBERS / MEDICAL PROFESSIONALS

処方医向け:リトレシチニブの適応判定・投与設計・安全管理

現行電子添文と円形脱毛症診療ガイドライン2024に基づき、重症度・既治療、12歳以上、50mg 1日1回、48週評価、感染症・血球系を中心とした安全管理を整理します。

円形脱毛症の診断、頭部脱毛範囲、直近約6か月の自然再生、既治療と施設要件を確認してから導入します。

最初の要点を開いています。必要な項目だけを順に確認できます。

適応判定1. 診断・重症度・既治療・施設要件

効能又は効果は円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)です。開始時は頭部全体のおおむね50%以上に脱毛が認められ、過去約6か月間に毛髪の自然再生が認められないことを確認します。

診断

AA以外の非瘢痕性・瘢痕性脱毛症を鑑別し、SALT、眉毛・睫毛、爪、活動性所見、写真を記録します。

既治療

外用・局所注射・局所免疫療法などの実施歴、反応、有害事象、治療負担を確認します。

共同意思決定

発毛まで時間を要し得ること、寛解維持薬ではなく中止後再燃があり得ること、費用と通院検査を説明します。

用法用量2. 12歳以上・50mg 1日1回・48週での反応確認

成人および12歳以上の小児にリトレシチニブとして50mgを1日1回経口投与します。食事条件による服用タイミングは電子添文を確認し、飲み忘れ時の対応を個別に指導します。

項目実務上の確認
年齢12歳以上。12歳未満の有効性・安全性は確立していません。
用量50mg 1日1回。自己判断の増減量は行いません。
評価通常48週までに反応を確認し、反応が得られない場合は中止を検討します。
開始前3. 感染症・血球・肝機能・ワクチンの確認

活動性感染症、結核、B型肝炎を含むウイルス再活性化リスク、重篤な肝障害、血球減少、妊娠を確認します。

  • 結核:問診、画像、IGRA等。活動性結核は禁忌です。
  • 感染症:HBs抗原・抗体/HBc抗体等を患者背景に応じて確認し、必要時は専門科と連携します。
  • 血球:好中球、リンパ球、ヘモグロビン、血小板を確認し、電子添文の開始不可基準を満たさないことを確認します。
  • その他:肝機能、脂質、妊娠可能性、悪性腫瘍・心血管・血栓塞栓症リスク、予防接種歴を確認します。
安全管理4. 治療中モニタリングと休薬・中止判断

血球、肝機能、脂質を定期的に評価し、感染症徴候、帯状疱疹、血栓塞栓症を疑う症状、神経学的症状、悪性腫瘍を含む有害事象を確認します。

感染症

重篤な感染症では投与を中断し、適切な治療と再開判断を行います。

血球

好中球・リンパ球・Hb・血小板の推移をみて、規定値を下回る場合は中断等を検討します。

ワクチン

投与直前・投与中の生ワクチンは避け、開始前に年齢相応の接種状況を確認します。

併用・妊娠5. 免疫調整薬との併用、相互作用、妊娠・授乳

生物学的製剤、他の経口JAK阻害薬、シクロスポリン等の強力な免疫抑制薬との併用は行いません。CYP3AまたはCYP1A2で代謝され治療域の狭い併用薬は相互作用に注意します。

妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与しません。妊娠可能な女性には投与中および最終投与後1か月間の適切な避妊を指導します。授乳は治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮して判断します。

一次資料6. 電子添文・適正使用資料・診療ガイドライン

本節は医療従事者の情報確認を目的とした一般的な整理です。実際の処方は診察時点の最新電子添文、適正使用資料、学会ガイドライン、患者背景および施設要件に基づいて判断してください。