
ベセルナクリームとは?30秒で分かる要点
検索してすぐ確認したい結論と、実際の製品を最初にまとめます。
- 日本の承認適応は、外性器・肛門周囲の尖圭コンジローマと、顔面・禿頭部の日光角化症です。
- 翌日に効く薬ではなく、尖圭コンジローマは原則16週間まで、日光角化症は4週間塗布後に4週間休薬して評価します。
- 強いただれ、びらん、潰瘍、皮むけが出たら洗い流し、直ちに処方医へ相談します。
- 市販されていない処方箋医薬品です。余った分包の再使用や他人への譲渡はできません。

画像はメーカー提供の包装例です。画像内の使用期限は撮影時のものです。実際に処方された分包と薬袋の使用期限を確認してください。
薬の基本情報
白色~微黄色のクリーム剤で、1包250mg中にイミキモド12.5mgを含みます。1包は使用直前に開封し、残薬は再使用せず廃棄します。
ベセルナは病名ごとの塗り方と皮膚反応を確認します
日々の診察で患者さんにお伝えしているポイントを、できるだけ分かりやすくまとめます。

- どんなときに考える?
- 尖圭コンジローマまたは日光角化症を適切に診断し、承認された部位・方法で自己外用を管理できる場合に検討します。
- 診察でお聞きすること
- 症状のある場所と広がり、妊娠・授乳、免疫状態、感染、皮膚がんの可能性、粘膜・尿道など薬を塗れない部位を確認します。
- 治療中に一緒に見ること
- 赤み、皮膚がむけた傷、疼痛、腫脹、発熱様症状と症状のある部分の縮小を確認し、洗い流す時間と塗布日を守れているか確認します。
- こんなときはご相談ください
- 強い塗った部分の強い赤みやただれ、排尿困難、潰瘍、感染、治療期間内に改善しない、皮膚がんなどが疑われる場合は休薬・皮膚の一部を採る検査・別治療を検討します。
公的資料や診療ガイドラインを踏まえた一般的な説明です。実際の処方や服用方法は、診察時の指示を優先してください。主な確認資料:PMDA ベセルナクリーム5% 電子添文、PMDA ベセルナクリーム5% 患者向医薬品ガイド、Self-administered interventions for anogenital warts: systematic review and meta-analysis(2017)。参考資料確認日:2026年9月10日
尖圭コンジローマと日光角化症で使い方が違います
同じベセルナクリームでも、塗る場所、洗い流す時間、治療期間を病名ごとに確認します。
| 確認項目 | 尖圭コンジローマ | 日光角化症 |
|---|---|---|
| 承認された部位 | 外性器または肛門周囲の疣贅のみ | 顔面または禿頭部のみ |
| 塗る頻度 | 1日1回、週3回、就寝前 | 1日1回、週3回、就寝前 |
| 洗い流す目安 | 塗布後6~10時間 | 塗布後約8時間 |
| 治療期間 | 原則16週間まで | 4週間塗布→4週間休薬。病変が残れば追加4週間塗布 |
| 特に大切な再評価 | 別部位のいぼ、残存・増大病変は診断と治療法を見直す | 有棘細胞癌との鑑別、治療後も再発・進展を診察で確認 |
HPV感染に伴う外性器・肛門周囲のいぼに用います。尿道、腟内、子宮頸部、直腸・肛門内には使用しません。
慢性的な紫外線曝露に関連する前がん病変です。見た目だけで有棘細胞癌との区別が難しい時は、組織検査を行います。
手足のいぼ、みずいぼ、脂漏性角化症などは治療が異なります。
薬を続ける前に、別の病変や悪性腫瘍を除外する必要があります。
ベセルナクリームの効果が出るまで
「何日で治るか」ではなく、疾患ごとの治療コースと再診時点で判断します。
局所の免疫反応を介して作用するため、塗ってすぐ病変が消える薬ではありません。塗布した曜日、洗い流した時刻、病変の数・範囲、局所反応を記録し、定められた治療期間内で評価します。
国内後期第II相試験の5%クリーム群で、疣贅の完全消失は35/55例。基剤群は18/53例でした。個人の治療結果を保証する数字ではありません。
国内後期第II相試験の週3回群で、規定の治療・観察後の完全消失は36/63例。基剤群は10/59例でした。
効果と同時に局所副作用も多くみられます。尖圭コンジローマの国内試験では副作用83.6%、日光角化症の週3回群では90.5%でした。赤みやびらんが起こり得る一方、強い反応を我慢して続けることが治療目標ではありません。
ベセルナクリームの効果的な塗り方・使い方
処方時の指示と薬袋を優先し、曜日と洗い流す時間を固定すると間違いを減らせます。
- 塗る曜日を決める
月・水・金、または火・木・土など、連日にならない週3回にします。
- 使用直前に1包を開ける
就寝前、清潔で乾いた患部に使います。残りは再使用しません。
- 指定部位だけに薄く塗る
クリームが見えなくなるまですり込み、正常皮膚や粘膜への付着を避けます。
- 手を石鹸で洗う
治療部位以外へ薬が付かないよう、塗布後に手指を洗います。
- 起床後に洗い流す
病名ごとの時間を守り、石鹸と水またはぬるま湯で洗います。
| よくある間違い | 正しい対応 |
|---|---|
| 毎日塗った方が早く効くと思う | 連日塗布は避けます。回数を増やすと皮膚障害が強くなるおそれがあります。 |
| 長く置くほど効果的だと思う | 尖圭コンジローマは6~10時間、日光角化症は約8時間を目安に必ず洗い流します。 |
| 赤い範囲全体へ厚く塗る | 処方された病変・治療範囲に適量を薄く塗ります。日光角化症は25cm²までを目安に最大1包です。 |
| 絆創膏やテープで密封する | 密封すると重い炎症反応につながるため避けます。 |
| 開封後の残りを次回使う | 1回で使い切り、残薬は廃棄します。 |
目、口唇、鼻孔、創傷面には使用しません。尿道、腟内、子宮頸部、直腸・肛門内も禁忌部位です。誤って付着した場合は石鹸と水またはぬるま湯で洗い流してください。
ただれ・かゆみ・赤みが強い時の対処と副作用
局所反応はよく起こりますが、続けてよい反応と相談すべき反応を自分だけで決めません。
軽い赤み、乾燥、かゆみ、刺激感でも、広がりと痛みを記録します。次の塗布前に迷う場合は処方医へ確認します。
赤み・腫れ・痛みが強い、日常生活や睡眠に支障がある、局所反応が広がる場合。
重度の紅斑、びらん、潰瘍、表皮剥離、強いただれが出た場合は、石鹸と水またはぬるま湯で薬を除去します。
悪寒、発熱、筋肉痛などのインフルエンザ様症状、尿が出にくい状態があれば使用を中止して相談します。
皮むけ、落屑、乾燥、小水疱、亀裂、出血、痂皮、腫れ、痛み、感染、色素沈着・色素脱失などが報告されています。色の変化が永続する場合もあります。
薬が付いた部位は光線への曝露を避けます。油脂性成分がコンドームなどのラテックス製品を劣化・破損させる可能性があるため、接触させません。
効果がない・効かない時に皮膚科で確認すること
漫然と期間を延ばす前に、診断・塗布手順・局所反応を分けて見直します。
- 診断:尖圭コンジローマや日光角化症で間違いないか。別のいぼ、良性腫瘍、感染、皮膚がんを除外できているか。
- 部位:承認された部位だけに使っているか。粘膜・創傷面・適応外部位へ塗っていないか。
- 手順:週3回、指定時間、洗浄、1回1包の扱いを再現できているか。
- 反応:効果不十分なのか、強い皮膚障害で治療継続が難しいのか。
- 次の選択肢:凍結療法、外科的治療、他の外用治療、組織検査などが必要か。
「薬が効かない」と相談される方の中には、塗る場所・曜日・洗い流す時間が処方意図とずれている例があります。一方で、赤みやびらんを「効いている証拠」と思い込み、強い痛みやただれが出ても続けてしまう例もあります。診察では、診断、塗布手順、局所反応の程度を分けて確認します。薬袋、残りの分包、使用した曜日のメモ、可能であれば経過写真を持参していただくと判断しやすくなります。

市販の有無・保険適用・受診時に持参するもの
市販薬ではなく、承認適応に対して医師の診断と処方のもとで使用します。
処方箋医薬品です。個人輸入や他人の残薬を使わないでください。
尖圭コンジローマ、顔面・禿頭部の日光角化症で、診断と適応を満たす場合に保険診療となります。
使用曜日、洗浄時刻、局所反応の写真があると、効かない原因を確認しやすくなります。
予約の際は「保険診療」を選択してください。診察料、処方箋料、薬剤費などは自己負担割合や処方内容で異なります。
FOR PRESCRIBERS / MEDICAL PROFESSIONALS
処方医向け:ベセルナクリームの医学情報
承認適応と部位、適応別の塗布手順、局所反応、治療終了・病理評価を電子添文に沿って確認します。
尖圭コンジローマと日光角化症では治療期間・塗布範囲が異なります。診察時点の最新電子添文・患者向医薬品ガイドを優先してください。
適応判定診断・部位・除外診断
尖圭コンジローマは外性器・肛門周囲、日光角化症は顔面・禿頭部に限ります。日光角化症は浸潤性有棘細胞癌を除外し、視触診で困難な場合は組織学的評価を行います。
処方設計疾患別の塗布・洗浄・期間
尖圭コンジローマは週3回、6~10時間、原則16週まで。日光角化症は週3回、約8時間、4週塗布・4週休薬、必要時に追加4週です。適応別の使用量と治療範囲を具体的に指示します。
安全管理局所反応・休薬・受診条件
重度の紅斑、びらん、潰瘍、表皮剥離時は洗浄・除去し直ちに相談するよう事前説明します。インフルエンザ様症状、排尿困難、色素変化、光線曝露、ラテックス製品との接触も確認します。
再評価効果不十分・残存病変
規定期間後も残存・増大する病変、出血・硬結・潰瘍を伴う病変では、アドヒアランスだけでなく診断、別治療、病理評価の必要性を再検討します。
SOURCES一次資料・系統的レビュー
- PMDA ベセルナクリーム5% 電子添文
- PMDA ベセルナクリーム5% 患者向医薬品ガイド
- 持田製薬 ベセルナクリーム5% 製品情報
- Self-administered interventions for anogenital warts: systematic review and meta-analysis(2017)
- Imiquimod for genital warts: quantitative systematic review(2001)
- HIPvac factorial randomized controlled trial(2020)
- Local management of anogenital warts: network meta-analysis(2020)
- AAD Guidelines of care for actinic keratosis: executive summary(2021)
- Randomized Trial of Four Treatment Approaches for Actinic Keratosis(2019)
- Interventions for actinic keratoses: Cochrane systematic review(2012)
- Three-year follow-up after field-directed treatment of actinic keratosis(2019)
- Rare Cutaneous Side Effects of Imiquimod: review(2023)
本節は医療従事者の情報確認を目的とした整理です。実際の処方は最新の電子添文、適正使用資料、患者背景に基づいて判断してください。監修:池袋サンシャイン通り皮膚科 院長 吉井恭平/最終医学レビュー:2026年8月28日
ベセルナクリームのよくある質問
検索されることが多い疑問に、患者さん向けの結論から答えます。
ベセルナクリームは効果が出るまでどのくらいかかりますか?
翌日に効く薬ではありません。尖圭コンジローマでは週3回の塗布を続け、原則16週間までの範囲で病変を評価します。日光角化症では4週間塗布後に4週間休薬して判定し、不十分な場合にさらに4週間塗布します。病名、病変の数・範囲、塗り方で経過が異なるため、自己判断で期間を延ばさず再診時に確認してください。
ベセルナクリームの効果がない・効かない時はどうしますか?
まず診断、塗る場所、曜日、塗布時間、洗い流し方を確認します。尖圭コンジローマで16週間を超えて漫然と続けたり、日光角化症で規定の2コース後も効果がないのに追加したりはしません。残る、増える、出血・潰瘍がある場合は、別治療や組織検査を含めて再評価します。
ベセルナクリームでただれた時の対処は?
強い赤み、びらん、潰瘍、皮むけなどが出た場合は、石鹸と水またはぬるま湯で薬を洗い流し、直ちに処方医へ相談してください。赤みや痛みを『効いている証拠』と考えて無理に続けないことが大切です。発熱、悪寒、筋肉痛、排尿しにくさを伴う場合も使用を中止して相談します。
ベセルナクリームの効果的な塗り方・使い方は?
処方された病変だけに薄く塗り、クリームが見えなくなるまですり込みます。連日ではなく週3回、就寝前に塗り、尖圭コンジローマは6~10時間、日光角化症は約8時間後を目安に石鹸と水またはぬるま湯で洗い流します。疾患ごとの指示と薬袋を優先してください。
ベセルナクリームは市販されていますか?
市販薬ではありません。ベセルナクリーム5%は処方箋医薬品で、診察と処方箋が必要です。個人輸入品や余った分包を自己判断で使うと、適応外の部位への使用や重い皮膚障害につながるおそれがあります。
ベセルナクリームは日光角化症にも使えますか?
日本では顔面または禿頭部の日光角化症に承認されています。手や腕など他の部位の有効性・安全性は確立していません。また、有棘細胞癌との鑑別が必要なため、見た目だけで自己診断せず皮膚科で評価します。
ベセルナクリームの使用中に性行為はできますか?
薬を塗った状態での性行為は避けてください。パートナーへ薬が付着して皮膚障害を起こす可能性があります。また、基剤の油脂性成分がコンドームなどのラテックス製品を劣化・破損させる可能性があるため、接触を避ける必要があります。
ベセルナクリームは16週以上使えますか?
尖圭コンジローマの使用期間は原則16週間までです。病変が残る場合でも自己判断で延長せず、診断、塗り方、別治療の必要性を再評価します。日光角化症は別の治療スケジュールで、4週間塗布、4週間休薬、必要時に追加4週間です。
ベセルナクリームはどう保管しますか?
凍結を避け、25℃以下で保存します。使用直前に開封し、1回で使い切って残りは再使用せず廃棄します。小児の手が届かない場所に保管し、手元の分包と薬袋に記載された使用期限を確認してください。
PATIENT GUIDE
本文に出てくる医療用語
診察時の説明を理解しやすいよう、重要な3語を短く言い換えます。
- 尖圭コンジローマ
- 主にHPV感染で外性器や肛門周囲に生じるいぼです。
- 日光角化症
- 長年の紫外線曝露により生じる前がん病変で、皮膚がんとの鑑別と経過観察が必要です。
- びらん
- 皮膚の表面が浅くむけ、赤く湿った状態です。強い場合は薬を洗い流して相談します。
監修医師
電子添文、患者向医薬品ガイド、診療ガイドライン、PubMed掲載論文と日々の診療経験をもとに確認しました。
監修医からのメッセージ
適応、部位、塗布時間、期間、保管
局所反応、洗浄、休薬・受診条件
臨床試験と無反応・再発時の再評価
参考文献
日本での適応・用法・安全性はPMDA電子添文を最優先し、治療の位置づけを系統的レビュー、診療ガイドライン、ランダム化比較試験で補足しています。
- PMDA ベセルナクリーム5% 電子添文
- PMDA ベセルナクリーム5% 患者向医薬品ガイド
- 持田製薬 ベセルナクリーム5% 製品情報
- Self-administered interventions for anogenital warts: systematic review and meta-analysis(2017)
- Imiquimod for genital warts: quantitative systematic review(2001)
- HIPvac factorial randomized controlled trial(2020)
- Local management of anogenital warts: network meta-analysis(2020)
- AAD Guidelines of care for actinic keratosis: executive summary(2021)
- Randomized Trial of Four Treatment Approaches for Actinic Keratosis(2019)
- Interventions for actinic keratoses: Cochrane systematic review(2012)
- Three-year follow-up after field-directed treatment of actinic keratosis(2019)
- Rare Cutaneous Side Effects of Imiquimod: review(2023)
海外論文には日本と異なる濃度、塗布方法、承認適応が含まれます。個々の治療は日本の最新電子添文と診察時の状態に基づいて判断します。
掲載内容は一般的な医療情報です。処方の適否、使用部位、使用期間は診察で判断します。電子添文の改訂により説明が変わる場合があります。