DUPIXENT COST GUIDE

デュピクセントの費用と高額療養費
保険適用・医療費助成を確認

デュピクセントの自己負担は一律ではありません。年齢・体重・投与間隔・保険の負担割合・同じ月の医療費・利用できる制度を整理し、受診前に誰へ何を確認すればよいかを池袋の皮膚科医が解説します。

QUICK ANSWER

デュピクセントの費用を確認するときの結論

「薬の定価×自己負担割合」だけでは実際の窓口負担を計算できません。固定価格ではなく、次の6点を確認してください。

一律の費用ではない

年齢・体重・投与間隔・処方本数で変わります。

保険適用には条件がある

診断、重症度、外用治療歴を診察で確認します。[1]

薬剤費以外も含まれる

診察、検査、外用薬、自己注射に関する管理などが加わる場合があります。

高額療養費は月単位

原則1日から末日まで。同月の保険診療を確認します。[3]

保険者独自の給付も確認

付加給付の有無は勤務先・健康保険組合などへ確認します。

金額は診察後に確認

用量と処方本数が決まってから、保険情報と合わせて確認するのが確実です。

STEP 1診察で適応・用量を確認

保険適用になるか、年齢・体重に応じた用法を確認します。

STEP 2保険者へ制度を確認

所得区分、高額療養費、付加給付、世帯合算などを確認します。

STEP 3処方月の総額を確認

薬剤費だけでなく、同月の診療・検査・他の処方も合わせます。

CURRENT COST GUIDE

デュピクセントの費用目安(2026年8月時点)

厚生労働省掲載の薬価では、デュピクセント300mgペンは1本53,659円、200mgペンは1本39,706円です。成人のアトピー性皮膚炎では通常、初回600mg、その後は300mgを2週間隔で使用します。比較しやすいよう、以下はアトピー性皮膚炎の維持期4週間分の薬剤費のみを負担割合別に示しています。

成人の標準的な維持期:300mgペンを2週間ごと

4週間で2本使用した場合。診察料・検査料・調剤に関する費用・外用薬などは含みません。

約32,200円3割負担・4週間2本の薬剤費目安

横にスクロールして確認できます →

アトピー性皮膚炎の維持期 通常の投与間隔 4週間の本数 1割負担 2割負担 3割負担
成人/小児60kg以上
300mgペン
2週間ごと 2本 約10,700円 約21,500円 約32,200円
小児30kg以上60kg未満
200mgペン
2週間ごと 2本 約7,900円 約15,900円 約23,800円
小児15kg以上30kg未満
300mgペン
4週間ごと 1本 約5,400円 約10,700円 約16,100円
小児5kg以上15kg未満
200mgペン
4週間ごと 1本 約4,000円 約7,900円 約11,900円
初回投与月は表と異なります

成人・小児60kg以上は初回600mg(300mgを2本)、小児30kg以上60kg未満は初回400mg(200mgを2本)です。処方日程や同じ月に受け取る本数によって、初回月の支払額は変わります。

薬剤費以外と制度適用を確認します

実際の窓口負担には診察・検査・調剤・外用薬などが加わります。高額療養費、付加給付、自治体助成の適用後の負担は患者さんごとに異なります。

※100円単位に丸めた概算です。シリンジの薬価は300mgが53,493円、200mgが39,549円です。薬価改定時には金額が変わります。確認日:2026年8月27日。出典:厚生労働省「使用薬剤の薬価(薬価基準)」PMDA電子添文

01

自己負担額を左右する6つの要素

同じデュピクセント治療でも患者さんごとに条件が異なります。

AGE / WEIGHT年齢と体重

小児では体重区分により用量や投与間隔が変わります。

INSURANCE自己負担割合

加入する公的医療保険、年齢、所得などで窓口負担割合が異なります。

SCHEDULE投与間隔と処方本数

開始月と維持期、処方日程により同月の本数が変わる場合があります。

OTHER CARE診察・検査・外用薬

薬剤費以外に診察料、検査料、外用薬などが加わります。

MONTH同じ月の医療費

高額療養費は原則として1日から末日までの月単位で確認します。

SUPPORT利用できる給付

高額療養費、付加給付、自治体助成などの対象は個別に異なります。

02

初月と翌月以降の費用が同じとは限らない理由

デュピクセントは長期に継続することがある治療です。月ごとの負担は処方内容と受診日程で変動します。[10,11]

START治療開始月

開始時の投与方法、診察・検査、外用治療の調整などが重なる場合があります。

MAINTENANCE維持期

年齢・体重に応じた投与間隔、処方本数、受診間隔で同月の負担が変わります。

CALENDAR処方日程と月またぎ

受診日や処方日が月をまたぐと、高額療養費の月単位計算への入り方が変わることがあります。

薬剤費以外に確認するもの

  • 診察料・検査料
  • 保湿剤・抗炎症外用薬など
  • 自己注射の導入・管理に関する費用
  • 院外薬局で支払う処方薬

費用だけで自己注射を決めない

自己注射は、手技、保管、注射部位、廃棄方法、副作用時の連絡方法を理解して続けられるかを確認します。通院負担と安全性の両方で判断します。

03

保険適用は診断・重症度・治療歴を確認して判断します

デュピクセントを希望して受診しても、必ず保険処方になるわけではありません。

確認する医学的条件

診断、皮疹の範囲と強さ、かゆみ・睡眠への影響、適切な外用治療を続けても十分に改善しないかを確認します。[1]

治療全体で判断

開始後も保湿剤や必要な抗炎症外用薬を継続します。注射薬だけの費用ではなく、治療全体を無理なく続けられるかを考えます。RCTと系統的レビューでは症状・かゆみ・生活の質の改善が確認されています。[6–9]

デュピクセント治療の適応・効果・副作用を詳しく見る

04

高額療養費・付加給付・医療費助成の違い

制度ごとに対象・問い合わせ先・確認時期が異なります。具体的な上限額は制度改定の影響を受けるため、本文へ固定掲載していません。

横にスクロールして確認できます →

制度 何を軽減・調整する? 主な問い合わせ先 確認するタイミング
高額療養費 月単位の保険診療の自己負担が上限を超えた部分 加入する健康保険組合、協会けんぽ、市区町村など 治療開始前と、処方内容が変わった時
限度額情報 窓口での支払いを自己負担上限までにする仕組み 保険者・医療機関。マイナ保険証利用時は窓口で確認 高額な外来診療が見込まれる前
付加給付 健康保険組合などが独自に設ける追加給付 勤務先または健康保険組合 加入保険が変わった時も再確認
子ども医療費助成(医療証) 保険診療の自己負担を0円または少額まで軽減する自治体制度 住民票のある自治体 治療開始前、医療証の取得・更新時
医療費控除 年間の医療費に関する所得税・住民税の仕組み 税務署・国税庁・税理士 確定申告前。補填額も整理
05

高額療養費で確認したい月単位・世帯合算・多数回該当

外来診療でも対象になり得ますが、計算条件は年齢・所得区分・加入保険などで異なります。[3,4]

月単位

原則として毎月1日から末日までで確認します。受診や処方が月をまたぐ場合は別の月として扱われます。

世帯合算

同じ公的医療保険に加入する家族の自己負担を合算できる場合があります。条件は保険者へ確認します。

多数回該当

直近12か月に一定回数、高額療養費の対象となった場合、その後の上限が軽減される仕組みがあります。

保険診療外の費用や、制度上合算できない費用があります。領収書・診療明細書・調剤明細書を保管し、加入保険者へ確認してください。

06

初診・他院継続で持参するとよいもの

適応判断と費用制度の確認を同時に進めやすくなります。

マイナ保険証または資格確認書

保険資格と限度額情報の確認に使います。自治体助成の受給者証があれば併せて持参してください。

お薬手帳・外用薬・悪化時の写真

これまでの治療内容、塗り方、症状が強い時期の状態を確認します。

他院で導入済みの場合の資料

紹介状、直近の投与日、製剤規格、処方本数、検査結果、自己注射の状況があると確認しやすくなります。

保険者・自治体へ確認した内容

付加給付、所得区分、医療費助成の対象、必要書類が分かればお持ちください。

PATIENT GUIDE

費用説明で使う用語

保険者
健康保険を運営する健康保険組合、協会けんぽ、市区町村などです。
所得区分
高額療養費の自己負担上限を決める区分です。年齢や所得情報などで判定されます。
付加給付
健康保険組合などが公的給付に加えて独自に設ける給付です。すべての保険にあるわけではありません。
世帯合算
条件を満たす同一世帯の自己負担を合算して高額療養費を計算する仕組みです。
多数回該当
直近12か月に一定回数、高額療養費に該当した場合の上限軽減です。
医療費控除
年間の医療費に関する税の仕組みで、高額療養費とは別制度です。

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長 吉井恭平

MEDICAL SUPERVISOR

監修医師

吉井 恭平

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長。費用だけで治療を選ぶのではなく、外用治療歴、改善したい症状、通院・自己注射の継続可能性を確認して治療計画を組み立てます。

実際の診療では、皮疹が改善したかだけでなく、かゆみ・睡眠・仕事や学校への影響、外用薬の量を同じ項目で振り返り、長期的に続ける価値と負担を一緒に確認します。

院長紹介を見る

最終医学レビュー:2026年8月28日

07

デュピクセントの費用に関するよくある質問

制度と処方内容は個別に確認してください。

デュピクセントは保険適用になりますか?

アトピー性皮膚炎の診断、重症度、これまでの外用治療などを確認し、保険適用の条件を満たす場合に検討します。希望だけで必ず保険処方になるわけではありません。

デュピクセントの自己負担はいくらですか?

一律の金額ではありません。年齢・体重・投与間隔・処方本数・自己負担割合・同じ月の診察や検査・利用できる制度で変わります。固定額ではなく、診察後の処方内容と加入保険者の情報を合わせて確認します。

開始月と翌月以降の費用は同じですか?

同じとは限りません。開始時の投与方法、診察・検査、処方日程、維持期の投与間隔などで月ごとの負担が変わる場合があります。

高額療養費制度は外来でも使えますか?

公的医療保険が適用される外来診療も対象になり得ます。自己負担上限は年齢・所得区分で異なるため、加入している保険者へ確認してください。

マイナ保険証があれば限度額適用認定証は不要ですか?

オンライン資格確認で限度額情報の提供に同意した場合、原則として認定証なしで窓口負担を上限までにできることがあります。利用条件や例外は保険者・医療機関へ確認してください。

同じ世帯の医療費を合算できますか?

同じ公的医療保険に加入する家族の自己負担を世帯合算できる場合があります。年齢や自己負担額などの条件があるため、領収書を保管して加入保険者へ確認してください。

多数回該当とは何ですか?

直近12か月に高額療養費の支給対象となった月が一定回数ある場合、その後の自己負担上限が軽減される仕組みです。保険者変更などで数え方が変わる場合があるため、加入保険者へ確認します。

健康保険組合の付加給付は自動で受けられますか?

保険者ごとに制度の有無、上限、申請要否が異なります。勤務先の担当部署または健康保険組合へ確認してください。

子どもは医療費助成を使えますか?

対象になる場合があります。豊島区では高校生相当年齢までの対象児童について、健康保険が適用される自己負担分を助成しており、医療証を使える場合はデュピクセントの薬剤費を含む保険診療の窓口負担が0円になる可能性があります。自治体で対象年齢・自己負担・利用方法が異なるため、医療証とマイナ保険証等を持参し、お住まいの自治体へ確認してください。

自己注射にすると費用は変わりますか?

処方本数や診療上の管理に関する費用などで窓口負担が変わる場合があります。自己注射は費用だけで決めず、手技・保管・廃棄を安全に続けられるかを診察で判断します。

他院で開始したデュピクセントの費用を相談できますか?

相談できます。直近の投与日・製剤規格・処方本数・お薬手帳・検査結果・紹介状があると、継続可否と費用を左右する条件を確認しやすくなります。

医療費控除と高額療養費は同じ制度ですか?

異なります。高額療養費は公的医療保険の給付、医療費控除は所得税・住民税に関する仕組みです。高額療養費などで補填された額を考慮して申告します。

自分の場合の費用条件を診察で整理したい方へ

初めて相談する方はお薬手帳・使用中の外用薬・悪化時の写真を、他院から継続相談する方は直近の投与日・製剤規格・処方本数・検査結果が分かる資料をお持ちください。

予約は処方・継続処方・制度適用を保証するものではありません。診察後に医学的適応と処方内容を判断します。

08

参考文献・公的資料

公的資料、診療ガイドライン、ランダム化比較試験、系統的レビュー・メタ解析、長期追跡、医療経済研究を確認しています。

  1. ガイドライン日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024
  2. 公的資料PMDA デュピクセント医療用医薬品情報
  3. 公的制度厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
  4. 公的制度厚生労働省 マイナ保険証利用のメリット
  5. 患者向け公式サノフィ デュピクセントを使用される患者さんへ|医療費助成と薬剤費
  6. 成人RCTSOLO 1/2:成人第3相ランダム化比較試験. PMID: 27690741
  7. 52週RCTCHRONOS:外用薬併用52週ランダム化比較試験. PMID: 28478972
  8. 系統的レビュー有効性・安全性・経済性のEAACI系統的レビュー. PMID: 32691892
  9. ネットワークメタ解析全身治療149試験の系統的レビュー・ネットワークメタ解析. PMID: 37678577
  10. 長期追跡成人の5年オープンラベル延長試験. PMID: 38985486
  11. 実臨床長期BioDayレジストリの5年患者報告アウトカム. PMID: 38653344
  12. 疾病負担レビュー中等症〜重症アトピー性皮膚炎の経済・社会的負担. PMID: 35920758
  13. 経済研究レビュー皮膚疾患の経済評価・費用研究の系統的レビュー. PMID: 35909186
  14. 費用対効果レビューアトピー性皮膚炎の新規治療の費用対効果レビュー. PMID: 37392363
  15. 経済評価デュピルマブの費用効用分析. PMID: 30005097
  16. 経済評価中等症〜重症成人アトピー性皮膚炎の経済評価. PMID: 28933010
  17. 公的薬価厚生労働省「使用薬剤の薬価(薬価基準)」:デュピクセント200mg・300mg製剤
  18. 自治体制度豊島区 子ども医療費助成「事業内容」
  19. 公的制度東京都福祉局 義務教育就学児医療費の助成(マル子)
  20. 小児RCT6〜11歳の重症アトピー性皮膚炎:第3相ランダム化比較試験. PMID: 32574587
  21. 乳幼児RCT生後6か月〜5歳の中等症〜重症アトピー性皮膚炎:第3相ランダム化比較試験. PMID: 36116481
  22. 国内小児RCT日本人小児の中等症〜重症アトピー性皮膚炎:第3相ランダム化比較試験. PMID: 38735810
医療経済研究の読み方
海外の費用対効果研究は、各国の薬価、保険制度、評価基準を前提にしています。日本の患者さん個人の自己負担額を算出する資料としては使用せず、治療の疾病負担・長期継続・医療経済上の背景を確認するために参照しています。実際の費用は日本の公的制度と加入保険者の最新情報で確認してください。

最終医学レビュー:2026年8月28日。掲載内容は一般的な医療・制度情報です。診断・処方・検査・制度適用は診察および各制度の実施主体が判断します。