池袋サンシャイン通り皮膚科の診療スペース
PSORIASIS BIOLOGICS GUIDE

乾癬の生物学的製剤6剤を比較|効果・投与間隔・副作用

乾癬の生物学的製剤から、IL-17系・IL-23系・IL-12/23系の6剤を比較します。効果の数字だけでなく、国内適応、投与間隔、自己注射、併存症、開始前検査まで並べ、患者さんと処方医が同じ比較軸を共有できるようにしました。

IL-17系IL-23系IL-12/23系現行PMDA資料で照合
患者さん・ご家族向け

ここからは患者さん向けの解説です

症状・受診の目安・治療の流れを、日常の言葉を先にして説明します。処方や診療実務の専門情報は、ページ後半に分けています。

01

比較前に押さえたい3つの結論

投与間隔だけで薬を決めず、病型・安全性・継続可能性を合わせて判断します。

01適応病型が違う

尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、紅皮症、掌蹠膿疱症のどこまで承認されているかが薬ごとに異なります。

02通院・自己注射が違う

維持期は4・8・12週間隔に分かれます。自己注射の可否は製剤の見た目ではなく、国内の患者向医薬品ガイドで確認します。

03固有の注意がある

IL-17系の炎症性腸疾患・カンジダ症、トレムフィアの肝機能など、共通の感染症対策に薬剤固有の確認を重ねます。

この6剤は国内で使える生物学的製剤のすべてではありません。
検索されることが多く、標的・投与間隔・自己注射の違いが比較しやすい6剤を扱います。TNF阻害薬、IL-17受容体阻害薬、他のIL-23阻害薬などもあり、診察では全選択肢から検討します。

02

6剤の標的・投与間隔・自己注射を比較

国内の承認用法を簡略化して示します。病型・体重・反応で用量が変わるため個別ページも確認してください。

表は左右に動かして確認できます

薬剤一般名標的乾癬の主な投与自己注射再評価
コセンティクスセクキヌマブIL-17A成人は通常300mgを0・1・2・3・4週、以後4週間隔。体重60kg以下では150mgを考慮。小児は体重別用量。可(適切な在宅自己注射教育後)通常16週以内に反応がなければ継続を慎重に再考
トルツイキセキズマブIL-17A初回160mg。2週後から12週後まで80mgを2週間隔、以後通常4週間隔。12週時点で不十分なら2週間隔継続を検討。可(適切な在宅自己注射教育後)通常20週以内に反応がなければ継続を慎重に再考
トレムフィアグセルクマブIL-23p19乾癬・掌蹠膿疱症は100mgを0・4週、以後8週間隔で皮下注射。乾癬用100mgシリンジは医療機関で投与乾癬等は16週、掌蹠膿疱症は24週までに反応を評価
スキリージリサンキズマブIL-23p19150mgを0・4週、以後12週間隔。乾癬等では患者状態に応じ75mg可。掌蹠膿疱症は150mg。現行のPMDA患者向医薬品ガイドでは医療機関で投与乾癬等は16週、掌蹠膿疱症は28週までに反応を評価
ビンゼレックスビメキズマブIL-17A/IL-17F尋常性乾癬・膿疱性乾癬・乾癬性紅皮症は320mgを16週まで4週間隔、以後8週間隔。状態に応じ16週以降も4週間隔可。乾癬性関節炎は160mgを4週間隔。可(適切な在宅自己注射教育後)通常16週以内に反応がなければ継続を慎重に再考
ステラーラウステキヌマブIL-12/IL-23 p4045mgを0・4週、以後12週間隔。効果不十分なら90mgを投与できる。医療機関で投与反応がなければ28週以内に増量を含め治療計画を再考

直接比較試験の順位表ではありません。適応病型、併存症、過去の反応、検査、患者希望を合わせて選びます。

03

どこを比べて選ぶか

患者さんは生活上の希望を、処方医は病型・併存症・安全性を具体化して共有します。

病型と関節症状

掌蹠膿疱症、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、乾癬性関節炎では、国内適応の有無と症状部位を先に確認します。

消化器・真菌症

炎症性腸疾患の既往・症状ではIL-17系を慎重に検討し、ビンゼレックスでは口腔カンジダ症を重点確認します。

年齢・妊娠・背景

この6剤で6歳以上の小児用量があるのはコセンティクスです。妊娠・授乳、悪性腫瘍歴、感染症歴も共有します。

通院と注射方法

短い間隔が負担か、長い間隔でも定期検査に通えるか、自己注射を希望・実施できるかを具体的に確認します。

04

開始前検査と治療中の注意

全剤共通の感染症対策に、薬剤固有のリスクを重ねます。

開始前の共通確認

結核歴・接触歴、胸部画像、結核の血液検査やツベルクリン反応、活動性感染症、肝炎ウイルス、血球数などの血液検査、肝腎機能、ワクチン、悪性腫瘍歴、妊娠・授乳など。

治療中の共通確認

発熱、長引く咳、息苦しさ、体重減少、皮膚・歯科感染、過敏症。治療中は生ワクチンを接種しません。

IL-17系

コセンティクス・トルツ・ビンゼレックスでは炎症性腸疾患を確認。ビンゼレックスは口腔カンジダ症を特に確認します。

IL-23/IL-12・23系

感染症・結核を共通確認。トレムフィアは定期的な肝機能検査、ステラーラは悪性腫瘍歴・ラテックス・間質性肺炎を確認します。

05

導入施設・届出・連携体制

一覧に施設名がないだけで導入不可とは断定せず、届出受理と検査・緊急連携体制を確認します。

日本皮膚科学会は現在、乾癬の生物学的製剤を届出制として案内しています。
皮膚科専門医の常勤、指定E-learningの受講、必要な検査を依頼できる近隣施設などの要件があります。既存の承認施設は新たな届出が不要で、IL-17・IL-23阻害薬の届出施設は承認施設一覧に掲載されないと案内されています。個別施設の導入可否は、届出・承認、検査、緊急連携体制を直接確認します。

07

池袋で乾癬の生物学的製剤を相談したい方へ

現在の治療がどこまで効いているかを確認し、必要な治療体制へつなぎます。

受診時は、お薬手帳・過去の検査結果・皮疹写真をご持参ください。
病型、皮疹の面積・治りにくい部位、爪・関節症状、外用・光線・内服治療の反応、感染症歴、通院や自己注射の希望を整理します。導入が候補となる場合は、学会の届出・承認、導入前検査、緊急連携体制に応じて案内・紹介します。

09

よくある質問

乾癬の生物学的製剤はどれが一番強いですか?

一律の順位では選べません。病型、関節症状、難治部位、併存症、感染症リスク、投与間隔、自己注射、過去の治療反応を組み合わせて判断します。

6剤はすべて同じ病型に使えますか?

異なります。たとえばステラーラの国内乾癬適応は尋常性乾癬・乾癬性関節炎、トレムフィアとスキリージは掌蹠膿疱症にも承認されています。

投与間隔が一番長い薬は?

維持期が12週間隔のスキリージとステラーラがありますが、導入方法、用量、対象病型、注射場所、再評価時期は異なります。

自己注射できる薬は?

この6剤ではコセンティクス、トルツ、ビンゼレックスに、適切な教育後の自己注射情報があります。スキリージ、乾癬用トレムフィア100mg、ステラーラはPMDA患者向医薬品ガイド上、医療機関で投与されます。

始める前にどんな検査をしますか?

結核歴・胸部画像・IGRAなど、活動性感染症、肝炎ウイルス、血液・肝腎機能などを確認し、薬剤・患者背景に応じて追加します。

池袋サンシャイン通り皮膚科で開始できますか?

まず病型・重症度・治療歴を評価します。実際の導入は日本皮膚科学会の届出・承認、検査、緊急連携体制の確認が必要で、必要に応じて適切な医療機関へ紹介します。

08

監修医師

薬の基本情報だけでなく、選ぶ条件・避ける条件・改善後の出口まで確認しています。

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長 吉井恭平

MEDICAL SUPERVISOR

吉井 恭平

池袋サンシャイン通り皮膚科 院長

院長紹介・経歴を見る

監修医からのメッセージ

生物学的製剤は、効果の強さや投与間隔だけで一列に順位づけできません。乾癬の病型、関節症状、難治部位、炎症性腸疾患や感染症などの患者背景、通院・自己注射の希望、これまでの治療反応を組み合わせて選びます。本ページでは、患者さんが比較しやすい結論と、処方医が確認すべき適応・検査・再評価条件を分けて監修しました。

01適応と選択

病型、既治療、重症度、患者背景

02安全管理

感染症、検査、固有リスク、連携

03継続判断

効果目標、再評価、中止・切替

最終医学レビュー:2026年8月13日確認資料:PMDA電子添文・患者向医薬品ガイド・日本皮膚科学会資料
ここで情報が切り替わります

ここからは医療従事者・処方医向けです

適応判断、承認用法、モニタリング、安全管理、エビデンスを専門用語で整理しています。

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医療従事者・処方医向けここからは処方・診療実務の専門情報です。患者さん・ご家族は、上の欄だけで治療の概要を確認できます。患者さん向け情報へ戻る ↑

FOR PRESCRIBERS / MEDICAL PROFESSIONALS

処方医向け:乾癬生物学的製剤の選択・導入・切替

6剤の標的、国内適応、投与設計、導入前スクリーニング、併存症、薬剤固有リスク、治療目標、切替・施設体制を一続きで確認します。

最新の電子添文、患者向医薬品ガイド、適正使用資料、学会の届出・施設要件を優先し、患者背景と連携体制に応じて判断してください。

選択設計1. 表現型・治療目標・患者希望

皮膚の広さだけでなく、爪・頭皮・顔・掌蹠・陰部、掻痒・疼痛、PsA、併存症、通院・自己注射希望、費用を統合します。

確認選択への反映
疾患病型、難治部位、PsA、進行性関節破壊リスク皮膚と関節の目標を分けて設定
安全性感染症、結核、HBV/HCV、IBD、真菌症、悪性腫瘍歴薬剤固有リスクと連携先を固定
利便性導入頻度、維持間隔、自己注射、検査・通院可能性継続可能な投与計画を共同意思決定
用法・適応2. 6剤の国内適応・投与設計・再評価
薬剤標的乾癬の投与自己注射再評価
コセンティクスIL-17A成人は通常300mgを0・1・2・3・4週、以後4週間隔。体重60kg以下では150mgを考慮。小児は体重別用量。可(適切な在宅自己注射教育後)通常16週以内に反応がなければ継続を慎重に再考
トルツIL-17A初回160mg。2週後から12週後まで80mgを2週間隔、以後通常4週間隔。12週時点で不十分なら2週間隔継続を検討。可(適切な在宅自己注射教育後)通常20週以内に反応がなければ継続を慎重に再考
トレムフィアIL-23p19乾癬・掌蹠膿疱症は100mgを0・4週、以後8週間隔で皮下注射。乾癬用100mgシリンジは医療機関で投与乾癬等は16週、掌蹠膿疱症は24週までに反応を評価
スキリージIL-23p19150mgを0・4週、以後12週間隔。乾癬等では患者状態に応じ75mg可。掌蹠膿疱症は150mg。現行のPMDA患者向医薬品ガイドでは医療機関で投与乾癬等は16週、掌蹠膿疱症は28週までに反応を評価
ビンゼレックスIL-17A/IL-17FPsO/GPP/紅皮症は320mgを16週まで4週間隔、以後8週間隔。状態に応じ16週以降も4週間隔可。PsAは160mgを4週間隔。可(適切な在宅自己注射教育後)通常16週以内に反応がなければ継続を慎重に再考
ステラーラIL-12/IL-23 p4045mgを0・4週、以後12週間隔。効果不十分なら90mgを投与できる。医療機関で投与反応がなければ28週以内に増量を含め治療計画を再考
導入前検査3. 共通スクリーニング
領域確認項目対応
病型・重症度PsO/PsA/GPP/紅皮症/PPP、BSA・PASI・DLQI、難治部位、関節・付着部・指趾炎国内適応と既治療条件を記録
感染症活動性感染、反復感染、歯科感染、結核歴・接触歴、胸部画像、IGRA/TST、必要時CT活動性感染・活動性結核は先に治療
肝炎等HBs抗原、HBc抗体、HBs抗体、HCV抗体、必要時HBV-DNA、HIV等陽性時は専門医と再活性化対策
一般検査CBC、CRP、肝腎機能、尿。背景に応じβ-Dグルカン、KL-6等薬剤固有リスクと比較できるベースライン
患者背景悪性腫瘍歴、IBD、妊娠・授乳、ワクチン、併用免疫調整薬、費用・通院・注射希望利益・リスクと治療継続性を共有
固有リスク4. 薬剤クラス・製剤固有の注意
薬剤処方前に確認する差投与中の重点
コセンティクス炎症性腸疾患の新規発症・悪化、カンジダ症、ラテックス過敏症に注意消化管:IBD既往・症状を確認。新規発症・増悪時は消化器連携と継続可否を再評価/真菌:粘膜皮膚カンジダ症を問診・診察。反復時は治療と薬剤選択を再検討/小児:6歳以上。体重区分、ワクチン歴、家族の注射管理能力を確認/デバイス:自己注射教育、保管、注射部位、廃棄、ラテックス過敏症を確認
トルツ炎症性腸疾患、好中球減少、間質性肺炎に注意消化管:IBD既往と消化器症状を確認。新規・増悪時は中止を含め再評価/血液:感染徴候や臨床背景に応じCBC。好中球減少時は重症度と感染を評価/肺:咳・呼吸困難・発熱では感染症と間質性肺炎を鑑別/投与設計:12週時反応でq2w継続可否、20週までに継続妥当性を判断
トレムフィア2026年改訂の電子添文に沿い、肝機能障害・自己免疫性肝炎を含め定期的に肝機能を確認肝機能:ベースラインと定期的な肝機能検査。自己免疫性肝炎を含む異常時は原因精査と休薬判断/病型:PPPは中等症〜重症の膿疱・小水疱病変。24週までに継続妥当性を評価/製剤:乾癬は100mgシリンジ。200mg製剤の消化器疾患用法と混同しない/投与:乾癬用100mgは医療機関投与。自己注射案内を流用しない
スキリージ投与間隔が長い一方、来院・検査を自己判断で省略しない病型:PsO/PsA/GPP/紅皮症は16週、PPPは28週までに継続妥当性を判断/用量:通常150mg。乾癬等は状態に応じ75mg可、PPPは150mg/投与:PMDA患者向医薬品ガイド上は医療機関投与。ペン製剤を自己注射可と誤案内しない/長期管理:投与間隔が長くても感染症・結核・悪性腫瘍徴候と治療目標を定期評価
ビンゼレックス口腔カンジダ症と炎症性腸疾患に特に注意真菌:口腔カンジダ症を重点確認。反復・重症時は抗真菌治療と投与継続を再評価/消化管:IBD既往・症状を確認。発症・増悪時は専門科連携と中止を含め判断/用量:皮膚病型は320mg、PsAは160mg。疾患別用量を混同しない/投与間隔:16週以後は通常q8w、状態に応じq4w継続可。効果と安全性で固定
ステラーラ悪性腫瘍歴、ラテックス過敏症、間質性肺炎を含め患者背景を確認病型:国内の乾癬適応はPsO・PsA。GPP・紅皮症・PPPへ適応を外挿しない/増量:45mgで不十分なら90mg可。28週以内に増量を含め計画再考/背景:悪性腫瘍歴、アレルゲン免疫療法、ラテックス過敏症を確認/肺:咳・呼吸困難・発熱では感染症と間質性肺炎を鑑別
維持・切替5. モニタリング、休薬、切替
  • 開始後は皮膚・関節・QOLと感染徴候を評価し、電子添文の再評価時期までに継続妥当性を判断します。
  • 重篤な感染症では投与を保留し、感染消失と全身状態を確認して再開可否を判断します。
  • 生ワクチンは治療中に接種しません。開始前に接種歴と予定を整理します。
  • 他の生物学的製剤との重複を避け、切替時は前薬最終投与日・半減期・感染徴候・再燃リスクを記録します。
  • 診療録には適応根拠、既治療、検査、選択理由、説明と同意、効果判定日、緊急連絡基準を残します。
施設体制6. 届出・承認・連携体制

日本皮膚科学会は乾癬生物学的製剤を届出制として案内し、皮膚科専門医の常勤、指定E-learning、必要な検査を依頼できる近隣施設などの要件を示しています。既存の承認施設は新たな届出が不要です。施設ごとの導入可否は一覧掲載だけで推定せず、届出受理・検査・緊急連携体制を確認します。

一次資料7. 一次資料・学会資料

本節は医療従事者の情報確認を目的とした一般的な整理です。実際の処方は診察時点の最新資料、適応、患者背景、検査結果、施設体制に基づいて判断してください。