
01
創面の状態から治療目的を決める
薬剤名より先に、感染、壊死、滲出液、血流、圧・摩擦を評価します。
感染を見分ける
膿、悪臭、発赤拡大、疼痛、発熱を確認し、必要時は培養・全身抗菌薬を検討します。
創面環境を整える
洗浄、壊死組織、乾燥・過剰な滲出液、周囲皮膚の浸軟を整えます。
治癒阻害因子を除く
圧迫、摩擦、虚血、浮腫、糖尿病、栄養状態を同時に評価します。
受診を急ぐ目安
深い傷、止まらない出血、顔・手・関節・陰部のやけど、広範囲の水疱、白色・黒色の創、赤みの急速な拡大、発熱、糖尿病や血流障害がある足の傷は早めに医療機関へ相談してください。
深い傷、止まらない出血、顔・手・関節・陰部のやけど、広範囲の水疱、白色・黒色の創、赤みの急速な拡大、発熱、糖尿病や血流障害がある足の傷は早めに医療機関へ相談してください。
02
目的別の薬一覧
外用抗菌薬、肉芽・上皮化を考える薬、銀含有外用薬を分けて確認できます。
03
薬を選ぶ時の比較軸
薬の作用だけでなく、創面の水分量と治癒段階を合わせます。
| 評価項目 | 診療での要点 |
|---|---|
| 感染 | 局所感染か深部感染か、培養や全身抗菌薬が必要かを確認 |
| 壊死 | 黒色・黄色壊死の除去方法と外科的処置の要否を判断 |
| 滲出液 | 少ない・適量・多いを見て、基剤と被覆材を調整 |
| 血流 | 足潰瘍ではABI等を含む虚血評価と血行再建の要否を確認 |
| 圧・摩擦 | 除圧、体位変換、靴、固定、生活環境を修正 |
04
処方を考える医師向け情報
創傷薬の選択を、診断・局所環境・全身因子・再評価で組み立てます。
構造化評価
TIME(Tissue, Infection/Inflammation, Moisture, Edge)を軸に、深さ、面積、ポケット、疼痛、周囲皮膚を記録する。褥瘡ではDESIGN-R等を用いて経時変化を可視化する。
TIME(Tissue, Infection/Inflammation, Moisture, Edge)を軸に、深さ、面積、ポケット、疼痛、周囲皮膚を記録する。褥瘡ではDESIGN-R等を用いて経時変化を可視化する。
感染制御
単なるcolonizationと局所・深部感染を区別する。膿瘍、蜂窩織炎、骨髄炎、全身症では局所薬に依存せず、培養、ドレナージ、全身抗菌薬、専門連携を行う。
単なるcolonizationと局所・深部感染を区別する。膿瘍、蜂窩織炎、骨髄炎、全身症では局所薬に依存せず、培養、ドレナージ、全身抗菌薬、専門連携を行う。
基剤・被覆材
乾燥創には水分保持、過剰な滲出液には吸収・浸軟防止が必要。外用薬の主薬だけでなく基剤と交換頻度が創面に与える影響を評価する。
乾燥創には水分保持、過剰な滲出液には吸収・浸軟防止が必要。外用薬の主薬だけでなく基剤と交換頻度が創面に与える影響を評価する。
血流と圧
下肢潰瘍では動脈性、静脈性、神経障害性を鑑別する。虚血が強い創への安易なデブリードマンや圧迫を避け、血管評価・除圧を優先する。
下肢潰瘍では動脈性、静脈性、神経障害性を鑑別する。虚血が強い創への安易なデブリードマンや圧迫を避け、血管評価・除圧を優先する。
治療目標
創面積縮小、肉芽形成、上皮化、感染・疼痛・滲出液の改善を期限付きで設定する。2〜4週で期待した改善が乏しければ診断と治癒阻害因子を再評価する。
創面積縮小、肉芽形成、上皮化、感染・疼痛・滲出液の改善を期限付きで設定する。2〜4週で期待した改善が乏しければ診断と治癒阻害因子を再評価する。
悪性・炎症性潰瘍
治療抵抗性、穿掘性、易出血性、紫紅色辺縁などでは皮膚癌、血管炎、壊疽性膿皮症等を考え、生検・専門治療前に刺激的処置を見直す。
治療抵抗性、穿掘性、易出血性、紫紅色辺縁などでは皮膚癌、血管炎、壊疽性膿皮症等を考え、生検・専門治療前に刺激的処置を見直す。
薬剤の効能・用法だけでなく、創傷管理全体の中で利益と不利益を評価してください。
06
よくある質問
傷には抗菌薬を塗った方が早く治りますか?
感染のない小さな傷では洗浄と保護が基本です。抗菌薬は感染徴候と原因菌を考えて必要な時に使います。
やけどの水ぶくれは破ってよいですか?
自己判断で破らず、部位・大きさ・汚染・深さを診察で確認してください。
足の傷が治らないのはなぜですか?
糖尿病、神経障害、血流低下、圧迫、感染などが隠れることがあります。外用薬だけで様子を見ず評価を受けてください。
07
監修医師

Medical Supervisor
吉井 恭平
池袋サンシャイン通り皮膚科 院長。薬剤名から調べる患者さんが、効能だけでなく、自分の症状に適する条件、使い方、受診すべき変化まで確認できるよう監修しています。診療では皮疹・創面・鼻眼症状の所見、治療歴、持病、妊娠・授乳、併用薬を確認し、薬剤の利益がリスクを上回るかを判断します。
医療従事者向け情報はPMDA電子添文、国内外の診療ガイドライン、主要な比較試験・系統的レビューを照合し、適応、導入前評価、モニタリング、中止・変更条件を分けて記載しています。記事は診療そのものを代替せず、実際の処方は診察時点の最新情報と患者背景に基づきます。
院長紹介を見る最終医学確認日:2026年9月5日