ニキビ種類を医師が解説|症状と治療法
ニキビは、毛穴に皮脂が詰まることで発生する皮膚疾患であり、その見た目や進行度合いによって様々な種類に分類されます。適切な治療を行うためには、ご自身のニキビがどの種類に該当するのかを理解することが重要です。この記事では、ニキビの主な種類とその特徴、そしてそれぞれの治療法について詳しく解説します。
- 面皰(めんぽう)
- ニキビの初期段階で、毛穴に皮脂や角質が詰まった状態を指します。炎症を伴わないため、痛みやかゆみはほとんどありませんが、放置すると炎症性ニキビへと進行する可能性があります。黒ニキビと白ニキビがこれに分類されます。
黒ニキビ(開放面皰)の特徴と治療法

黒ニキビとは、毛穴の出口が開いた状態で皮脂や角質が詰まり、それが酸化して黒く見えるニキビの初期段階です。この状態は「開放面皰(かいほうめんぽう)」とも呼ばれます。
黒ニキビの発生メカニズムと特徴
黒ニキビは、毛穴の開口部が広がり、そこに詰まった皮脂や古い角質が空気に触れて酸化することで黒く変色して見えます。これはメラニン色素の沈着が原因であることもあります。炎症はまだ起きていないため、痛みや赤みはほとんどありませんが、放置するとアクネ菌が増殖し、炎症性のニキビへと進行するリスクがあります[1]。当院では、初診時に「鼻の頭や顎に黒い点々がたくさんあって気になる」と相談される患者さまも少なくありません。特にTゾーンに多く見られるのが特徴です。
黒ニキビの治療法
黒ニキビの治療は、毛穴の詰まりを取り除き、皮脂の排出を促すことが中心となります。
- 外用薬による治療: レチノイド(アダパレンなど)や過酸化ベンゾイルといった薬剤が用いられます。これらの薬剤は、毛穴の角化異常を改善し、皮脂の排出を促進する効果が期待できます[2]。特にアダパレンは、毛穴の詰まりを解消し、新たな面皰の形成を抑制する作用があります。
- ケミカルピーリング: サリチル酸やグリコール酸などの薬剤を皮膚に塗布し、古い角質を除去することで毛穴の詰まりを解消し、肌のターンオーバーを促進します。定期的に行うことで、黒ニキビの改善だけでなく、肌全体の調子を整える効果も期待できます。
- 面皰圧出(めんぽうあっしゅつ): 医療機関で専用の器具を用いて、毛穴に詰まった皮脂や角質を物理的に排出する処置です。炎症を起こす前の黒ニキビに特に有効で、即効性があります。
実際の診療では、患者さまの肌の状態やニキビの数、ライフスタイルなどを考慮し、最適な治療プランを提案しています。特に、外用薬は継続が重要であり、処方後のフォローアップでは、副作用の有無だけでなく、治療を継続できているか、効果の実感があるかを確認するようにしています。
白ニキビ(閉鎖面皰)の特徴と治療法

白ニキビとは、毛穴の出口が閉じた状態で皮脂や角質が詰まり、白っぽく盛り上がって見えるニキビの初期段階です。これは「閉鎖面皰(へいさめんぽう)」とも呼ばれます。
白ニキビの発生メカニズムと特徴
白ニキビは、毛穴の出口が角質で覆われて閉じているため、内部に皮脂や角質が溜まり、皮膚表面から白く盛り上がって見えます。空気に触れないため酸化せず、黒く変色することはありません。しかし、毛穴の内部はアクネ菌にとって増殖しやすい環境であり、放置すると炎症を起こし、赤ニキビや黄ニキビへと進行する可能性が高いです[3]。当院では「肌の表面がザラザラして、小さな白いブツブツがたくさんできる」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。特に頬や額に好発しやすい傾向があります。
白ニキビの治療法
白ニキビの治療も、毛穴の詰まりを解消し、炎症への進行を防ぐことが主な目的です。
- 外用薬による治療: 黒ニキビと同様に、アダパレンや過酸化ベンゾイルが第一選択薬となります。これらの薬剤は、毛穴の角化異常を正常化させ、皮脂の排出を促すことで、白ニキビの改善と予防に効果が期待できます[2]。また、抗菌作用を持つ外用薬が併用されることもあります。
- ケミカルピーリング: 古い角質を除去し、毛穴の詰まりを解消することで、白ニキビの改善を促します。肌のターンオーバーを正常化させる効果も期待できます。
- 面皰圧出: 医療機関で専用の器具を使用し、毛穴に詰まった皮脂や角質を排出します。特に炎症を起こす前の白ニキビに有効で、ニキビの悪化を防ぐ上で重要な処置です。
白ニキビは自分で潰すと、炎症を悪化させたり、ニキビ跡を残したりするリスクがあります。自己処理は避け、必ず専門医に相談してください。
当院のオンライン診療では、まず患者さまのニキビの状態を写真で確認し、問診で生活習慣やこれまでの治療歴を詳しく伺います。その上で、白ニキビの段階であれば、炎症への進行を抑えるための外用薬を中心に処方し、適切なスキンケア指導を行うようにしています。治療を始めて1〜2ヶ月ほどで「肌のザラつきが減って、新しいニキビができにくくなった」とおっしゃる方が多いです。
重症ニキビ(嚢胞性ニキビ)の治療法

重症ニキビとは、炎症が皮膚の深部にまで及び、しこりや膿を伴う「嚢胞(のうほう)」や「結節(けっせつ)」を形成するニキビの最も重い種類です。放置すると、深刻なニキビ跡を残す可能性があります。
重症ニキビの発生メカニズムと特徴
重症ニキビは、白ニキビや赤ニキビの炎症がさらに悪化し、毛包壁が破壊されて炎症が周囲の組織に広がることで発生します。これにより、皮膚の深部に膿が溜まった袋状の嚢胞や、硬いしこりである結節が形成されます[4]。これらのニキビは強い痛みや熱感を伴うことが多く、治癒後には陥没したクレーター状のニキビ跡や色素沈着、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)といった永続的な跡を残しやすいのが特徴です。実際の診療では「顔だけでなく、背中や胸にも大きくて痛いニキビができて、なかなか治らない」という切実な悩みを抱えて来院される患者さまをよく経験します。
重症ニキビの治療法
重症ニキビの治療は、炎症を強力に抑え、ニキビ跡の形成を最小限に抑えることを目的とします。多くの場合、複数の治療法を組み合わせた集学的なアプローチが必要となります。
- 内服薬による治療:
- 抗菌薬: アクネ菌の増殖を抑え、炎症を鎮めるためにテトラサイクリン系やマクロライド系の抗菌薬が処方されます[3]。効果を見ながら数ヶ月間継続することがあります。
- イソトレチノイン(保険適用外): 皮脂腺の働きを強力に抑制し、皮脂分泌量を大幅に減少させることで、重症ニキビに非常に高い効果が期待できる薬剤です。ただし、副作用のリスクも伴うため、専門医の厳重な管理下で処方されます。
- 外用薬による治療: 過酸化ベンゾイルやアダパレン、外用抗菌薬などが併用されます。これらは炎症を抑えたり、毛穴の詰まりを改善したりする効果が期待できます。
- ステロイド局所注射: 炎症が非常に強く、腫れ上がった結節や嚢胞に対して、直接ステロイドを注射することで、急速に炎症を鎮めることができます。
- レーザー治療・光治療: 炎症後の赤みや色素沈着、ニキビ跡の改善に用いられることがあります。
重症ニキビの治療は長期にわたることが多く、患者さまの精神的な負担も大きいと感じています。そのため、当院では治療効果だけでなく、患者さまのQOL(生活の質)向上にも配慮し、丁寧なカウンセリングと継続的なサポートを重視しています。特にイソトレチノインの治療では、定期的な血液検査を行いながら、副作用の管理を徹底しています。
まとめ
ニキビは、その種類によって症状や適切な治療法が異なります。初期の黒ニキビや白ニキビは、毛穴の詰まりを解消する外用薬やケミカルピーリングが有効です。一方、炎症が進行した赤ニキビや膿疱、さらに重症化した嚢胞性ニキビでは、内服薬や局所注射、場合によってはイソトレチノインなどのより強力な治療が必要となることがあります。どの種類のニキビであっても、自己判断で対処せず、皮膚科専門医による早期の診断と適切な治療を受けることが、ニキビの悪化を防ぎ、ニキビ跡を残さないために最も重要です。ご自身のニキビの種類を正しく理解し、専門医と相談しながら最適な治療プランを見つけることが、健やかな肌を取り戻す第一歩となります。
お近くのグループクリニック
当グループでは、患者様の通いやすさに合わせて渋谷・池袋の2院を展開しております。お近くのクリニックをお選びください。
💊 【通院が難しい方へ】オンラインでの継続処方も可能です
お仕事が忙しい方や、遠方にお引越しされた方は、グループ院の「東京オンラインクリニック」にてお薬の継続処方が可能です。スマホで診察を受け、お薬はご自宅のポストに届きます。
よくある質問(FAQ)
- Katarzyna Janda, Magdalena Chwilkowska. [ACNE VULGARIS–AETIOLOGY, CLASSIFICATION, TREATMENT].. Annales Academiae Medicae Stetinensis. 2016. PMID: 26591100
- Neirita Hazarika. Acne vulgaris: new evidence in pathogenesis and future modalities of treatment.. The Journal of dermatological treatment. 2021. PMID: 31393195. DOI: 10.1080/09546634.2019.1654075
- Siri Knutsen-Larson, Annelise L Dawson, Cory A Dunnick et al.. Acne vulgaris: pathogenesis, treatment, and needs assessment.. Dermatologic clinics. 2012. PMID: 22117871. DOI: 10.1016/j.det.2011.09.001
- Yuanyuan Deng, Feifei Wang, Li He. Skin Barrier Dysfunction in Acne Vulgaris: Pathogenesis and Therapeutic Approaches.. Medical science monitor : international medical journal of experimental and clinical research. 2024. PMID: 39668545. DOI: 10.12659/MSM.945336
- ディフェリン(アダパレン)添付文書(JAPIC)
- ベピオ(過酸化ベンゾイル)添付文書(JAPIC)