セファクロルとは?効果・副作用・正しい使い方を解説
最終更新日: 2026-05-02
📋 この記事のポイント
- ✓ セファクロルは幅広い細菌感染症に用いられるセフェム系抗生物質です。
- ✓ 副作用として下痢や発疹が比較的多く、アレルギー歴の確認が重要です。
- ✓ 医師の指示に従い、用法・用量を守って服用することが大切です。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。
📑 目次
セファクロルとは?その特徴と作用機序を解説

- セファクロル
- セファクロルは、セフェム系抗生物質の一種で、細菌の細胞壁合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。主に呼吸器感染症、尿路感染症、皮膚感染症など、幅広い細菌感染症の治療に用いられます。
セファクロルの分類と歴史的背景
セファクロルは、第二世代セフェム系抗生物質に分類されます。これは、初期のセフェム系抗生物質(第一世代)に比べて、より広範囲の細菌に対して抗菌活性を持つように開発されたことを意味します。セファクロルは1970年代後半に導入され、その有効性と比較的良好な安全性プロファイルから、多くの感染症治療において重要な選択肢となってきました[3]。当院でも、発熱や咳で受診される患者さまで、細菌性肺炎や気管支炎が疑われる場合に、セファクロルを処方するケースをよく経験します。特に、ペニシリンアレルギーの既往があるものの、セフェム系に対するアレルギーが確認されていない患者さまには、慎重に検討した上で選択肢の一つとして提示することがあります。セファクロルの作用機序:細菌の細胞壁合成阻害
セファクロルの抗菌作用は、細菌の細胞壁合成を阻害することによって発揮されます。細菌の細胞壁は、細菌が生存し増殖するために不可欠な構造であり、この細胞壁が正しく作られないと、細菌は細胞内の浸透圧に耐えられなくなり、最終的に死滅します。セファクロルは、ペニシリン結合タンパク質(PBP)と呼ばれる酵素に結合し、細胞壁の主要な構成成分であるペプチドグリカン合成を阻害します[5]。これにより、細菌は細胞壁を形成できなくなり、抗菌作用がもたらされるのです。⚠️ 注意点
セファクロルを含む抗生物質は、細菌感染症にのみ有効であり、ウイルス感染症(風邪やインフルエンザなど)には効果がありません。自己判断での服用は避け、医師の診断に基づいて適切に使用することが重要です。
どのような感染症に効果が期待できる?適応疾患と抗菌スペクトル
セファクロルは、幅広い細菌感染症に効果が期待できる抗生物質です。このセクションでは、セファクロルの適応疾患と、どのような種類の細菌に有効であるかを示す抗菌スペクトルについて詳しく解説します。セファクロルの主な適応疾患
セファクロルは、以下のような様々な細菌感染症の治療に用いられます[5]。- 呼吸器感染症: 肺炎、気管支炎、扁桃炎、咽頭炎、副鼻腔炎など
- 尿路感染症: 膀胱炎、腎盂腎炎など
- 皮膚・軟部組織感染症: 蜂窩織炎、せつ、よう、丹毒、リンパ管・リンパ節炎など
- 耳鼻咽喉科領域感染症: 中耳炎など
- 歯科・口腔外科領域感染症: 歯周組織炎、顎炎など
セファクロルの抗菌スペクトル
セファクロルは、グラム陽性菌とグラム陰性菌の両方に対して抗菌活性を示します。特に、肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスなど、呼吸器感染症の主要な原因菌に対して優れた効果を発揮するとされています[2]。また、大腸菌やプロテウス属など、尿路感染症の原因菌にも有効です[5]。| 細菌の種類 | セファクロルの有効性 |
|---|---|
| 肺炎球菌 (Streptococcus pneumoniae) | 高い有効性 |
| インフルエンザ菌 (Haemophilus influenzae) | 高い有効性 |
| モラクセラ・カタラーリス (Moraxella catarrhalis) | 高い有効性 |
| 大腸菌 (Escherichia coli) | 有効性あり |
| ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus) | 有効性あり(一部耐性菌を除く) |
セファクロルの正しい使い方とは?用法・用量と服用上の注意点

標準的な用法・用量
セファクロルの用法・用量は、患者さまの年齢、体重、症状、感染症の種類によって異なります。一般的には、成人には1日750mg(250mgカプセルを3回に分けて服用など)を服用しますが、重症度に応じて増減されることがあります。小児の場合も、体重に応じた量が設定されています[5]。- 成人: 通常、1日750mg(力価)を3回に分割して経口投与します。重症または分離菌の感受性が比較的低い場合は、1日1500mg(力価)まで増量できます。
- 小児: 通常、1日20〜40mg/kg(力価)を3回に分割して経口投与します。重症または分離菌の感受性が比較的低い場合は、1日60mg/kg(力価)まで増量できます。ただし、1日最大1500mg(力価)を超えないこととされています。
服用時のポイントと注意点
- 服用期間: 症状が改善しても、医師から指示された期間は服用を継続することが重要です。途中でやめてしまうと、細菌が完全に排除されず、再発や耐性菌の出現につながる可能性があります。
- 食事との関係: 食事の影響は少ないとされていますが、胃腸の不快感を避けるために食後に服用することが推奨される場合があります。
- 飲み忘れ: 飲み忘れた場合は、気がついた時点でできるだけ早く服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、1回分を飛ばし、次の時間から通常通り服用してください。2回分を一度に服用することは避けてください。
- 併用薬: 他の薬を服用している場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。特に、ワルファリンなどの抗凝固薬との併用には注意が必要です[5]。
- アレルギー歴: ペニシリン系抗生物質や他のセフェム系抗生物質でアレルギー反応を起こしたことがある場合は、必ず医師に伝えてください。交差アレルギーのリスクがあります[4]。
セファクロルの副作用と注意すべき点とは?
セファクロルは一般的に安全性の高い薬剤とされていますが、他の薬剤と同様に副作用が発現する可能性があります。このセクションでは、セファクロルで報告されている主な副作用と、特に注意すべき点について詳しく解説します。主な副作用
セファクロルの副作用で比較的多く報告されるのは、消化器症状と過敏症です[5]。- 消化器症状: 下痢、軟便、吐き気、嘔吐、腹痛など。特に下痢は比較的よく見られる副作用です。これは腸内細菌叢の変化によって引き起こされることがあります。
- 過敏症: 発疹、蕁麻疹、かゆみ、発熱など。重症な場合はアナフィラキシーショックやスティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)などの重篤なアレルギー反応を引き起こす可能性もあります。
稀に起こる重篤な副作用
頻度は低いものの、セファクロルで以下のような重篤な副作用が報告されています。これらの症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください[5]。- ショック、アナフィラキシー: 血圧低下、呼吸困難、全身の発赤、顔面浮腫など。
- 中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(SJS): 高熱、全身の発赤・水疱、目の充血、口内炎など。
- 急性腎不全: 尿量減少、むくみなど。
- 偽膜性大腸炎: 激しい腹痛、血便を伴う下痢など。
服用上の注意が必要な方
以下のような方は、セファクロルの服用に際して特に注意が必要です。- 薬物アレルギーの既往がある方: 特にペニシリン系抗生物質や他のセフェム系抗生物質でアレルギー反応を起こしたことがある方は、交差アレルギーのリスクがあるため、必ず医師に報告してください[4]。
- 腎機能障害のある方: 腎臓から排泄されるため、腎機能が低下している場合は薬の排泄が遅れ、体内に蓄積する可能性があります。医師は用量を調整する場合があります。
- 高齢者: 一般に生理機能が低下しているため、副作用が発現しやすいことがあります。
- 妊婦または授乳婦: 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます。必ず医師に相談してください。
セファクロルと他の抗生物質との比較:どのような違いがある?

ペニシリン系抗生物質との比較
セファクロルはセフェム系抗生物質であり、ペニシリン系抗生物質とは異なる化学構造を持ちますが、同じく細菌の細胞壁合成を阻害する作用機序を持ちます。ペニシリン系抗生物質、特にアモキシシリンなどは、幅広い感染症に用いられる第一選択薬の一つです。しかし、ペニシリンアレルギーを持つ患者さまも少なくありません。セファクロルは、ペニシリンアレルギーの患者さまに対して、交差アレルギーのリスクを考慮しつつ、代替薬として検討されることがあります[4]。ただし、ペニシリンアレルギーの重症度によっては、セファクロルも避けるべき場合があります。当院では、ペニシリンアレルギーの既往がある患者さまには、アレルギーの詳細を丁寧に確認し、セファクロルが安全に使用できるか、あるいは他の系統の薬剤が適切かを慎重に判断しています。| 項目 | セファクロル(セフェム系) | アモキシシリン(ペニシリン系) |
|---|---|---|
| 分類 | 第二世代セフェム系 | アミノペニシリン系 |
| 作用機序 | 細菌の細胞壁合成阻害 | 細菌の細胞壁合成阻害 |
| 抗菌スペクトル | グラム陽性菌・陰性菌に広範囲 | グラム陽性菌を中心に広範囲 |
| ペニシリンアレルギー時の使用 | 慎重に検討(低リスクの交差アレルギーあり) | 使用不可 |
マクロライド系抗生物質との比較
マクロライド系抗生物質(例: クラリスロマイシン、アジスロマイシン)は、細菌のタンパク質合成を阻害することで抗菌作用を発揮します。セファクロルとは作用機序が異なるため、セファクロルが効きにくい耐性菌や、アレルギーなどでセファクロルが使用できない場合の代替薬として用いられることがあります。特に、非定型肺炎の原因菌(マイコプラズマ、クラミジアなど)にはマクロライド系が有効ですが、セファクロルはこれらの細菌には効果がありません。当院では、患者さまの症状や検査結果から、どの種類の細菌が原因である可能性が高いかを判断し、最も効果的で安全な抗生物質を選択するよう努めています。例えば、発熱と咳が続くものの、一般的な細菌性肺炎の所見に乏しい場合は、非定型肺炎を疑いマクロライド系を検討することがあります。フルオロキノロン系抗生物質との比較
フルオロキノロン系抗生物質(例: レボフロキサシン)は、細菌のDNA複製を阻害することで抗菌作用を発揮します。非常に広範囲の細菌に有効であり、セファクロルでカバーできない一部のグラム陰性菌や、より重症な感染症に用いられることがあります。しかし、フルオロキノロン系は関節や腱への影響など、特有の副作用があるため、セファクロルよりも慎重な使用が求められる場合があります。抗菌薬の選択は、感染症の種類、重症度、原因菌の推定、患者さまのアレルギー歴や併存疾患、臓器機能などを総合的に考慮して行われます。不必要な広域抗生物質の使用は耐性菌を増やす原因となるため、当院では常に最適な薬剤選択を心がけています。まとめ
セファクロルは、幅広い細菌感染症に有効な第二世代セフェム系抗生物質です。細菌の細胞壁合成を阻害することで抗菌作用を発揮し、呼吸器感染症、尿路感染症、皮膚感染症など、多岐にわたる疾患の治療に用いられます。服用にあたっては、医師の指示に従い、用法・用量を厳守することが重要です。主な副作用として下痢や発疹が報告されており、特にペニシリンアレルギーの既往がある場合は、交差アレルギーのリスクを考慮し、必ず医師に伝える必要があります。他の抗生物質と比較して、その抗菌スペクトルや安全性プロファイルには特徴があり、患者さまの状態や感染症の種類に応じて最適な薬剤が選択されます。自己判断での服用は避け、適切な診断と治療を受けることが、感染症の早期回復と薬剤耐性菌の抑制につながります。お近くのグループクリニック
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よくある質問(FAQ)
📖 参考文献
- B R Meyers. Cefaclor revisited.. Clinical therapeutics. 2000. PMID: 10743978. DOI: 10.1016/S0149-2918(00)88477-5
- W Brumfitt, J M Hamilton-Miller. Cefaclor into the millennium.. Journal of chemotherapy (Florence, Italy). 1999. PMID: 10435677. DOI: 10.1179/joc.1999.11.3.163
- J E Derry. Evaluation of cefaclor.. American journal of hospital pharmacy. 1981. PMID: 7011003
- Allison Ramsey. Cephalexin, Cefaclor, and Ampicillin: Points in the Picture of β-Lactam Cross-Reactivity.. The journal of allergy and clinical immunology. In practice. 2022. PMID: 35144774. DOI: 10.1016/j.jaip.2021.12.004
- ケフラール(セファクロル)添付文書(JAPIC)
この記事の監修医
👨⚕️
吉井恭平