イソトレチノインの副作用と血液検査の解説

Isotretinoin Safety Guide

イソトレチノインの副作用と血液検査の必要性

重症ニキビ治療で使われるイソトレチノインについて、乾燥・肝機能・脂質異常・催奇形性などの副作用と、血液検査で確認するポイントを医師監修で整理します。

監修: 吉井恭平自由診療のニキビ治療最終更新 2026-05-28

安全に治療するための3つのポイント

01

乾燥症状はよく見られますが、保湿などで対策できることが多い副作用です。

02

肝機能・脂質異常のリスクがあるため、必要に応じて血液検査で確認します。

03

催奇形性があるため、妊娠中・妊娠希望・授乳中の方には処方できません。

まず確認したいこと

イソトレチノインは、重症・難治性ニキビで選択肢になる内服薬です。効果が期待できる一方で、乾燥、肝機能や脂質の変化、妊娠に関する重大な注意があります。大切なのは「怖がりすぎること」ではなく、診察・血液検査・避妊確認を行いながら安全に進めることです。

00 / Lead

この記事でわかること

このページでは、イソトレチノイン治療で患者さんが不安に感じやすい「副作用」と「血液検査」について、診察時に確認する順番に沿って整理します。

先に結論

  • 最も多い副作用は、唇・皮膚・目・鼻などの乾燥です。多くは保湿や生活上の工夫で対応します。
  • 血液検査では、主に肝機能と脂質を確認します。自覚症状がなくても数値が変化することがあるためです。
  • 妊娠中、妊娠の可能性がある方は服用できません。治療前から終了後まで、避妊と妊娠確認が重要です。
01 / Overview

イソトレチノインはどんな薬か

イソトレチノインは、ビタミンA誘導体に分類される内服薬です。皮脂の分泌を抑え、毛穴の詰まりや炎症が起こりにくい状態へ整えることで、重症ニキビや繰り返すニキビに対して効果が期待されます。

日本ではニキビ治療薬として未承認のため自由診療になりますが、海外では重症ニキビ治療として長く使われてきた薬です。ただし、強い薬であるぶん、適応の判断と副作用管理が欠かせません。

向いている可能性がある方保険診療の外用薬・内服薬で改善しにくい、炎症の強いニキビを繰り返す、ニキビ跡を増やしたくない方。
慎重な確認が必要な方妊娠の可能性がある方、肝機能や脂質異常を指摘された方、内服薬が多い方、強い乾燥症状が心配な方。
02 / Side Effects

起こりやすい副作用と対処法

イソトレチノインの副作用は、患者さんが体感しやすいものと、血液検査で確認するものに分けると理解しやすくなります。

乾燥症状

唇の乾燥、口唇炎、皮膚の乾燥、目の乾き、鼻の乾燥や鼻血が代表的です。特に唇の乾燥は多くの方に起こりやすいため、リップクリームやワセリンをこまめに使うことが大切です。

肝機能・脂質の変化

AST、ALTなどの肝機能、中性脂肪やコレステロールが上がることがあります。多くは血液検査で見つかるため、症状がなくても検査を行います。

筋肉痛・関節痛、頭痛など

運動量が多い方では筋肉痛や関節痛を感じることがあります。強い頭痛、視界の異常、強い腹痛、黄疸などがある場合は、早めに医師へ相談してください。

受診の目安

「いつもの乾燥」と違う強い症状、腹痛・吐き気・黄疸、気分の落ち込みが強い、妊娠の可能性がある、などの場合は自己判断で様子を見ず、医療機関に連絡してください。

03 / Blood Test

血液検査で何を確認するか

血液検査の目的は、副作用を早く見つけ、治療を続けてもよい状態かを確認することです。自覚症状だけでは肝機能や脂質の変化に気づけないことがあるため、定期的な確認が必要です。

肝機能AST、ALT、γ-GTPなどを見て、肝臓への負担が強く出ていないか確認します。
脂質中性脂肪やコレステロールを確認します。特に中性脂肪が大きく上がる場合は慎重な対応が必要です。
妊娠確認妊娠可能性がある方では、治療前・治療中に妊娠していないことを確認します。
その他の項目既往歴や併用薬によって、腎機能や血算などを確認することがあります。

検査頻度は、服用量、体質、既往歴、過去の検査値によって変わります。一般的には開始前に基準値を確認し、開始後も医師の判断で定期的に確認します。

04 / Response

異常値が出たときの考え方

血液検査で異常値が出ても、すぐに重大な副作用と決まるわけではありません。数値の高さ、前回からの変化、症状の有無、飲酒や食事、併用薬などを合わせて判断します。

軽度の変化

一時的な変動として経過を見ることがあります。食事、飲酒、運動、服用タイミングを見直し、再検査で確認します。

中等度以上の変化

減量、休薬、再検査、他の治療への切り替えを検討します。強い腹痛、吐き気、黄疸などの症状がある場合は、より早い対応が必要です。

自己判断で中止しないことも大切です

不安がある場合は、服用を続けるか止めるかを含めて医師に相談してください。数値と症状を確認しながら、続ける・減らす・休むを判断します。

05 / Pregnancy

妊娠に関する重要な注意

イソトレチノインには催奇形性があり、妊娠中や妊娠の可能性がある方は服用できません。治療を希望する場合は、治療前から治療中、治療終了後まで、妊娠を避けるための確認が必要です。

この注意点は不安をあおるためではなく、避けられるリスクを確実に避けるためのものです。診察では、妊娠可能性、避妊方法、妊娠検査の必要性を確認し、患者さんが納得したうえで治療を進めます。

06 / Daily Care

治療中に患者さんが気をつけること

  • 唇と皮膚は、乾く前から保湿を始めましょう。
  • 日焼け止め、帽子、日傘などで紫外線対策を行いましょう。
  • 飲酒は肝臓への負担になるため、治療中は控えめにしましょう。
  • 新しい薬やサプリを始める前に、医師へ相談しましょう。
  • レーザー、ピーリング、脱毛などの美容施術は、肌状態を見て時期を相談しましょう。
07 / Summary

まとめ

イソトレチノインは、重症・難治性ニキビに対して有効な選択肢になり得る一方、乾燥、肝機能・脂質の変化、妊娠に関する重要な注意があります。

血液検査は「危険だから行うもの」ではなく、体の変化を早めに見つけ、治療を安全に続けるための確認です。副作用を理解し、医師と相談しながら進めることで、不安を減らしながら治療を検討しやすくなります。

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長 吉井恭平

監修医師メッセージ

吉井 恭平
池袋サンシャイン通り皮膚科 院長

イソトレチノインは、長くニキビに悩んできた方にとって大きな選択肢になる治療です。一方で、乾燥や血液検査値の変化、妊娠に関する注意など、事前に知っておくべき点もあります。

当院では「薬を出すこと」だけでなく、治療が合っているか、副作用が強く出ていないか、検査値に問題がないかを確認しながら進めます。不安な点は診察時に遠慮なくご相談ください。

08 / FAQ

よくある質問(FAQ)

Q1. 副作用はどのくらい続きますか?
乾燥症状は服用中に続くことがありますが、保湿で軽減できることが多いです。肝機能や脂質の変化は、減量や休薬で改善することがあります。症状や検査値を見ながら判断します。
Q2. 血液検査は毎回必要ですか?
毎回とは限りません。開始前の確認は重要で、その後は服用量、既往歴、検査値の変化に応じて医師が頻度を決めます。
Q3. 血液検査の費用は保険適用ですか?
イソトレチノインは日本では未承認薬のため、原則として自由診療です。検査費用についても診察時にご確認ください。
Q4. 服用中に献血はできますか?
服用中は献血できません。服用終了後も一定期間は献血を避ける必要があります。
Q5. ニキビ跡にも効きますか?
新しいニキビをできにくくすることで、今後のニキビ跡を増やしにくくする効果は期待できます。一方で、すでにある凹みや強い色素沈着には、別の治療を組み合わせることがあります。
参考文献・参照情報
  1. 日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023
  2. Xia E, Han J, Faletsky A, et al. Isotretinoin Laboratory Monitoring in Acne Treatment: A Delphi Consensus Study. JAMA Dermatology. 2022.
  3. FDA: Isotretinoin Capsule Information

池袋でイソトレチノイン治療を相談したい方へ

副作用や検査の不安も診察で確認できます

池袋駅周辺でイソトレチノイン治療をご検討中の方は、これまでのニキビ治療歴、現在の内服薬、妊娠可能性、健康診断で指摘された肝機能・脂質異常などをお伝えください。治療の適応と安全管理について医師が確認します。