医療脱毛の仕組みと回数の目安|医師が解説

最終更新日: 2026-05-02
📋 この記事のポイント
  • ✓ 医療脱毛は、毛のメラニン色素に反応するレーザーや光エネルギーを利用し、毛根の組織を破壊することで脱毛効果をもたらします。
  • ✓ 脱毛効果には毛周期が大きく関与しており、成長期の毛にのみ効果が高いため、複数回の施術が必要です。
  • ✓ 一般的な医療脱毛の回数目安は5〜8回程度ですが、毛質や部位、使用する機器によって個人差があります。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

医療脱毛とは?その基本的な仕組み

医療脱毛のレーザーが毛根に作用し、毛の成長を抑制するメカニズムを解説
医療脱毛の基本的な作用原理
医療脱毛とは、医療機関でのみ提供される、レーザーや光エネルギーを用いた脱毛治療のことです。この治療は、毛根にある毛乳頭や毛母細胞といった発毛組織を破壊することで、長期的な脱毛効果を目指します。エステサロンなどで提供される光脱毛とは異なり、医療脱毛はより強力なエネルギーを使用するため、永続的な脱毛効果が期待できるとされています。

医療脱毛のメカニズム:毛周期とレーザーの作用

医療脱毛の仕組みは、毛の成長サイクルである「毛周期」と、レーザーの「選択的光熱融解」という原理に基づいています。
毛周期(ヘアサイクル)
毛が成長し、抜け落ち、再び生え変わるまでの周期を指します。大きく分けて「成長期」「退行期」「休止期」の3つの段階があります。成長期の毛は毛根が深く、毛母細胞が活発に分裂している状態です。
選択的光熱融解
レーザー光が特定の物質(この場合は毛のメラニン色素)にのみ吸収され、熱エネルギーに変換されることで、周囲の組織に損傷を与えずにターゲットのみを破壊する原理です。
医療脱毛で使用されるレーザーや光は、毛に含まれる黒い色素「メラニン」に選択的に吸収されます。吸収された光エネルギーは熱に変換され、毛根にある毛乳頭や毛母細胞といった発毛組織にダメージを与え、破壊します[1]。この原理により、毛の再生能力を失わせることで、脱毛効果が得られるのです。 しかし、このメカニズムが効果的に働くのは、メラニン色素を豊富に含み、毛乳頭としっかりと結合している「成長期」の毛に限られます。退行期や休止期の毛は、毛乳頭から離れていたり、メラニン色素が少なかったりするため、レーザーの熱エネルギーが十分に伝わらず、効果が得られにくいとされています。このため、一度の施術では全体の毛の約10〜20%にしか効果が期待できず、複数回の施術が必要となるのです。 当院では、初診時に患者さまの毛質や肌質、脱毛経験などを詳しく伺い、毛周期に合わせた最適な施術プランをご提案しています。特に、初めて医療脱毛を受ける患者さまからは「一度で全部の毛がなくなるわけではないのですね」といった質問をよく受けますが、毛周期の仕組みを丁寧に説明することで、複数回施術の必要性にご納得いただいています。

医療脱毛の種類と特徴:どのレーザーを選ぶべき?

アレキサンドライト、ダイオード、ヤグの各レーザーの特徴と適用部位を比較
医療脱毛レーザーの種類と特性
医療脱毛には、主に3種類のレーザーが使用されており、それぞれ異なる波長と特徴を持っています。患者さまの肌質、毛質、脱毛部位、痛みの感じ方などに応じて、最適なレーザーを選択することが重要です。

主要な医療脱毛レーザーの種類

  • アレキサンドライトレーザー: 波長755nm。日本人の肌質や毛質に最も適しているとされ、多くのクリニックで採用されています。メラニンへの吸収率が高く、太くて濃い毛に高い効果を発揮します。しかし、日焼けした肌や色黒肌には火傷のリスクがあるため、注意が必要です[2]
  • ダイオードレーザー: 波長800〜810nm。アレキサンドライトレーザーとYAGレーザーの中間の特性を持ち、幅広い肌質や毛質に対応可能です。深達度(皮膚の深部への到達度)も中程度で、痛みが比較的少ない傾向があります。蓄熱式脱毛器に多く採用されており、じわじわと熱を加えて毛包全体にダメージを与えます。
  • YAGレーザー: 波長1064nm。メラニンへの吸収率が低く、皮膚の深部まで到達するため、根深い毛や男性のヒゲ、VIOなどの太い毛に特に効果的です。また、日焼けした肌や色黒肌にも比較的安全に施術できますが、痛みが強い傾向があります。
レーザーの種類波長特徴適した毛質・肌質
アレキサンドライト755nmメラニン吸収率が高い、太い毛に効果的色白肌、太く濃い毛
ダイオード800〜810nm幅広い肌質・毛質に対応、痛みが比較的少ない幅広い肌質・毛質、産毛にも対応
YAG1064nm深部に到達、日焼け肌にも対応、痛みが強い色黒肌、日焼け肌、根深い毛、男性のヒゲ
当院では、患者さまの毛質や肌質に合わせて、複数のレーザー機器を使い分けることで、より効果的で安全な脱毛を目指しています。特に「他のクリニックで効果が実感できなかった」とおっしゃる患者さまの場合、毛質や肌質に合わないレーザーが使用されていたケースをよく経験します。診察の中で、患者さまの具体的な悩みを詳しく伺い、最適なレーザーの種類や照射設定を決定することが、満足度の高い脱毛結果につながると実感しています。

医療脱毛の回数の目安は?効果を実感するまでの期間

医療脱毛の効果を実感し、満足のいく状態になるまでには、一般的に複数回の施術が必要です。これは、前述した毛周期の仕組みが大きく関係しています。

部位別・毛質別の回数目安

医療脱毛の回数は、脱毛したい部位、毛の濃さや太さ、肌質、使用するレーザー機器の種類によって大きく異なります。一般的には、5回から8回程度の施術で自己処理が不要になるレベルの脱毛効果が期待できるとされています[3]
  • 全身脱毛: 5〜8回程度。部位によって毛の濃さが異なるため、回数には幅があります。
  • ワキ・VIO: 比較的毛が太く濃いため、効果を実感しやすい部位ですが、完全にツルツルにするには8回以上かかることもあります。
  • 顔・産毛: 産毛はメラニン色素が薄いため、レーザーが反応しにくく、回数が多くなる傾向があります。8回以上の施術が必要になることも珍しくありません。
  • 男性のヒゲ: 非常に毛が太く密集しているため、10回以上の施術が必要となるケースが多いです。
施術間隔は、毛周期に合わせて1〜3ヶ月に一度が推奨されます。これは、全ての毛が成長期に揃うわけではないため、期間を空けて次の成長期の毛にアプローチするためです。例えば、全身脱毛の場合、5回コースであれば約1年〜1年半、8回コースであれば約1年半〜2年程度の期間を要することが一般的です。 当院では、患者さまが治療を始めて3ヶ月ほどで「毛が細くなってきた」「自己処理の頻度が減った」とおっしゃる方が多いです。特にVIO脱毛では、デリケートな部位であるため、施術後の肌の状態や痛みの有無を丁寧に確認し、次回の施術計画に反映させるようにしています。患者さま一人ひとりの経過を細かく観察し、必要に応じて照射設定を調整することも、より良い結果に繋がると考えています。
⚠️ 注意点

医療脱毛の効果には個人差があり、必ずしも上記の回数で完了するとは限りません。特に、ホルモンバランスの変化や体質によっては、追加の施術が必要になることもあります。事前のカウンセリングで、医師と十分に相談し、現実的な目標設定を行うことが重要です。

医療脱毛の施術の流れと注意点

カウンセリングから施術、アフターケアまでの医療脱毛のプロセス
医療脱毛の施術ステップと注意
医療脱毛を安全かつ効果的に受けるためには、施術の流れを理解し、いくつかの注意点を守ることが大切です。

一般的な施術の流れ

  1. カウンセリング・診察: 医師が肌質、毛質、健康状態、既往歴などを確認し、脱毛の適応を判断します。施術のリスクや副作用、料金体系についても説明が行われます。患者さまの疑問や不安を解消する重要なステップです。
  2. 事前準備(自己処理): 施術前日までに、脱毛部位の毛を自己処理(シェービング)しておく必要があります。毛抜きやワックスは毛根を抜いてしまうため、レーザーが反応しなくなり、避けるべきです。
  3. 施術: 施術部位にジェルを塗布し、レーザーを照射します。痛みを軽減するために冷却装置が併用されることが多く、必要に応じて麻酔クリームを使用することもあります。照射後は肌を冷却し、炎症を抑えるクリームを塗布します。
  4. アフターケア・経過観察: 施術後は、肌が敏感になっているため、保湿をしっかり行い、日焼け対策を徹底することが重要です。次回の施術まで、肌トラブルがないか確認し、異常があれば速やかにクリニックに相談します。

施術前後の注意点

  • 日焼け: 日焼けした肌はメラニン色素が増加しているため、レーザーが過剰に反応し、火傷や色素沈着のリスクが高まります。施術期間中は、徹底した日焼け対策が必要です。
  • 肌トラブル: 施術部位に炎症や湿疹、アトピーなどの肌トラブルがある場合は、施術を延期することがあります。事前に医師に相談し、肌の状態を良好に保つことが重要です。
  • 薬の服用: 光感受性を高める薬(一部の抗生物質や精神安定剤など)を服用している場合、施術を受けられないことがあります。問診の際に、現在服用している全ての薬を医師に伝えるようにしてください。
  • 妊娠・授乳中: 妊娠中や授乳中は、ホルモンバランスが不安定なため、肌が敏感になったり、脱毛効果が低下したりする可能性があります。安全を考慮し、施術は推奨されません。
当院では、初診時に「医療脱毛の痛み」について不安を訴える患者さまも少なくありません。そのため、施術前には痛みの程度や麻酔の選択肢について詳しく説明し、患者さまが安心して治療を受けられるよう努めています。また、処方後のフォローアップでは、副作用の有無だけでなく、治療を継続できているか、効果の実感があるかを確認するようにしています。特に、肌が乾燥しやすい方には保湿剤の選び方や正しいケア方法をアドバイスし、肌トラブルの予防にも力を入れています。

まとめ

医療脱毛は、毛のメラニン色素に反応するレーザーや光エネルギーを用いて、毛根の発毛組織を破壊することで長期的な脱毛効果を目指す医療行為です。毛周期に合わせて複数回の施術が必要であり、一般的には5〜8回程度の施術で自己処理が不要になるレベルの効果が期待できます。使用されるレーザーにはアレキサンドライト、ダイオード、YAGの3種類があり、それぞれの特徴を理解し、肌質や毛質に合った選択が重要です。施術前後の日焼け対策や肌ケア、薬の服用状況の申告など、いくつかの注意点を守ることで、安全かつ効果的な脱毛が期待できます。

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よくある質問(FAQ)

医療脱毛はなぜ複数回必要なのでしょうか?
医療脱毛のレーザーは、毛の成長サイクルである「成長期」にある毛に最も効果を発揮します。一度の施術で成長期の毛は全体の約10〜20%程度しかないため、全ての毛にアプローチするためには、毛周期に合わせて複数回施術を繰り返す必要があります。
医療脱毛は痛いですか?
医療脱毛の痛みは、輪ゴムで弾かれるような感覚と表現されることが多く、毛が濃い部位ほど強く感じやすい傾向があります。しかし、多くの医療脱毛機器には冷却装置が搭載されており、痛みを軽減する工夫がされています。また、必要に応じて麻酔クリームを使用することも可能ですので、痛みに不安がある場合は医師にご相談ください。
日焼けしていても医療脱毛はできますか?
日焼けした肌はメラニン色素が多いため、レーザーが過剰に反応し、火傷や色素沈着のリスクが高まります。そのため、基本的に日焼けしている期間は施術を避けるか、日焼けの程度によってはYAGレーザーなど特定の波長のレーザーを使用する場合があります。施術期間中は、徹底した日焼け対策が非常に重要です。
この記事の監修医
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