ワキ汗腋臭症汗腺の違い注射の限界

ワキ汗とワキガの違い|ボツリヌストキシン注射でできること

「汗が多い」と「においが強い」は同じ悩みに見えても、中心となる汗腺と治療目標が異なります。汗を抑える治療だけでよいのか、腋臭症として評価が必要かを分けましょう。

Difference

多汗症と腋臭症は同じではありません

多汗症体温調節に必要な範囲を超える発汗により、日常生活へ支障が出る状態です。ワキでは主にエクリン汗腺からの発汗が問題になります。
腋臭症(ワキガ)主にアポクリン汗腺の分泌物が皮膚表面の細菌に分解されることで特徴的なにおいが生じます。汗の量だけでは診断できません。
汗に伴うにおいエクリン汗自体は強いにおいを持ちませんが、蒸れ、皮脂、細菌、衣類などが重なるとにおいが気になることがあります。発汗を抑えることで軽くなる場合があります。

Injection

ボツリヌストキシン注射でできること・できないこと

Can

ワキの発汗を一時的に抑える

神経から汗腺への刺激を弱め、ワキ汗を減らします。汗染みや蒸れが生活の支障になっている場合に検討します。

May

汗に伴うにおいが軽くなる可能性

発汗と蒸れが減ることで、汗に伴うにおいが軽くなる可能性はあります。ただし効果には個人差があります。

Cannot

アポクリン汗腺を除去しない

腋臭症の原因となるアポクリン汗腺を取り除く治療ではありません。においが中心なら、別の治療選択肢を含めて評価します。

Choice

悩みの中心から治療を選ぶ

汗染み・発汗量が中心多汗症として外用薬、塩化アルミニウム、ワキのボツリヌストキシン注射などを比較します。当院の部位別治療をご覧ください。
においが中心腋臭症の評価、衣類・洗浄・制汗の調整、必要に応じて手術などの専門治療を検討します。注射だけで原因治療になるとは限りません。
赤み・かゆみ・ただれがある制汗剤によるかぶれ、間擦疹、感染症などを確認します。皮膚炎がある部位へ自己判断で制汗剤を重ねないでください。

Self care

診察までにできるセルフケア

  • 入浴時は強くこすらず、汗と皮脂をやさしく洗い流す
  • 通気性のよい衣類や汗取りパッドを使い、濡れた衣類を長時間着続けない
  • 制汗剤は使用方法を守り、剃毛直後や傷のある皮膚には使わない
  • においが気になる時間帯、汗の量、衣類との関係を記録する

Insurance

保険診療と自費治療

多汗症の外用薬や、国内承認製剤による重度の原発性腋窩多汗症への治療は条件により保険適用となる場合があります。腋臭症では、診断と術式、実施施設などの条件を満たす手術に保険適用があります。一方、当院のワキのボツリヌストキシン注射は自費診療です。保険と自費の違いで、薬剤・施術・医療機関ごとの確認点をご覧ください。

Consultation

診察でよく伺うお悩み

「汗染みよりも、夕方のにおいが気になります。注射だけでよいでしょうか」
「制汗剤を使うと赤くなります。かぶれとワキガを見分けたいです」
「家族にワキガと言われましたが、自分では汗の量のほうが気になります」

Supervisor

監修医師

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長 吉井恭平
吉井恭平

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長

監修医師からのメッセージ

多汗症やワキのにおいは、周囲には伝わりにくくても、衣類、仕事、学業、人との距離感など日常生活へ大きく影響することがあります。治療を考える際は、汗の量だけを見るのではなく、いつから始まったか、どの部位に出るか、左右差や夜間の発汗があるか、どの程度生活に支障があるかを丁寧に整理することが大切です。診察では、原発性の多汗症か、薬やほかの病気が関係する発汗か、ワキガなど別の状態が重なっていないかを確認し、外用薬、内服薬、注射などから無理なく続けられる方法を一緒に検討します。オンラインで相談しやすい症状と、対面で皮膚の状態や検査を確認したほうがよい症状もありますので、一人で判断せず、気になる段階でご相談ください。

FAQ

よくある質問

ワキ汗が多いと必ずワキガですか?

いいえ。汗の量が多くても腋臭症とは限りません。汗による蒸れや衣類のにおい、皮膚炎、腋臭症を分けて考えます。

ボツリヌストキシン注射でワキガは治りますか?

発汗を抑えて蒸れや汗に伴うにおいが軽くなる可能性はありますが、アポクリン汗腺を除去する治療ではありません。においが主訴の場合は、腋臭症として別の評価が必要です。

腋臭症の手術は保険適用ですか?

診断と術式、実施医療機関などの条件を満たす場合に保険適用となる手術があります。当院で実施していない治療は、適応に応じて対応可能な医療機関の受診を案内します。

市販の制汗剤でかぶれた場合はどうすればよいですか?

使用を中止して洗い流し、赤み・痛み・ただれが続く場合は皮膚科を受診してください。刺激性接触皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎の可能性があります。