
プロスタンディン軟膏の基本情報
薬の役割、対象、剤形を先に確認します。
末梢循環を改善し、肉芽形成や上皮化を促す方向に働きます。
除圧、洗浄、栄養、感染・血流評価を同時に行います。
創面の水分量や皮膚浸軟を見て基剤・被覆材を調整します。

血流・肉芽形成・上皮化を考慮して選ぶ外用治療の一つです。薬名だけで決めず、症状、部位、治療歴、持病、妊娠・授乳、併用薬を確認して選択します。
一般名:アルプロスタジル アルファデクス
| 一般名 | アルプロスタジル アルファデクス |
|---|---|
| 濃度 | 0.003% |
| 主な対象 | 褥瘡および各種皮膚潰瘍 |
| 使い方の基本 | 通常は患部を清潔にした後に塗布します。量・回数・被覆方法は創面に合わせて指示されます。 |
プロスタンディン軟膏を処方するときに考えていること
日々の診療で、処方・治療選択の際に実際に確認していることをお伝えします。

私は、褥瘡や皮膚潰瘍の色、深さ、滲出液を見て、感染や壊死への対応を行ったうえで、肉芽形成や上皮化を後押ししたい段階にプロスタンディン軟膏を検討します。この薬に抗菌作用や壊死組織を除く作用はないため、外用薬の選択だけでなく、除圧、血流、栄養、血糖管理まで一緒に見ることを大切にしています。
- 処方を考える場面
- 褥瘡、熱傷後の潰瘍、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍、術後潰瘍で、保存的治療として肉芽形成や上皮化を促したい場面です。
- 処方前に確認すること
- 感染、壊死、虚血、出血、心不全、妊娠の可能性を確認します。抗血小板薬・抗凝固薬、緑内障や眼圧亢進の有無も確認します。
- 処方後に確認すること
- 創面積、深さ、肉芽、上皮化、滲出液と周囲皮膚を同じ条件で比較し、出血、疼痛、刺激感が増えていないかを確認します。
- 別の治療を選ぶ場面
- 新鮮熱傷、感染や壊死への処置が優先される創、強い虚血では別の治療を先行します。約8週間で改善が乏しければ外科的治療なども再検討します。
この診療メモは当院での一般的な判断の考え方です。個別の処方は診察所見と患者背景によって異なります。主な確認資料:PMDA プロスタンディン軟膏0.003%電子添文
プロスタンディン軟膏の使い方
処方時の指示を優先し、自己判断で量・回数・期間を変えないでください。
黒色壊死、黄色壊死、肉芽、上皮化、滲出液、におい、周囲皮膚を確認します。
処方時の指示に沿って、残った軟膏や汚れをやさしく落とします。
指示された量を塗り、ガーゼや被覆材で保護します。自己判断で密閉しません。
長径・短径・深さや写真で経過を比較し、改善しなければ治療を見直します。
他の治療との使い分け
同じ症状でも、治療目的・剤形・安全性で選択が変わります。
| 治療 | 役割 | 使い分けの要点 |
|---|---|---|
| プロスタンディン | 血流・肉芽形成・上皮化を考慮 | 創面の状態と滲出液量に合わせる |
| ゲーベン | 重症熱傷・潰瘍で抗菌作用を期待 | 軽い熱傷へ一律に使う薬ではない |
| 被覆材 | 湿潤環境と保護を担う | 薬剤と同じく滲出液・感染・深さで選ぶ |
副作用・使用前の注意
早めに相談したい変化も含めて確認します。
刺激感、疼痛、出血、接触皮膚炎などが起こることがあります。塗布後に痛みや赤みが増す場合は相談してください。
感染が疑われる場合、外用薬だけで対応せず、培養・抗菌薬・デブリードマンの必要性を評価します。
足の潰瘍では動脈血流低下や糖尿病性神経障害が隠れることがあり、自己処置を続けないでください。
処方を考える医師向け情報
添付文書とエビデンスを前提に、導入・再評価・中止条件を整理します。
医療従事者向けの専門情報を開く
褥瘡ではDESIGN-R、糖尿病性足潰瘍では虚血・感染・神経障害を含めて評価し、原因別に治療目標を設定する。
壊死組織、感染、滲出液、ポケット、血流、圧迫・摩擦、栄養、血糖、浮腫を確認する。
創面の乾湿バランスと周囲皮膚の浸軟をみて、軟膏基剤・被覆材・交換頻度を調整する。
創面積、深さ、肉芽、上皮化、滲出液、疼痛を定量的に追い、改善速度が乏しければ再評価する。
除圧、血行再建、デブリードマン、感染制御、栄養介入が優先される病態を見逃さない。
外用薬単独の効果に帰属せず、標準的な創傷管理全体の中で位置づける。
本セクションは医療従事者向けです。適応・用法・禁忌は診察時点の最新電子添文、適正使用情報、施設基準を優先してください。
よくある質問
床ずれなら誰でも使えますか?
褥瘡の深さ、壊死、感染、滲出液、血流で適する治療が異なります。診察で創面を評価して選びます。
毎日同じガーゼでよいですか?
交換頻度や被覆材は滲出液量と創面で変わります。処方時の指示に従ってください。
治らない時はどうしますか?
圧迫、血流、感染、栄養、糖尿病、悪性腫瘍など治癒を妨げる要因を再評価します。
監修医師

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長。薬剤名から調べる患者さんが、効能だけでなく、自分の症状に適する条件、使い方、受診すべき変化まで確認できるよう監修しています。診療では皮疹・創面・鼻眼症状の所見、治療歴、持病、妊娠・授乳、併用薬を確認し、薬剤の利益がリスクを上回るかを判断します。
医療従事者向け情報はPMDA電子添文、国内外の診療ガイドライン、主要な比較試験・系統的レビューを照合し、適応、導入前評価、モニタリング、中止・変更条件を分けて記載しています。記事は診療そのものを代替せず、実際の処方は診察時点の最新情報と患者背景に基づきます。
院長紹介を見る最終医学確認日:2026年9月5日
参考文献
最終医学確認日:2026年9月5日。掲載内容は一般的な医療情報で、個別の診断・処方を代替しません。