荊芥連翹湯の位置づけ
炎症性ニキビや慢性的な皮膚症状で、標準治療と併用して検討することがあります。
漢方製剤
成分を確認皮膚の炎症や体質背景を見ながら、外用薬・内服抗菌薬・スキンケアと役割分担して使います。
役割を確認ニキビ治療の主役を置き換える薬ではありません。面皰主体、瘢痕、強い感染では別の治療設計が必要です。
注意点を確認![荊芥連翹湯エキス錠Fクラシエ [180錠]の製剤例](https://www.kracie.co.jp/products/image/item/ph_4987045109362_200.jpg)
診察・相談時に確認しやすい製品例
診察では症状や部位に加えて、剤形、規格、飲みやすさ、続けやすさも確認します。同じ成分や同じ処方名でも剤形や製品で使い方が変わるため、以前の薬がある場合は薬袋やお薬手帳も参考になります。
荊芥連翹湯の処方を検討するときに確認すること
薬を選ぶ前の確認点と、治療を見直す目安をお伝えします。

FROM THE CLINIC
FORMULA & CRUDE DRUGS
荊芥連翹湯に含まれる生薬をどう見るか
荊芥連翹湯は、17種類の生薬を組み合わせた処方です。全成分を一覧にしたうえで、処方の特徴をつかみやすい代表的な生薬を患者さん向けに説明します。
この製品に含まれる生薬(17種類)をすべて見る
- 荊芥ケイガイ
- 連翹レンギョウ
- 当帰トウキ
- 芍薬シャクヤク
- 川芎センキュウ
- 地黄ジオウ
- 黄連オウレン
- 黄芩オウゴン
- 黄柏オウバク
- 山梔子サンシシ
- 防風ボウフウ
- 枳実キジツ
- 甘草カンゾウ
- 薄荷ハッカ
- 柴胡サイコ
- 桔梗キキョウ
- 白芷ビャクシ
代表的な生薬
荊芥 (ケイガイ)
クラシエの生薬資料では、寒気や熱感などをみるほか、痛みやこわばりをみる処方で用いられる生薬として紹介されています。
荊芥の公式生薬資料を見る連翹 (レンギョウ)
クラシエの生薬資料では、赤みや腫れなどをみる処方で用いられる生薬として紹介されています。
連翹の公式生薬資料を見る黄連 (オウレン)
クラシエの生薬資料では、胃腸の働きを整えるほか、緊張や気持ちの高ぶりをみる処方で用いられる生薬として紹介されています。
黄連の公式生薬資料を見る荊芥連翹湯を、生薬単体の働きの「足し算」として選ぶわけではありません。公式表示にある症状、発症からの経過、体の状態、持病、併用薬を照らし合わせ、処方全体として合うかを確認します。この製品では、特に甘草・山梔子・黄芩を含む別の漢方薬や市販薬が重なっていないか確認します。
※ 生薬単体の一般的な説明は、荊芥連翹湯という処方全体の効能・効果と同じではありません。「気・血・水」などは漢方の伝統的な見方で、現代医学の診断名や検査値と同じ意味ではありません。成分は対象製品の公式情報、生薬の基原と一般的な説明はクラシエ生薬ファイルで確認しました(2026年9月15日)。
- 処方を考える場面
- 炎症性ニキビで、他の治療が十分に効かない、または実施しにくい場合に選択肢として検討します。
- 処方前に確認すること
- 赤いニキビと面皰の割合、外用薬の使用状況、胃腸症状、血圧、他の甘草・山梔子を含む製剤を確認します。
- 処方後に確認すること
- 炎症性皮疹の変化に加え、下痢、むくみ、脱力、発熱・せき、腹部症状を確認します。
- 治療を見直す目安
- 改善しない場合は薬を重ね続けず治療を再評価します。息苦しさや強い脱力、繰り返す腹痛などは次の予約を待たず相談します。
公的資料や文献を踏まえた一般的な確認事項です。個別の処方は診察所見と患者さんの背景に応じて判断します。主な確認資料:PMDA:ツムラ荊芥連翹湯 電子添文、日本皮膚科学会:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 CQ12、荊芥連翹湯の痤瘡に対する非盲検無作為化比較試験(2018)。参考資料確認日:2026年9月8日
診察で確認する使い方
薬の種類、部位、期間、併用薬によって使い方が変わります。
表は左右に動かして確認できます
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 使われる場面 | 炎症性ニキビや慢性的な皮膚症状で、標準治療と併用して検討することがあります。 |
| 薬の役割 | 皮膚の炎症や体質背景を見ながら、外用薬・内服抗菌薬・スキンケアと役割分担して使います。 |
| 向かない場面 | ニキビ治療の主役を置き換える薬ではありません。面皰主体、瘢痕、強い感染では別の治療設計が必要です。 |
| 診察で確認すること | 胃腸症状、他の漢方薬、甘草を含む薬、肝機能障害の既往を確認します。 |
| 副作用・注意点 | 胃部不快感、食欲不振、発疹、肝機能障害、甘草重複によるむくみなどに注意します。 |
よくある質問
荊芥連翹湯は自分で使い始めてもよいですか?
自己判断ではなく、症状の種類、部位、持病、併用薬を確認してから使うことをおすすめします。
効果が弱い場合は塗る量や飲む量を増やしてよいですか?
自己判断で増やさず、診察で確認してください。薬の変更だけでなく、診断や併用治療の見直しが必要なことがあります。
処方・鑑別・安全管理を確認するための情報です。患者さんは上部の患者向け説明をご覧いただき、薬の開始・変更・中止は自己判断せず診察時にご相談ください。
患者さん向け情報へ戻る ↑FOR PRESCRIBERS / MEDICAL PROFESSIONALS
処方医向け:荊芥連翹湯の医学情報
適応と標準治療との関係、生薬の重複、安全管理、治療効果の評価を確認します。
標準治療との役割を分け、体質・随伴症状・併用漢方・妊娠授乳・生薬由来副作用を確認します。 正確な効能・用法・禁忌は最新の電子添文・適正使用資料を優先してください。
最初の要点を開いています。見出しから「適応」「処方設計」「安全性」「再評価」「一次資料」を必要な順に確認できます。
処方設計処方設計
患者さん向けの記事ですが、処方設計の背景を確認しやすいよう専門的な要点も整理します。
漢方薬は標準外用療法や処置を置き換えるのではなく、体質、月経周期、胃腸症状、冷え、かゆみ、慢性化の背景を見て補助的に位置づけます。ニキビ、湿疹、いぼでは主治療の目標と漢方の役割を初回から分けて説明します。
安全管理安全性・モニタリング
甘草含有処方では偽アルドステロン症、低カリウム血症、血圧上昇、浮腫を確認します。発疹、肝機能障害、間質性肺炎様症状、胃腸症状、複数漢方の重複、妊娠・授乳、腎機能を必要に応じて確認します。
EVIDENCEエビデンスの位置づけ
皮膚科領域の漢方は疾患ごとに推奨度が異なります。ざ瘡ガイドラインや疣贅ガイドラインでは、標準治療が優先される場面と補助的に検討される場面が整理されており、患者さんの期待値調整が重要です。
処方設計実務ポイント
臨床判断併用RCTの解釈と甘草・山梔子を含む処方の管理
2018年の荊芥連翹湯の試験は、アダパレンと外用抗菌薬による従来治療に漢方を追加する群と従来治療群を比較した、12週間の非盲検無作為化試験です。少数例かつ非盲検の探索的研究であり、漢方単独の有効性や標準外用薬より優れることを示す試験ではありません。炎症性皮疹と非炎症性皮疹を分け、背景治療の影響を含めて読む必要があります。 荊芥連翹湯の痤瘡に対する非盲検無作為化比較試験(2018)
痤瘡ガイドライン2023のC1は、他治療が無効または実施できない状況での選択肢という位置づけです。外用刺激が理由なら使用量・頻度・保湿などの調整余地を確認し、漢方への変更だけで解決しようとしません。抗菌薬使用中はその終了・維持療法への移行も別に計画し、赤い皮疹が減ったという理由だけで抗菌薬を長期継続しない判断が必要です。 日本皮膚科学会:尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 CQ12
ツムラ製剤は甘草と山梔子を含みます。甘草由来の低カリウム血症・血圧上昇に加え、山梔子含有製剤の長期使用歴と腸間膜静脈硬化症のリスクを確認します。複数科・市販薬を含めた累積使用歴を聴取し、反復する腹痛、便通異常、腹部膨満、便潜血陽性時は中止と検査を検討します。長期投与時の画像・内視鏡評価は電子添文に沿って判断し、間質性肺炎や肝障害の症状も説明します。 PMDA:ツムラ荊芥連翹湯 電子添文
参考資料確認日:2026年9月8日
本節は医療従事者の情報確認を目的とした整理です。実際の処方は最新の電子添文、適正使用資料、診療ガイドライン、患者背景および施設要件に基づいて判断してください。最終医学レビュー:2026年8月13日
監修医師
薬の基本情報だけでなく、選ぶ条件・避ける条件・改善後の出口まで確認しています。
監修医からのメッセージ
対象症状、経過、体質と他治療の位置づけ
併用薬、同一生薬、妊娠・授乳
生薬由来の副作用と効果判定の時期