ケミカルピーリングの種類と肌タイプ別選び方
最終更新日: 2026-05-02
📋 この記事のポイント
- ✓ ケミカルピーリングは肌のターンオーバーを促進し、様々な肌悩みに対応します。
- ✓ グリコール酸、サリチル酸、乳酸など、酸の種類によって作用深度や適応が異なります。
- ✓ 自身の肌タイプや悩みに合わせて、適切なピーリング剤と濃度を選ぶことが重要です。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。
📑 目次
ケミカルピーリングとは?そのメカニズムと効果

- ターンオーバー
- 皮膚の細胞が一定の周期で生まれ変わり、新しい細胞が表面に押し上げられる生理現象です。通常、約28日周期で行われますが、加齢や肌トラブルによって周期が乱れることがあります。
ケミカルピーリングの作用深度
ケミカルピーリングは、使用する薬剤の種類、濃度、塗布時間によって作用する深さが異なります。大きく分けて以下の3つの深度に分類されます。- 表層ピーリング(Superficial peel):角質層から表皮上層に作用します。ダウンタイムが少なく、比較的軽度な肌悩みに適しています。代表的な薬剤はグリコール酸、乳酸、サリチル酸などです。
- 中層ピーリング(Medium peel):表皮全体から真皮乳頭層に作用します。シミ、深いニキビ跡、中程度のしわなどに効果が期待できます。トリクロロ酢酸(TCA)などが用いられます。
- 深層ピーリング(Deep peel):真皮網状層まで深く作用します。重度の光老化や深いしわ、瘢痕などに用いられますが、専門的な知識と技術が必要です。フェノールなどが用いられます。
ケミカルピーリングの種類と特徴
ケミカルピーリングには様々な種類の薬剤が使用され、それぞれ異なる特徴と適応を持ちます。ここでは、代表的な薬剤について解説します。グリコール酸(Glycolic Acid: GA)
グリコール酸は、アルファヒドロキシ酸(AHA)の一種で、サトウキビから抽出される天然由来の酸です。分子量が小さいため皮膚への浸透性が高く、表層ピーリングによく用いられます[4]。ニキビ、ニキビ跡、毛穴の詰まり、くすみ、小じわの改善に効果が期待されます。- 作用:角質層の結合を緩め、古い角質を剥離しやすくします。これにより、ターンオーバーを促進し、新しい皮膚の生成を促します。
- 適応:ニキビ、ニキビ跡、毛穴の開き、くすみ、ごわつき、小じわ。
- 特徴:水溶性で、比較的マイルドな作用から高濃度まで調整が可能です。一般的に使用される濃度は20〜70%程度です。
サリチル酸マクロゴール(Salicylic Acid Macrogol)
サリチル酸はベータヒドロキシ酸(BHA)の一種で、脂溶性という特徴を持ちます。通常のサリチル酸は皮膚への刺激が強いため、医療機関ではマクロゴールと組み合わせた「サリチル酸マクロゴール」が広く用いられます。マクロゴールが酸の浸透をコントロールし、角質層にのみ作用させることで、刺激を抑えつつ高いピーリング効果を発揮します。- 作用:毛穴の皮脂詰まりを解消し、角栓を除去する作用に優れています。抗菌作用も期待できます。
- 適応:ニキビ、毛穴の詰まり、オイリー肌、黒ずみ毛穴。
- 特徴:脂溶性のため、皮脂腺の多いTゾーンやニキビ肌に特に有効です。マクロゴール基剤により刺激が少なく、赤みや炎症が起こりにくいとされています。
乳酸(Lactic Acid)
乳酸もAHAの一種で、グリコール酸よりも分子量が大きく、比較的マイルドな作用が特徴です。保湿効果も期待できるため、乾燥肌や敏感肌の方にも適している場合があります。- 作用:角質を穏やかに剥離し、同時に肌の保湿因子(NMF)の生成を促進するとも言われています。
- 適応:乾燥肌、敏感肌、くすみ、軽度の色素沈着。
- 特徴:刺激が少なく、保湿効果も期待できるため、乾燥が気になる方やピーリング初心者の方にも選択肢となります。
その他のピーリング剤
上記以外にも、以下のようなピーリング剤があります。- マンデル酸:アーモンドから抽出されるAHAの一種で、分子量が大きく、緩やかに浸透します。色素沈着やニキビに効果が期待され、敏感肌にも比較的使いやすいとされています。
- トリクロロ酢酸(TCA):中層から深層ピーリングに用いられる強力な薬剤です。シミ、深いしわ、ニキビ跡の凹凸などに効果が期待されますが、ダウンタイムが長く、専門的な管理が必要です。
- レチノールピーリング:ビタミンA誘導体であるレチノールを主成分としたピーリングです。ターンオーバー促進、コラーゲン生成促進、皮脂抑制などの効果が期待され、アンチエイジングやニキビ治療に用いられます。
| 薬剤の種類 | 主な特徴 | 主な適応 | 肌タイプ |
|---|---|---|---|
| グリコール酸 | 分子量小さく浸透性高い、水溶性 | ニキビ、くすみ、小じわ、毛穴 | 普通肌、脂性肌 |
| サリチル酸マクロゴール | 脂溶性、毛穴の皮脂詰まりに効果的、刺激少ない | ニキビ、毛穴の詰まり、オイリー肌 | 脂性肌、ニキビ肌 |
| 乳酸 | 分子量大きくマイルド、保湿効果 | 乾燥肌、敏感肌、くすみ | 乾燥肌、敏感肌 |
| マンデル酸 | 分子量大きく緩やか、色素沈着に有効 | 色素沈着、ニキビ、敏感肌 | 敏感肌、色素沈着しやすい肌 |
肌タイプ別ケミカルピーリングの選び方とは?

乾燥肌・敏感肌の方
乾燥肌や敏感肌の方は、刺激に弱く、バリア機能が低下していることが多いです。そのため、刺激の少ないマイルドなピーリング剤を選ぶことが重要です。- 推奨薬剤:乳酸、低濃度のグリコール酸、マンデル酸。
- ポイント:保湿効果が期待できる乳酸や、分子量が大きく穏やかに作用するマンデル酸が適しています。グリコール酸を使用する場合は、低濃度から開始し、肌の反応を見ながら慎重に進める必要があります。施術後の保湿ケアも徹底することが不可欠です。
脂性肌・ニキビ肌の方
脂性肌やニキビ肌の方は、皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まりが主な原因となっていることが多いです。皮脂腺に作用し、角栓を除去する効果の高い薬剤が適しています。- 推奨薬剤:サリチル酸マクロゴール、グリコール酸。
- ポイント:脂溶性で毛穴の奥まで浸透しやすいサリチル酸マクロゴールは、皮脂詰まりやニキビの改善に非常に有効です。グリコール酸も、角質剥離作用により毛穴の詰まりを解消し、ターンオーバーを正常化させる効果が期待できます。当院では、ニキビ治療で定期的にサリチル酸マクロゴールピーリングを受けられている患者さまから、「肌のべたつきが減った」「ニキビができにくくなった」という声をよく聞きます。
混合肌・普通肌の方
混合肌や普通肌の方は、比較的多くの種類のピーリング剤が選択肢となります。肌悩みや目指す効果に応じて、最適な薬剤を選びましょう。- 推奨薬剤:グリコール酸、乳酸、マンデル酸など。
- ポイント:くすみやごわつきが気になる場合はグリコール酸、乾燥が気になる場合は乳酸、色素沈着が気になる場合はマンデル酸など、具体的な悩みに合わせて選択します。複数の薬剤を組み合わせて使用する「コンビネーションピーリング」も有効な場合があります。
色素沈着・シミが気になる方
色素沈着やシミは、古い角質が蓄積し、メラニンが排出されにくくなることで悪化することがあります。ターンオーバーを促進し、メラニンの排出を促すピーリング剤が適しています。- 推奨薬剤:グリコール酸、マンデル酸、レチノールピーリング。
- ポイント:グリコール酸は表皮のターンオーバーを促進し、メラニンを含む角質の排出を助けます。マンデル酸も色素沈着に効果が期待されます。レチノールピーリングは、メラニン生成を抑制し、肌の再生を促す作用も期待できるため、シミ治療に有効な選択肢となります。ただし、肝斑などの特殊な色素沈着に対しては、ピーリングの種類や濃度を慎重に選ぶ必要があります。
⚠️ 注意点
ケミカルピーリングは、肌の色調が濃い方(Fitzpatrick skin type IV-VI)の場合、炎症後色素沈着のリスクが高まることが報告されています[3]。特に高濃度のピーリング剤を使用する際には、医師による慎重な判断と適切なアフターケアが不可欠です。ご自身の肌の色やタイプに合わせた治療計画を立てることが重要です。
ケミカルピーリングの施術の流れと注意点
ケミカルピーリングは医療行為であり、必ず専門の医療機関で受ける必要があります。ここでは、一般的な施術の流れと、施術前後の注意点について解説します。施術の流れ
- 診察・カウンセリング:医師が肌の状態を詳しく診察し、肌悩みや既往歴、アレルギーなどを確認します。ピーリングの種類、濃度、期待できる効果、リスク、費用などについて説明し、患者さまの同意を得ます。当院では、この段階で患者さまのライフスタイルやダウンタイムへの許容度も詳しく伺い、最適な治療計画を一緒に立てるようにしています。
- 洗顔:メイクや皮脂を丁寧に落とし、肌を清潔な状態にします。
- 薬剤塗布:医師または看護師が、選択されたピーリング剤を肌に均一に塗布します。塗布中はピリピリとした刺激感や熱感を感じることがあります。
- 中和・拭き取り:規定の時間が経過した後、中和剤で薬剤の作用を止め、丁寧に拭き取ります。
- 冷却・保湿:施術後の肌を冷却し、炎症を抑えます。その後、保湿剤や鎮静剤を塗布して肌を保護します。
- アフターケアの説明:施術後のホームケア(保湿、紫外線対策など)について詳しく説明します。
施術前の注意点
- 日焼けを避ける:施術前は日焼けを避け、肌への刺激を最小限に抑えるようにしてください。
- 顔剃り・スクラブを控える:施術の1週間前からは、顔剃りやスクラブ洗顔、ピーリング効果のある化粧品の使用を控えてください。
- 持病や内服薬の申告:持病や現在服用している薬がある場合は、必ず事前に医師に申告してください。
施術後の注意点
- 保湿を徹底する:施術後の肌は非常に乾燥しやすくなっています。普段よりも入念な保湿ケアを心がけてください。
- 紫外線対策を徹底する:施術後の肌は紫外線の影響を受けやすくなっています。日焼け止めを塗る、帽子や日傘を使用するなど、徹底した紫外線対策を行ってください。
- 刺激を避ける:施術後数日間は、顔剃り、スクラブ洗顔、ピーリング効果のある化粧品、アルコール成分の強い化粧品の使用を避けてください。
- かさぶた・皮むけを無理に剥がさない:施術後に肌が乾燥してかさぶたになったり、薄く皮がむけたりすることがありますが、無理に剥がすと色素沈着の原因となることがあります。自然に剥がれるのを待ちましょう。
ケミカルピーリングの副作用とリスクは?

一般的な副作用
- 赤み・ヒリつき:施術直後から数日間、肌に赤みが出たり、ピリピリとした刺激感や熱感を感じたりすることがあります。これは薬剤の作用によるもので、通常は一時的なものです。
- 乾燥・皮むけ:肌のターンオーバーが促進されることで、施術後数日〜1週間程度、肌の乾燥や薄い皮むけが生じることがあります。
- ニキビの一時的な悪化:ピーリングによって毛穴の奥に詰まっていた皮脂や角栓が排出される過程で、一時的にニキビが増えたり、悪化したりすることがあります。
稀な副作用・リスク
- 炎症後色素沈着:特に肌の色が濃い方や、施術後の紫外線対策が不十分だった場合、炎症後にシミのような色素沈着が生じることがあります[3]。これは通常、時間とともに薄れていきますが、治療が必要になる場合もあります。
- 瘢痕(はんこん):非常に稀ですが、薬剤の濃度が高すぎたり、塗布時間が長すぎたりした場合、深い傷跡(瘢痕)が残る可能性があります。
- アレルギー反応:薬剤に対するアレルギー反応として、強いかゆみや腫れ、じんましんなどが出ることがあります。
- ヘルペスの再活性化:過去に口唇ヘルペスなどの既往がある場合、ピーリングの刺激によって再発することがあります。
まとめ
ケミカルピーリングは、肌のターンオーバーを正常化し、ニキビ、毛穴、くすみ、小じわなど様々な肌悩みの改善が期待できる医療行為です。グリコール酸、サリチル酸マクロゴール、乳酸など、多様な種類の薬剤があり、それぞれ作用深度や適応が異なります。ご自身の肌タイプや具体的な肌悩みに合わせて、最適なピーリング剤を選択することが重要です。特に、乾燥肌や敏感肌の方にはマイルドな薬剤を、脂性肌やニキビ肌の方には皮脂に作用しやすい薬剤が適しています。施術は必ず専門の医療機関で受け、医師による適切な診断と施術後の丁寧なアフターケアが不可欠です。副作用のリスクを理解し、正しい知識を持って治療に臨むことで、より安全で効果的な肌改善を目指すことができます。お近くのグループクリニック
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よくある質問(FAQ)
📖 参考文献
- Adrianna Jackson. Chemical peels.. Facial plastic surgery : FPS. 2015. PMID: 24488634. DOI: 10.1055/s-0033-1364220
- N Zakopoulou, G Kontochristopoulos. Superficial chemical peels.. Journal of cosmetic dermatology. 2008. PMID: 17177748. DOI: 10.1111/j.1473-2165.2006.00254.x
- Mark J Been, Devinder S Mangat. Laser and face peel procedures in non-Caucasians.. Facial plastic surgery clinics of North America. 2015. PMID: 25049128. DOI: 10.1016/j.fsc.2014.04.012
- Jaishree Sharad. Glycolic acid peel therapy – a current review.. Clinical, cosmetic and investigational dermatology. 2014. PMID: 24399880. DOI: 10.2147/CCID.S34029
- チョコラ(レチノールピーリン)添付文書(JAPIC)
この記事の監修医
👨⚕️
吉井恭平