
ここからは患者さん向けの解説です
症状・受診の目安・治療の流れを、日常の言葉を先にして説明します。処方や診療実務の専門情報は、ページ後半に分けています。
まず押さえたい3つのポイント
患者さんが最初に確認したい対象・投与・注射方法を短く整理します。
尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、掌蹠膿疱症に承認されています。
通常150mgを初回、4週後、その後12週間隔で皮下注射します。乾癬の一部では75mgを選ぶ場合があります。
現行のPMDA患者向医薬品ガイドでは、医師の指示により医療機関で皮下注射すると記載されています。
スキリージの処方を検討するときに確認すること
薬を選ぶ前の確認点と、治療を見直す目安をお伝えします。

FROM THE CLINIC
- 処方を考える場面
- 既存治療で効果が不十分な乾癬や、条件に合う掌蹠膿疱症などで検討します。関節症状と従来治療歴も確認します。
- 処方前に確認すること
- 結核歴・検査、感染症、ワクチン予定、併用薬と、医療機関での注射・通院を継続できるかを確認します。
- 処方後に確認すること
- 皮疹、手足や関節の使いやすさ、かゆみ、生活支障の変化を確認します。注射の間にも発熱や感染徴候を伝えてください。
- 治療を見直す目安
- 乾癬などは通常16週、掌蹠膿疱症は28週までの反応を評価します。感染症や強いアレルギー症状では早期の対応が必要です。
公的資料や文献を踏まえた一般的な確認事項です。個別の処方は診察所見と患者さんの背景に応じて判断します。主な確認資料:PMDA:スキリージ皮下注 電子添文、Gordon KB, et al. UltIMMa-1/2:リサンキズマブの第III相RCT(2018)。参考資料確認日:2026年9月8日
スキリージ皮下注の基本情報
国内の現行電子添文と患者向医薬品ガイドに沿って整理しています。
表は左右に動かして確認できます
| 項目 | 内容 | 確認点 |
|---|---|---|
| 有効成分 | リサンキズマブ | IL-23p19を標的とする生物学的製剤 |
| 承認対象 | 尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、掌蹠膿疱症 | 病型・既治療・重症度を診察で確認 |
| 投与 | 150mgを0・4週、以後12週間隔。乾癬等では患者状態に応じ75mg可。掌蹠膿疱症は150mg。 | 自己判断で用量・日程を変更しない |
| 注射方法 | 現行のPMDA患者向医薬品ガイドでは医療機関で投与 | 150mgシリンジ、75mgシリンジ、150mgペン |
| 再評価 | 乾癬等は16週、掌蹠膿疱症は28週までに反応を評価 | 反応が乏しい場合は漫然継続しない |
投与スケジュール
病型・体重・反応で用量や間隔が異なる場合があります。処方された日程を優先してください。
初回投与
2回目
12週間隔で継続
乾癬等/掌蹠膿疱症の反応を評価
開始前検査と治療中の注意
感染症・結核は全剤共通で確認し、薬剤固有の症状も見逃さないようにします。
開始前に結核感染の有無を確認し、発熱、長引く咳、体重減少、強いだるさなどを治療中も観察します。
息苦しさ、じんましん、顔や唇の腫れ、ふらつきなどがあれば直ちに医療機関へ連絡します。
治療中は生ワクチンを接種しません。他の生物学的製剤との併用を避けます。
12週間隔でも、効果・感染症・結核を確認する診察や検査は必要です。投与日を自己判断で変更しません。
すぐ相談する症状:高熱、強いだるさ、長引く咳、息苦しさ、急な顔・唇の腫れ、広がるじんましんなど。腹痛・下痢・血便、口腔内の白い付着物など、薬剤固有の注意点も上記で確認してください。
乾癬の生物学的製剤6剤と比較
同じ注射薬でも標的、対象病型、投与間隔、自己注射、固有リスクが異なります。
よくある質問
スキリージは何週間ごとですか?
通常は初回、4週後、その後12週間隔です。病型と状態で用量が異なります。
スキリージは自己注射ですか?
現行のPMDA患者向医薬品ガイドでは、医師の指示により医療機関で皮下注射すると記載されています。
掌蹠膿疱症にも使えますか?
中等症から重症の膿疱・小水疱病変がある場合に承認されています。通常28週までに反応を評価します。
注射前に何を調べますか?
結核歴、胸部画像、結核の血液検査(IGRA)またはツベルクリン反応などを確認し、活動性の感染症がないかを評価します。
監修医師
薬の基本情報だけでなく、選ぶ条件・避ける条件・改善後の出口まで確認しています。
監修医からのメッセージ
病型、既治療、重症度、患者背景
感染症、検査、固有リスク、連携
効果目標、再評価、中止・切替
FOR PRESCRIBERS / MEDICAL PROFESSIONALS
処方医向け:スキリージ皮下注の適応判定・導入・安全管理
リサンキズマブ(IL-23p19)について、国内適応、用量、導入前検査、薬剤固有リスク、効果判定、休薬・切替を処方実務の順に整理します。
最新の電子添文、患者向医薬品ガイド、適正使用資料、学会の届出・施設要件を優先し、患者背景と連携体制に応じて判断してください。
適応判定1. スキリージ皮下注の適応・再評価
| 項目 | 国内承認上の確認 | 実務 |
|---|---|---|
| 対象 | 尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、掌蹠膿疱症 | 病型・BSA・難治部位・既治療を記録 |
| 用法 | 150mgを0・4週、以後12週間隔。乾癬等では患者状態に応じ75mg可。掌蹠膿疱症は150mg。 | 疾患別用量と製剤を固定 |
| 再評価 | 乾癬等は16週、掌蹠膿疱症は28週までに反応を評価 | 皮膚・関節・QOLと安全性を統合 |
導入前検査2. 生物学的製剤の導入前チェック
| 領域 | 確認項目 | 対応 |
|---|---|---|
| 病型・重症度 | PsO/PsA/GPP/紅皮症/PPP、BSA・PASI・DLQI、難治部位、関節・付着部・指趾炎 | 国内適応と既治療条件を記録 |
| 感染症 | 活動性感染、反復感染、歯科感染、結核歴・接触歴、胸部画像、IGRA/TST、必要時CT | 活動性感染・活動性結核は先に治療 |
| 肝炎等 | HBs抗原、HBc抗体、HBs抗体、HCV抗体、必要時HBV-DNA、HIV等 | 陽性時は専門医と再活性化対策 |
| 一般検査 | CBC、CRP、肝腎機能、尿。背景に応じβ-Dグルカン、KL-6等 | 薬剤固有リスクと比較できるベースライン |
| 患者背景 | 悪性腫瘍歴、IBD、妊娠・授乳、ワクチン、併用免疫調整薬、費用・通院・注射希望 | 利益・リスクと治療継続性を共有 |
処方設計3. 製剤・投与・患者教育
| 項目 | 内容 | 処方時の確認 |
|---|---|---|
| 製剤 | 150mgシリンジ、75mgシリンジ、150mgペン | 対象疾患・用量とデバイスを照合 |
| 投与 | 150mgを0・4週、以後12週間隔。乾癬等では患者状態に応じ75mg可。掌蹠膿疱症は150mg。 | 投与日、保管、逸脱時連絡を共有 |
| 自己注射 | 現行のPMDA患者向医薬品ガイドでは医療機関で投与 | PMDA患者向医薬品ガイドと製剤別資材を優先 |
固有リスク4. 薬剤固有の安全管理
| 領域 | 確認・モニタリング |
|---|---|
| 病型 | PsO/PsA/GPP/紅皮症は16週、PPPは28週までに継続妥当性を判断 |
| 用量 | 通常150mg。乾癬等は状態に応じ75mg可、PPPは150mg |
| 投与 | PMDA患者向医薬品ガイド上は医療機関投与。ペン製剤を自己注射可と誤案内しない |
| 長期管理 | 投与間隔が長くても感染症・結核・悪性腫瘍徴候と治療目標を定期評価 |
継続・切替5. モニタリング、休薬、切替、診療録
- 電子添文の再評価時期までにPASI/BSA/sPGA、DLQI、難治部位、PsA指標を再評価します。
- 重篤な感染症では投与を保留し、感染消失後に再開可否を判断します。
- 治療中は生ワクチンを接種せず、他の生物学的製剤との重複を避けます。
- 切替時は前薬最終投与日、感染徴候、一次・二次無効、不耐容、患者希望を記録します。
- 診療録には適応根拠、検査結果、選択理由、説明と同意、効果判定日、緊急連絡基準を残します。
臨床判断UltIMMa試験の適用範囲と長い投与間隔での再評価
UltIMMa-1は成人の中等症~重症の局面型乾癬506例を対象とし、16週のPASI90達成率はリサンキズマブ75.3%、プラセボ4.9%、ウステキヌマブ42.0%でした。UltIMMa-2でも74.8%、2.0%、47.5%と同じ方向の結果でした。PASI90は皮膚の重症度指標の90%以上改善であり、関節炎や掌蹠膿疱症の奏効率ではありません。これらの病変は別の指標と適応条件で評価します。 Gordon KB, et al. UltIMMa-1/2:リサンキズマブの第III相RCT(2018)
IL-23p19阻害による皮膚病変の反応が良好でも、関節の腫脹、疼痛、機能障害を皮膚スコアだけで判断しません。維持期の12週間隔は投与の間隔であって、有害事象への対応を12週ごとに限定する意味ではありません。開始前の結核評価に加え、治療中の持続するせき、発熱、感染徴候の連絡方法を共有し、活動性感染時には次回投与の可否を判断します。 PMDA:スキリージ皮下注 電子添文
電子添文では乾癬・乾癬性関節炎などで通常16週、掌蹠膿疱症で28週までの反応をもとに継続を再考します。導入後の評価には皮疹写真、患者が困る部位、生活の支障も合わせて記録し、改善が不十分なら診断、病型、感染症、併用外用療法を再確認します。ペン製剤であることだけを理由に自己注射と案内せず、製剤の患者向医薬品ガイドと実際の投与体制を照合します。 PMDA:スキリージ皮下注 電子添文
参考資料確認日:2026年9月8日
本節は医療従事者の情報確認を目的とした一般的な整理です。実際の処方は診察時点の最新資料、適応、患者背景、検査結果、施設体制に基づいて判断してください。
参考文献・一次資料
- PMDA スキリージ皮下注 医療用医薬品情報
- PMDA スキリージ皮下注 電子添文
- PMDA スキリージ皮下注 患者向医薬品ガイド
- 日本皮膚科学会 乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス
- 日本皮膚科学会 乾癬の分子標的薬の届出制
- PMDA:スキリージ皮下注 電子添文
- Gordon KB, et al. UltIMMa-1/2:リサンキズマブの第III相RCT(2018)
最終医学レビュー:2026年8月13日。掲載内容は一般的な医療情報です。実際の適応・処方・紹介は診察時点の最新資料と個々の状態をもとに判断します。