
ゲーベンクリームの基本情報
薬の役割、対象、剤形を先に確認します。
重症熱傷や皮膚潰瘍など、創面評価が必要な病変で検討します。
浅い小範囲熱傷では冷却・保護・他の外用や被覆材が中心になることがあります。
広範囲使用や長期使用では血球、腎・肝機能なども考慮します。

軽いやけどへ一律に使うのではなく、深さ・感染・壊死を評価して選ぶ外用薬です。薬名だけで決めず、症状、部位、治療歴、持病、妊娠・授乳、併用薬を確認して選択します。
一般名:スルファジアジン銀
| 一般名 | スルファジアジン銀 |
|---|---|
| 濃度 | 1% |
| 主な対象 | 重症熱傷、皮膚潰瘍 |
| 使い方の基本 | 前回の薬を除き、創面を清潔にして塗布します。厚さ・回数・被覆は処方指示を優先します。 |
ゲーベンクリームを処方するときに考えていること
日々の診療で、処方・治療選択の際に実際に確認していることをお伝えします。

私は、ゲーベンクリームを家庭でできた軽いやけどへ一律に処方することはありません。熱傷の深さと範囲、創面の汚染や二次感染、壊死組織を診察し、抗菌作用を治療目標に含める必要がある創で検討します。塗り薬だけに注目せず、洗浄、壊死組織の除去、被覆材、必要な全身管理を組み合わせます。
- 処方を考える場面
- 中等度・重症熱傷や、外傷・手術創・びらん・潰瘍の二次感染など、適応菌種を想定して創面の感染制御が必要な場面です。
- 処方前に確認すること
- 軽症熱傷ではないこと、サルファ剤への過敏症、新生児・低出生体重児、G6PD欠損、腎肝機能、光線過敏症、全身性エリテマトーデスを確認します。
- 処方後に確認すること
- 疼痛、発赤、かゆみ、小水疱、皮膚壊死や感染の変化を診ます。広範囲・長期使用では血算、腎肝機能、血清浸透圧も検討します。
- 別の治療を選ぶ場面
- 浅い軽症熱傷や上皮化が進んだ創では、保護剤や被覆材などを選びます。壊死、深部感染、植皮適応があれば処置・外科治療を優先します。
この診療メモは当院での一般的な判断の考え方です。個別の処方は診察所見と患者背景によって異なります。主な確認資料:PMDA ゲーベンクリーム1%電子添文
ゲーベンクリームの使い方
処方時の指示を優先し、自己判断で量・回数・期間を変えないでください。
受傷直後は流水で冷却し、顔・手・関節・陰部、広範囲、水疱、白色・黒色の創は早めに受診します。
交換時は処方時の指示に沿って前回の薬や滲出液をやさしく除きます。
創面に指示された厚さで塗り、適切なガーゼ・被覆材で保護します。
におい、膿、発熱、痛みの増加、創の拡大があれば早めに再診します。
他の治療との使い分け
同じ症状でも、治療目的・剤形・安全性で選択が変わります。
| 治療 | 役割 | 使い分けの要点 |
|---|---|---|
| ゲーベン | 銀含有の外用抗菌薬 | 重症度と感染リスクを選んで使用 |
| 白色ワセリン | 保護・保湿 | 浅い創や上皮化期などで検討 |
| 創傷被覆材 | 湿潤環境・滲出液管理 | 深さ、滲出液、感染で種類を選択 |
副作用・使用前の注意
早めに相談したい変化も含めて確認します。
発疹、接触皮膚炎、疼痛、皮膚壊死などが報告されています。創面の悪化を薬の刺激だけと決めつけず再診してください。
スルホンアミド系薬剤で重いアレルギー歴がある方、妊娠中、乳幼児などでは使用できない・慎重な判断が必要な場合があります。
広範囲・長期使用では血球減少、腎障害、間質性腎炎など全身性副作用にも注意します。
処方を考える医師向け情報
添付文書とエビデンスを前提に、導入・再評価・中止条件を整理します。
医療従事者向けの専門情報を開く
浅達性・深達性II度、III度を鑑別し、範囲・部位・受傷機転と吸入損傷の可能性を評価する。
軽症熱傷への一律な使用は避け、感染制御が治療目標となる重症熱傷・潰瘍で承認効能を確認する。
スルホンアミド過敏症、妊娠、新生児・低出生体重児、腎肝機能、G6PD欠損の可能性などを確認する。
創面、発熱、局所感染に加え、広範囲・長期では血算、腎機能、肝機能を考慮する。
上皮化期、感染所見の変化、壊死組織、植皮適応に応じて外用薬・被覆材・外科的治療を見直す。
熱傷治療は深度と創傷環境に依存する。薬剤単独の抗菌性より治癒遅延を含む利益・不利益を個別に評価する。
本セクションは医療従事者向けです。適応・用法・禁忌は診察時点の最新電子添文、適正使用情報、施設基準を優先してください。
よくある質問
家庭の軽いやけどにも使えますか?
軽いやけどへ一律に使う薬ではありません。まず流水で冷却し、深さ・範囲・部位を診察で確認します。
白く厚く残っていても大丈夫ですか?
交換方法と塗布量は創面で変わります。前回分の除去を含め、処方時の指示に従ってください。
水ぶくれは破った方がよいですか?
自己判断で破らず、部位・大きさ・汚染を診察で確認してください。
監修医師

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長。薬剤名から調べる患者さんが、効能だけでなく、自分の症状に適する条件、使い方、受診すべき変化まで確認できるよう監修しています。診療では皮疹・創面・鼻眼症状の所見、治療歴、持病、妊娠・授乳、併用薬を確認し、薬剤の利益がリスクを上回るかを判断します。
医療従事者向け情報はPMDA電子添文、国内外の診療ガイドライン、主要な比較試験・系統的レビューを照合し、適応、導入前評価、モニタリング、中止・変更条件を分けて記載しています。記事は診療そのものを代替せず、実際の処方は診察時点の最新情報と患者背景に基づきます。
院長紹介を見る最終医学確認日:2026年9月5日
参考文献
最終医学確認日:2026年9月5日。掲載内容は一般的な医療情報で、個別の診断・処方を代替しません。