桂枝茯苓丸の位置づけ
月経周期に伴う肌荒れ、冷え、のぼせ、肩こりなどを含めて相談されることがあります。
漢方製剤
成分を確認皮膚症状だけでなく、月経、冷え、血行、体質の情報を合わせて検討します。
役割を確認急性の感染、膿を伴う皮疹、強い炎症の主治療薬ではありません。
注意点を確認
診察・相談時に確認しやすい製品例
診察では症状や部位に加えて、剤形、規格、飲みやすさ、続けやすさも確認します。同じ成分や同じ処方名でも剤形や製品で使い方が変わるため、以前の薬がある場合は薬袋やお薬手帳も参考になります。
桂枝茯苓丸の処方を検討するときに確認すること
薬を選ぶ前の確認点と、治療を見直す目安をお伝えします。

FROM THE CLINIC
FORMULA & CRUDE DRUGS
桂枝茯苓丸に含まれる生薬をどう見るか
桂枝茯苓丸は、桂皮・茯苓・牡丹皮・桃仁・芍薬の5種類を組み合わせた処方です。月経に伴う肌荒れでも、皮疹の状態、月経周期、出血量、妊娠の可能性を一緒に確認します。
- 桂皮ケイヒ
- 茯苓ブクリョウ
- 牡丹皮ボタンピ
- 桃仁トウニン
- 芍薬シャクヤク
代表的な生薬
桂皮 (ケイヒ)
クラシエの生薬資料では、寒気や熱感などをみるほか、痛みやこわばりをみる処方で用いられる生薬として紹介されています。
桂皮の公式生薬資料を見る桃仁 (トウニン)
クラシエの生薬資料では、漢方でいう「血」の巡りをみるほか、赤みや腫れなどをみる処方で用いられる生薬として紹介されています。
桃仁の公式生薬資料を見る牡丹皮 (ボタンピ)
クラシエの生薬資料では、漢方でいう「血」の巡りをみる処方で用いられる生薬として紹介されています。
牡丹皮の公式生薬資料を見る桂枝茯苓丸を、生薬単体の働きの「足し算」として選ぶわけではありません。公式表示にある症状、発症からの経過、体の状態、持病、併用薬を照らし合わせ、処方全体として合うかを確認します。この製品の成分・分量を、ほかの漢方薬や市販薬と照合します。
※ 生薬単体の一般的な説明は、桂枝茯苓丸という処方全体の効能・効果と同じではありません。「気・血・水」などは漢方の伝統的な見方で、現代医学の診断名や検査値と同じ意味ではありません。成分は対象製品の公式情報、生薬の基原と一般的な説明はクラシエ生薬ファイルで確認しました(2026年9月15日)。
- 処方を考える場面
- 製剤の適応と体質に合う月経関連症状、のぼせ・冷えなどがあり、皮膚症状とは別に治療する必要がある場面です。
- 処方前に確認すること
- 月経周期、出血量、下腹部痛、妊娠の可能性、肝疾患、併用する漢方薬を確認します。
- 処方後に確認すること
- 月経や冷えなどの変化と皮疹を分けて評価し、胃腸症状、発疹、強いだるさ、黄疸にも注意します。
- 治療を見直す目安
- 改善がないまま継続せず、強い腹痛や不正出血は婦人科的な評価を検討します。妊娠が判明した場合も速やかに相談します。
公的資料や文献を踏まえた一般的な確認事項です。個別の処方は診察所見と患者さんの背景に応じて判断します。主な確認資料:PMDA:クラシエ桂枝茯苓丸料エキス錠 電子添文、日本皮膚科学会:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 CQ12。参考資料確認日:2026年9月8日
診察で確認する使い方
薬の種類、部位、期間、併用薬によって使い方が変わります。
表は左右に動かして確認できます
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 使われる場面 | 月経周期に伴う肌荒れ、冷え、のぼせ、肩こりなどを含めて相談されることがあります。 |
| 薬の役割 | 皮膚症状だけでなく、月経、冷え、血行、体質の情報を合わせて検討します。 |
| 向かない場面 | 急性の感染、膿を伴う皮疹、強い炎症の主治療薬ではありません。 |
| 診察で確認すること | 妊娠の可能性、月経状況、腹痛、出血傾向、他の漢方薬を確認します。 |
| 副作用・注意点 | 胃部不快感、発疹、下痢、肝機能障害などに注意します。 |
よくある質問
桂枝茯苓丸は自分で使い始めてもよいですか?
自己判断ではなく、症状の種類、部位、持病、併用薬を確認してから使うことをおすすめします。
効果が弱い場合は塗る量や飲む量を増やしてよいですか?
自己判断で増やさず、診察で確認してください。薬の変更だけでなく、診断や併用治療の見直しが必要なことがあります。
処方・鑑別・安全管理を確認するための情報です。患者さんは上部の患者向け説明をご覧いただき、薬の開始・変更・中止は自己判断せず診察時にご相談ください。
患者さん向け情報へ戻る ↑FOR PRESCRIBERS / MEDICAL PROFESSIONALS
処方医向け:桂枝茯苓丸の医学情報
適応と標準治療との関係、生薬の重複、安全管理、治療効果の評価を確認します。
標準治療との役割を分け、体質・随伴症状・併用漢方・妊娠授乳・生薬由来副作用を確認します。 正確な効能・用法・禁忌は最新の電子添文・適正使用資料を優先してください。
最初の要点を開いています。見出しから「適応」「処方設計」「安全性」「再評価」「一次資料」を必要な順に確認できます。
処方設計処方設計
患者さん向けの記事ですが、処方設計の背景を確認しやすいよう専門的な要点も整理します。
漢方薬は標準外用療法や処置を置き換えるのではなく、体質、月経周期、胃腸症状、冷え、かゆみ、慢性化の背景を見て補助的に位置づけます。ニキビ、湿疹、いぼでは主治療の目標と漢方の役割を初回から分けて説明します。
安全管理安全性・モニタリング
桂枝茯苓丸自体は甘草を含みません。製品の電子添文に沿って肝機能障害・黄疸、発疹、消化器症状を確認します。トウニン・ボタンピを含むため妊娠の可能性を重視し、併用漢方の生薬重複も確認します。
EVIDENCEエビデンスの位置づけ
皮膚科領域の漢方は疾患ごとに推奨度が異なります。ざ瘡ガイドラインや疣贅ガイドラインでは、標準治療が優先される場面と補助的に検討される場面が整理されており、患者さんの期待値調整が重要です。
処方設計実務ポイント
臨床判断月経関連症状と痤瘡の治療目標・推奨度を分ける
痤瘡ガイドライン2023のCQ12では桂枝茯苓丸はC2であり、荊芥連翹湯・清上防風湯・十味敗毒湯のC1と同列には扱われていません。月経周期との関連がある症例でも、痤瘡への有効性が確立した標準薬として説明しないことが重要です。月経症状などへの処方目的と、面皰・炎症性皮疹への治療目標を分け、漢方追加を理由に適切な外用療法の開始・調整を遅らせません。 日本皮膚科学会:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 CQ12
医療用のクラシエ桂枝茯苓丸料エキス錠には、体質・随伴症状を条件とした月経関連症状、しもやけ、しみなどの適応があります。これは、あらゆる色素斑やニキビに同じ効果があることを示すものではありません。桂枝茯苓丸加薏苡仁は別処方であり、処方名の近さだけで適応や試験結果を転用しません。写真の細粒剤と錠剤の服用量も製品ごとに確認します。 PMDA:クラシエ桂枝茯苓丸料エキス錠 電子添文
トウニン・ボタンピを含むため、電子添文では妊婦または妊娠している可能性のある女性への投与は望ましくないとされています。月経遅延を単に体質の問題とせず妊娠の可能性を評価します。本処方自体に甘草は含まれませんが、生薬重複の確認は必要です。肝機能障害・黄疸、消化器症状、薬疹を観察し、症状が改善しない場合は漫然投与を避けます。 PMDA:クラシエ桂枝茯苓丸料エキス錠 電子添文
参考資料確認日:2026年9月8日
本節は医療従事者の情報確認を目的とした整理です。実際の処方は最新の電子添文、適正使用資料、診療ガイドライン、患者背景および施設要件に基づいて判断してください。最終医学レビュー:2026年8月13日
監修医師
薬の基本情報だけでなく、選ぶ条件・避ける条件・改善後の出口まで確認しています。
監修医からのメッセージ
対象症状、経過、体質と他治療の位置づけ
併用薬、同一生薬、妊娠・授乳
生薬由来の副作用と効果判定の時期