池袋サンシャイン通り皮膚科の診療スペース
Dermatology Antimicrobial Guide

抗菌薬・抗ウイルス薬一覧

皮膚科で使う外用・内服抗菌薬と、単純ヘルペス・帯状疱疹に使う抗ウイルス薬を目的別に整理しています。薬の名前より先に、細菌感染かウイルス感染か、処置が必要かを診察で確認します。

外用抗菌薬内服抗菌薬抗ヘルペス薬AMR対策池袋で相談
01

細菌・ウイルス・炎症を見分けます

赤みや水疱だけでは薬を決められません。病変の形、経過、痛み、膿、発熱、分布を確認します。

細菌感染

膿痂疹、毛包炎、蜂窩織炎、膿瘍など。抗菌薬の前に、排膿や培養が必要かを判断します。

ヘルペスウイルス感染

単純疱疹・帯状疱疹など。抗ウイルス薬は発症早期の開始が重要です。

感染ではない皮膚炎

湿疹、接触皮膚炎、自己免疫性水疱症など。抗菌薬・抗ウイルス薬では治療できません。

抗菌薬はウイルスには効きません。
風邪やヘルペスに抗菌薬を使っても、ウイルスの増殖は抑えられません。不必要な抗菌薬は副作用と薬剤耐性の原因になります。
眼・耳・意識症状は急いで相談します。
眼痛・視力低下、耳痛・顔面麻痺、意識変容、急速に広がる赤み、強い痛み、高熱は早急な評価が必要です。
02

目的別に薬を確認する

同じカテゴリでも、承認適応、原因菌・ウイルス、剤形、腎機能、相互作用が異なります。

外用抗菌薬
内服抗菌薬
細菌性皮膚感染セファクロル

赤み・熱感・痛み・膿の範囲、原因菌、重症度を確認して選びます。薬剤アレルギー歴と腎機能を確認し、治療期間を決めて使用します。

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細菌性皮膚感染アジスロマイシン(ジスロマック)

原因菌、重症度、βラクタム系アレルギー、過去のマクロライド使用、心疾患・肝疾患、併用薬を確認して選びます。

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細菌性皮膚感染ファロム(ファロペネム)

感染部位、原因菌、βラクタムアレルギー、腎機能、過去の抗菌薬を確認し、培養結果や反応に応じて狭域化・終了します。

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細菌性皮膚感染フロモックス(セフカペン)

βラクタムアレルギー、腎機能、下痢歴、年齢を確認し、必要な期間だけ使用します。特に小児や反復投与では低カルニチン血症・低血糖にも注意します。

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細菌性皮膚感染ケフレックス(セファレキシン)

比較的狭い標的を意識できる薬ですが、MRSAには通常期待できません。膿瘍の排膿、アレルギー歴、腎機能、服用回数を守れるかを確認します。

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ニキビ治療にも掲載ビブラマイシン(ドキシサイクリン)

炎症性ニキビで使う内服テトラサイクリン系抗菌薬

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ニキビ治療にも掲載ミノマイシン(ミノサイクリン)

炎症性ニキビで使う内服テトラサイクリン系抗菌薬

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ニキビ治療にも掲載ルリッド(ロキシスロマイシン)

炎症性ニキビなどで検討するマクロライド系抗菌薬

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抗ヘルペスウイルス薬

ニキビに使うアクアチム、ダラシンT、ビブラマイシン、ミノマイシン、ルリッドはニキビ治療薬一覧にも掲載しています。記事を重複させず、同じ薬剤ページへ案内しています。

03

13薬剤の位置づけを比較

用量・回数は病名、年齢、腎機能、製剤で変わります。表は選択の観点を整理するためのものです。

薬剤分類主な適応剤形用法を決めるポイント
ゼビアックス(オゼノキサシン)キノロン系外用抗菌薬表在性皮膚感染症、尋常性ざ瘡ローション2%・油性クリーム2%通常、1日1回。表在性皮膚感染症は1週間、ざ瘡は4週間で無効なら中止し、炎症性皮疹消失後は継続しない
セファクロル経口セフェム系抗菌薬表在性・深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症などカプセル・細粒(製品により規格が異なる)年齢、感染部位、重症度、腎機能に応じて処方。指示された間隔と日数で服用
アジスロマイシン(ジスロマック)アザライド系(マクロライド系)抗菌薬深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎など、感受性菌による感染症錠・細粒・カプセルなど(製品と適応で異なる)感染症・製剤で服用日数と用法が異なるため、処方内容を厳守
ゲンタシン軟膏(ゲンタマイシン)アミノグリコシド系外用抗菌薬表在性・深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、びらん・潰瘍の二次感染など軟膏0.1%・クリーム0.1%通常は患部へ1日1〜数回。範囲・期間は感染所見に応じて指示
フシジンレオ軟膏(フシジン酸)フシジン酸系外用抗菌薬表在性・深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷・手術創などの二次感染軟膏2%通常は患部へ1日数回。感染範囲と反応を見て必要な期間だけ使用
バルトレックス(バラシクロビル)抗ヘルペスウイルス薬(アシクロビルのプロドラッグ)単純疱疹、帯状疱疹、水痘、性器ヘルペスの再発抑制など錠500mg・顆粒疾患、年齢、腎機能で用量・回数・日数が大きく異なるため処方を厳守
ファムビル(ファムシクロビル)抗ヘルペスウイルス薬(ペンシクロビルのプロドラッグ)単純疱疹、帯状疱疹。条件を満たす再発性単純疱疹の患者主導治療を含む錠250mg病型、初回治療・再発時治療、腎機能で用法が異なるため処方を厳守
アメナリーフ(アメナメビル)ヘリカーゼ・プライマーゼ阻害型抗ヘルペスウイルス薬帯状疱疹、条件を満たす再発性単純疱疹(口唇・性器ヘルペス)錠200mg帯状疱疹は食後の連日投与、再発性単純疱疹は食後単回投与。処方を厳守
ファロム(ファロペネム)ペネム系経口抗菌薬表在性・深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症など錠150mg・200mg、ドライシロップ年齢、重症度、腎機能で用量・回数を調整。処方された期間を厳守
ゾビラックス(アシクロビル)核酸類似体型の抗ヘルペスウイルス薬剤形により単純疱疹、帯状疱疹、水痘、ヘルペス性角膜炎など錠・顆粒・注射・眼軟膏・軟膏5%など剤形・病型・年齢・腎機能で全く異なる。写真は軟膏5%の一例
アラセナ-A(ビダラビン)外用抗ウイルス薬帯状疱疹、単純疱疹軟膏3%・クリーム3%通常、患部へ1日1〜4回。原則として発症から5日以内に開始
フロモックス(セフカペン)経口セフェム系抗菌薬(ピボキシル基を有するプロドラッグ)表在性・深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症など錠75mg・100mg、細粒感染部位、年齢、腎機能に応じて処方。通常は食後服用の指示を確認
ケフレックス(セファレキシン)第1世代経口セフェム系抗菌薬表在性・深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症などカプセル250mg・複合顆粒など感染部位・重症度・腎機能に応じて、分割回数と期間を決定
04

安全に使うための5つの確認

薬剤名だけでなく、感染巣と患者背景を確認します。

1. 診断

細菌、ウイルス、真菌、湿疹を見分けます。

2. 処置

膿瘍は切開排膿、必要時は培養を行います。

3. 背景

アレルギー、腎肝機能、妊娠、併用薬を確認します。

4. 終了基準

再診時期と継続・変更・終了の条件を決めます。

残薬を使わないでください。
前回と似た発疹でも病気が違うことがあります。残った抗菌薬・抗ウイルス薬を自己判断で使うと、診断が遅れ、副作用や耐性の原因になります。
05

処方を考える医師向け

薬剤選択、source control、微生物学、PK、安全性を一つの処方設計として評価します。

感染巣とsource control膿性SSTIでは膿瘍・感染性粉瘤を同定し、切開排膿と培養を優先する。壊死性病変、疼痛不釣り合い、急速進行、SIRS、免疫抑制では高次医療への連携を遅らせない。
経験的治療から狭域化へ膿性/非膿性、MSSA・溶連菌・MRSAリスク、既治療、地域アンチバイオグラムを基に経験的治療を選び、培養と臨床反応でde-escalation・終了する。
ざ瘡の抗菌薬適正使用炎症性皮疹に限って外用・内服抗菌薬を位置づけ、BPO・アダパレン等を組み合わせる。炎症消失後は抗菌薬を終了し、非抗菌薬で維持する。
抗ヘルペス薬の早期投与HSV/VZV、初発/再発、PIT適格性、眼・耳・播種・免疫不全を評価する。核酸類似体は腎機能調整、アメナメビルはCYP相互作用と食後服用を確認する。
エビデンスの統合厚生労働省のAMR対策は「適切な薬剤」を「必要な場合に限り」「適切な量と期間」使用することを求めています。IDSA SSTIガイドラインは膿瘍の切開排膿と培養、全身徴候・宿主因子に応じた抗菌薬追加を整理しています。国内ざ瘡ガイドラインは外用抗菌薬の有効性と同時に長期連用回避を明記し、帯状疱疹ガイドラインは発症早期の抗ウイルス治療と合併症評価を重視しています。
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池袋で皮膚感染症・ヘルペスを相談したい方へ

池袋駅東口・サンシャイン通り周辺で、保険診療の皮膚感染症とヘルペスを相談できます。

皮疹を診断

膿、水疱、痛み、分布、発症時期、全身症状を確認します。

必要な検査・処置

培養、排膿、迅速検査、専門科連携の必要性を判断します。

薬と再診を設計

適切な薬剤・期間を決め、効果と副作用を再診で確認します。

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よくある質問

抗菌薬と抗ウイルス薬は同じ薬ですか?

異なります。抗菌薬は細菌、抗ウイルス薬は特定のウイルスの増殖を抑える薬です。帯状疱疹や単純ヘルペスに抗菌薬は効かず、細菌性膿痂疹に抗ヘルペス薬は効きません。

膿があれば抗菌薬を飲めば治りますか?

膿瘍や感染性粉瘤では、膿を出す処置が治療の中心になることがあります。発熱、強い痛み、急速に広がる赤みがある場合は、抗菌薬だけで様子を見ず受診してください。

抗菌薬は症状が治っても最後まで飲むべきですか?

自己判断で中止・延長はしません。感染症ごとに適切な期間が異なるため、処方時の指示と再診時の評価に従います。残薬を次回に使うことも避けてください。

ヘルペスの薬はいつ始めるとよいですか?

一般に発症早期ほど効果を期待しやすくなります。前駆痛、水疱、片側の発疹に気づいたら早めに相談し、眼・耳症状、顔面麻痺、広範な発疹があれば急いで受診してください。

池袋で薬の名前がわからなくても相談できますか?

相談できます。皮疹の写真、お薬手帳、薬袋、服用・外用した時期がわかるものを持参してください。診察で感染症の種類と薬の必要性を確認します。

抗菌薬・抗ウイルス薬は保険適用ですか?

承認された病気に対し、診察で必要と判断された処方は保険診療の対象になります。自己負担額は年齢・負担割合、検査や処置、薬剤・日数で異なります。

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監修医師

監修医師 吉井恭平
池袋サンシャイン通り皮膚科 院長
吉井 恭平

抗菌薬や抗ウイルス薬は、赤みや水疱があるという理由だけで選べる薬ではありません。診察では、細菌・ウイルス・真菌・炎症性疾患のどれを考えるか、膿瘍の切開排膿が必要か、培養検査が治療選択に役立つか、発症からどのくらい経過しているかを確認します。内服薬では薬剤アレルギー、腎機能・肝機能、妊娠・授乳、併用薬、過去の抗菌薬使用歴まで含めて処方を決めます。抗菌薬は長く続ければ安心という薬ではなく、必要な薬を必要な期間だけ使い、改善後は終了または維持治療へ切り替えることが薬剤耐性対策にもつながります。ヘルペスでは早期治療が重要ですが、眼・耳・広範囲の病変や強い全身症状は専門的な評価を急ぎます。本記事は最新の添付文書、国内ガイドライン、公的資料、査読論文を照合し、患者さんと処方を検討する医療者の双方が判断材料を確認できるよう整理しています。

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参考文献

  1. 厚生労働省 薬剤耐性(AMR)対策・抗微生物薬適正使用の手引き 第四版
  2. 日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023
  3. 日本皮膚科学会 帯状疱疹診療ガイドライン2025
  4. IDSA Practice Guidelines for Skin and Soft Tissue Infections
  5. PMDA 医療用医薬品情報検索

掲載内容は一般的な医療情報です。処方の適否、用量、使用期間は診察と最新の添付文書に基づいて判断します。自己判断で残薬を使用したり、他の方へ薬を渡したりしないでください。