
ここからは患者さん向けの解説です
症状・受診の目安・治療の流れを、日常の言葉を先にして説明します。処方や診療実務の専門情報は、ページ後半に分けています。
まず押さえたい3つのポイント
患者さんが最初に確認したい対象・投与・注射方法を短く整理します。
既存治療で効果不十分な尋常性乾癬と乾癬性関節炎が対象です。膿疱性乾癬や乾癬性紅皮症の国内適応はありません。
通常45mgを初回、4週後、その後12週間隔で投与します。効果不十分では90mgを検討できます。
PMDA患者向医薬品ガイドでは、医療機関で皮下注射すると記載されています。
ステラーラ皮下注の基本情報
国内の現行電子添文と患者向医薬品ガイドに沿って整理しています。
表は左右に動かして確認できます
| 項目 | 内容 | 確認点 |
|---|---|---|
| 有効成分 | ウステキヌマブ | IL-12/IL-23 p40を標的とする生物学的製剤 |
| 承認対象 | 尋常性乾癬、乾癬性関節炎(既存治療で効果不十分) | 病型・既治療・重症度を診察で確認 |
| 投与 | 45mgを0・4週、以後12週間隔。効果不十分なら90mgを投与できる。 | 自己判断で用量・日程を変更しない |
| 注射方法 | 医療機関で投与 | 45mgシリンジ(90mg時は2本) |
| 再評価 | 反応がなければ28週以内に増量を含め治療計画を再考 | 反応が乏しい場合は漫然継続しない |
投与スケジュール
病型・体重・反応で用量や間隔が異なる場合があります。処方された日程を優先してください。
45mgを初回投与
2回目
12週間隔で継続
増量を含め治療計画を再考
開始前検査と治療中の注意
感染症・結核は全剤共通で確認し、薬剤固有の症状も見逃さないようにします。
開始前に結核感染を確認し、治療中も発熱、咳、体重減少などを観察します。
悪性腫瘍の既往・治療中の場合は、治療上の利益とリスクを個別に検討します。
咳、息切れ、発熱は感染症だけでなく間質性肺炎も含めて速やかに評価します。
針カバーにラテックス類縁物質を含みます。治療中は生ワクチンを接種しません。
すぐ相談する症状:高熱、強いだるさ、長引く咳、息苦しさ、急な顔・唇の腫れ、広がるじんましんなど。腹痛・下痢・血便、口腔内の白い付着物など、薬剤固有の注意点も上記で確認してください。
乾癬の生物学的製剤6剤と比較
同じ注射薬でも標的、対象病型、投与間隔、自己注射、固有リスクが異なります。
よくある質問
ステラーラは何週間ごとですか?
通常45mgを初回、4週後、その後12週間隔で皮下注射します。効果不十分では90mgを検討できます。
自己注射できますか?
現行のPMDA患者向医薬品ガイドでは、医療機関で皮下注射すると記載されています。
膿疱性乾癬にも使えますか?
国内の乾癬適応は尋常性乾癬と乾癬性関節炎です。他の病型へ適応を読み替えません。
効果はいつ見直しますか?
反応が得られない場合、開始から28週以内に増量を含め治療計画を再考します。
監修医師
薬の基本情報だけでなく、選ぶ条件・避ける条件・改善後の出口まで確認しています。
監修医からのメッセージ
病型、既治療、重症度、患者背景
感染症、検査、固有リスク、連携
効果目標、再評価、中止・切替
FOR PRESCRIBERS / MEDICAL PROFESSIONALS
処方医向け:ステラーラ皮下注の適応判定・導入・安全管理
ウステキヌマブ(IL-12/IL-23 p40)について、国内適応、用量、導入前検査、薬剤固有リスク、効果判定、休薬・切替を処方実務の順に整理します。
最新の電子添文、患者向医薬品ガイド、適正使用資料、学会の届出・施設要件を優先し、患者背景と連携体制に応じて判断してください。
適応判定1. ステラーラ皮下注の適応・再評価
| 項目 | 国内承認上の確認 | 実務 |
|---|---|---|
| 対象 | 尋常性乾癬、乾癬性関節炎(既存治療で効果不十分) | 病型・BSA・難治部位・既治療を記録 |
| 用法 | 45mgを0・4週、以後12週間隔。効果不十分なら90mgを投与できる。 | 疾患別用量と製剤を固定 |
| 再評価 | 反応がなければ28週以内に増量を含め治療計画を再考 | 皮膚・関節・QOLと安全性を統合 |
導入前検査2. 生物学的製剤の導入前チェック
| 領域 | 確認項目 | 対応 |
|---|---|---|
| 病型・重症度 | PsO/PsA/GPP/紅皮症/PPP、BSA・PASI・DLQI、難治部位、関節・付着部・指趾炎 | 国内適応と既治療条件を記録 |
| 感染症 | 活動性感染、反復感染、歯科感染、結核歴・接触歴、胸部画像、IGRA/TST、必要時CT | 活動性感染・活動性結核は先に治療 |
| 肝炎等 | HBs抗原、HBc抗体、HBs抗体、HCV抗体、必要時HBV-DNA、HIV等 | 陽性時は専門医と再活性化対策 |
| 一般検査 | CBC、CRP、肝腎機能、尿。背景に応じβ-Dグルカン、KL-6等 | 薬剤固有リスクと比較できるベースライン |
| 患者背景 | 悪性腫瘍歴、IBD、妊娠・授乳、ワクチン、併用免疫調整薬、費用・通院・注射希望 | 利益・リスクと治療継続性を共有 |
処方設計3. 製剤・投与・患者教育
| 項目 | 内容 | 処方時の確認 |
|---|---|---|
| 製剤 | 45mgシリンジ(90mg時は2本) | 対象疾患・用量とデバイスを照合 |
| 投与 | 45mgを0・4週、以後12週間隔。効果不十分なら90mgを投与できる。 | 投与日、保管、逸脱時連絡を共有 |
| 自己注射 | 医療機関で投与 | PMDA患者向医薬品ガイドと製剤別資材を優先 |
固有リスク4. 薬剤固有の安全管理
| 領域 | 確認・モニタリング |
|---|---|
| 病型 | 国内の乾癬適応はPsO・PsA。GPP・紅皮症・PPPへ適応を外挿しない |
| 増量 | 45mgで不十分なら90mg可。28週以内に増量を含め計画再考 |
| 背景 | 悪性腫瘍歴、アレルゲン免疫療法、ラテックス過敏症を確認 |
| 肺 | 咳・呼吸困難・発熱では感染症と間質性肺炎を鑑別 |
継続・切替5. モニタリング、休薬、切替、診療録
- 電子添文の再評価時期までにPASI/BSA/sPGA、DLQI、難治部位、PsA指標を再評価します。
- 重篤な感染症では投与を保留し、感染消失後に再開可否を判断します。
- 治療中は生ワクチンを接種せず、他の生物学的製剤との重複を避けます。
- 切替時は前薬最終投与日、感染徴候、一次・二次無効、不耐容、患者希望を記録します。
- 診療録には適応根拠、検査結果、選択理由、説明と同意、効果判定日、緊急連絡基準を残します。
本節は医療従事者の情報確認を目的とした一般的な整理です。実際の処方は診察時点の最新資料、適応、患者背景、検査結果、施設体制に基づいて判断してください。
参考文献・一次資料
- PMDA ステラーラ皮下注 医療用医薬品情報
- PMDA ステラーラ皮下注 電子添文
- PMDA ステラーラ皮下注 患者向医薬品ガイド
- 日本皮膚科学会 乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス
- 日本皮膚科学会 乾癬の分子標的薬の届出制
最終医学レビュー:2026年8月13日。掲載内容は一般的な医療情報です。実際の適応・処方・紹介は診察時点の最新資料と個々の状態をもとに判断します。
