
アリッサ配合錠は月経困難症の治療薬です
『新しいピルだから安全』『避妊やニキビ治療にも使える』とは判断せず、国内の承認内容に沿って確認します。
月経困難症と診断され、適応と安全性を確認したうえで処方を検討します。希望する方全員に処方を約束するものではありません。
月経時の下腹部痛や腰痛などを改善する目的で使います。ニキビや避妊は国内で承認された効能ではありません。
ピンク色の実薬1錠にエステトロール水和物15 mg、ドロスピレノン3 mgを含みます。
ピンク色の実薬24錠と、有効成分を含まない白色〜微黄白色のプラセボ4錠です。
エステトロールは、妊娠中に胎児の肝臓でつくられるエストロゲンと同じ構造をもつ成分です。ヤーズなどに含まれるエチニルエストラジオール(EE)とは別の種類です。アリッサではE4をドロスピレノン(黄体ホルモンの働きをする成分)と組み合わせ、排卵と子宮内膜が厚くなるのを抑えることで、月経困難症の症状を和らげると考えられています。
「天然型」という呼び方は、体への負担がないという意味ではありません。血栓症などの注意点は、ほかのエストロゲンを含むLEPと同じように確認します。PMDA電子添文

- 月経痛がある日数、鎮痛薬の使用、学校・仕事への影響。
- 最後の月経、妊娠の可能性、以前使ったピルと副作用。
- 片頭痛の前兆、喫煙、血圧、血栓症の既往、手術予定、服用中の薬。
国内第III相試験では、4周期後の月経困難症スコアの改善がプラセボ群を上回りました。ただし、個人ごとの効果や副作用を保証するものではありません。試験論文(PubMed)
アリッサの飲み方|24錠+4錠を休まず飲みます
最初のピンク色の錠剤から順番に、毎日ほぼ同じ時刻に1錠ずつ服用します。
有効成分を含む錠剤を、シートの順番に沿って毎日1錠飲みます。
この4錠は有効成分を含みませんが、服薬習慣を続けるため毎日飲みます。4日間の「何も飲まない休薬」ではありません。
初めて服用するときは、電子添文では月経第1日目からの開始とされています。出血が終わっていても続いていても、29日目には次のシートのピンク色の錠剤から始めます。開始日がずれた場合や他剤から切り替える場合は、妊娠の可能性と服用方法を処方医に確認してください。
ピンク色の実薬か、後半4錠のプラセボか、何日分を忘れたかで確認点が変わります。自己判断でシートを飛ばしたり、休薬日を追加したりせず、処方医・薬剤師に早めに連絡してください。電子添文には前日分・2日以上の飲み忘れに関する指示があります。
ヤーズ・ヤーズフレックス・スリンダとの違い
名前やシートの形が似ていても、含まれるエストロゲン、承認された目的、飲み方は同じではありません。
エストロゲンはE4。黄体ホルモン側のドロスピレノンはヤーズと共通です。実薬24錠とプラセボ4錠を毎日服用します。
エストロゲンはEEで、ドロスピレノンはアリッサと共通です。ヤーズは実薬24錠+プラセボ4錠、ヤーズフレックスは服用と休薬の組み方が異なります。
ヤーズを見る →エストロゲンを含まない経口避妊薬で、アリッサの保険診療上の目的とは異なります。
スリンダを見る →日本人の子宮内膜症患者を対象にした12週間の比較研究では、E4+ドロスピレノンの群で、血液の固まりやすさに関する一部の検査値の変化がEE+ドロスピレノンの群より小さく報告されました。ただし、服用方法も異なる研究であり、血栓症そのものの発生率や長期的な安全性を比べた結果ではありません。「アリッサなら血栓症が少ない」とは断定できません。比較試験(PubMed)
エステトロールを使うことだけで「血栓症が起きない」「必ずヤーズより安全」とは言えません。治療歴とリスクを確認して選びます。
副作用・処方前に確認すること
不正出血、頭痛、吐き気などの変化に加え、まれでも見逃せない血栓症のサインを知っておきましょう。
飲み始めに不正出血などが起こることがあります。出血が長く続く、多い、つらい場合は診察で相談してください。
妊娠の可能性、血圧、喫煙、前兆を伴う片頭痛、血栓症の既往、手術予定、腎・肝疾患、併用薬を確認します。
効果が乏しいときは漫然と続けず、月経痛の原因となる病気や他の治療選択肢も見直します。
片脚の急な痛み・腫れ、突然の息切れや胸痛、激しい頭痛、手足の脱力・まひ、言葉が出にくい、急な視力異常などがあれば、服用を中止して救急医療機関を受診してください。受診時にはアリッサを服用中と伝えてください。
池袋の当院での取り扱い
アリッサ配合錠は、当院で月経困難症の保険診療として取り扱っています。
症状や病歴、禁忌を確認し、アリッサが適しているかを診察で判断します。患者さんの希望だけで必ず処方するものではありません。
自己負担割合、診察内容、処方・調剤に関わる費用などで総額が変わります。最新の薬価や調剤時の負担額は受診時・薬局でご確認ください。
診察で確認する視点
薬の名前から決めるのではなく、月経痛の状況と安全に使える条件を先に整理します。

月経痛の困りごとと、続けられるかを分けて考えます
月経困難症の相談では、痛みの強さだけでなく、鎮痛薬を使う日数、学校や仕事への影響、出血の状態、これまで使った治療を整理することが大切です。アリッサは成分に特徴がありますが、それだけで安全確認を省ける薬ではありません。開始前は禁忌や血栓症リスクを確認し、服用後は痛み・出血・体調の変化を見て治療を見直します。
監修:吉井 恭平(池袋サンシャイン通り皮膚科 院長)
よくある質問
アリッサは避妊目的で使えますか?
国内の承認された効能は月経困難症です。電子添文には避妊目的で使用しないよう記載されています。避妊を希望する場合は、目的に合う方法を別に相談してください。
アリッサは24錠を飲んだら4日休むのですか?
休薬ではなく、続く4錠の白色〜微黄白色のプラセボ錠も毎日服用します。28錠を飲み終えたら、出血の有無にかかわらず翌日から次のシートを始めます。
アリッサはニキビの治療薬ですか?
国内の承認された効能は月経困難症です。ニキビは原因や重症度に合わせ、皮膚科で別に治療を検討します。ニキビ改善を目的としてアリッサを選ぶとは説明しません。
新しいエストロゲンなら血栓症の心配はありませんか?
いいえ。成分の違いを理由に血栓症の注意を省くことはできません。片脚の急な痛み・腫れ、突然の息切れや胸痛、激しい頭痛、急な見え方の異常などがあれば、服用を中止して救急医療機関を受診してください。
アリッサのE4「15 mg」は、ヤーズのEE「0.02 mg」より強いのですか?
いいえ。E4とEEは異なる成分なので、錠剤に含まれる量の数字だけで作用や副作用の強さを比較することはできません。症状、これまでの治療、持病や血栓症のリスクを確認して薬を選びます。
池袋の当院でアリッサを処方していますか?
はい。当院では月経困難症の保険診療で取り扱っています。ただし、診断、妊娠の可能性、血栓症リスク、禁忌、併用薬などを確認したうえで処方可否を判断します。
医療従事者向け:添付文書で確認すること
患者さんは上の説明をご覧ください。専門情報は必要な方だけ開いて確認できます。
医療従事者向けの専門情報を開く
適応:国内効能・効果は月経困難症。避妊目的では使用しない。
用法:ピンク色の実薬から開始し、1日1錠、28日間連続。24実薬+4プラセボ。29日目から次周期を開始する。
処方前:妊娠、血栓既往・血栓性素因、前兆を伴う片頭痛、喫煙、血圧、肝・腎機能、手術予定、併用薬など、電子添文の禁忌・注意を確認する。
服用中:血栓症の症状を具体的に伝え、不正出血や症状改善を評価する。十分な改善がなければ原因疾患や別治療を再検討する。
治療判断には最新版のPMDA電子添文(2026年4月改訂)を優先してください。
監修医師
薬剤固有の説明と、当院の処方案内を医師が確認しました。

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長。アリッサ配合錠の薬剤固有の説明と当院での処方案内を確認しました。薬の適否は月経痛の状況、既往歴、服用中の薬などを診察で整理して判断します。
監修確認日:2026年9月18日。
参考資料
薬剤の効能・飲み方・安全性は、国内の電子添文と患者向けガイドを優先しました。
- PMDA:アリッサ配合錠 電子添文(2026年4月改訂)
- PMDA:アリッサ配合錠 患者向医薬品ガイド(2026年4月更新)
- 国内第III相試験:E4/DRSPの月経困難症への有効性・安全性(PubMed)
- PMDA:ヤーズ配合錠 電子添文(2026年8月改訂)
- 富士製薬工業:エステトロール(E4)とドロスピレノンの解説
- E4/DRSPとEE/DRSPの凝固・線溶検査値を比較した国内試験(PubMed)
- 富士製薬工業:アリッサ配合錠 製品情報・製剤画像
資料確認日:2026年9月18日。この記事は診断や処方の代わりにはなりません。