コレクチム軟膏の位置づけ
JAK-STAT経路に関わる炎症シグナルを抑える外用薬です。急性増悪、維持、顔面や間擦部での選択肢を、皮疹の状態に合わせて検討します。

診察で確認するポイント
皮疹の範囲、感染・びらんの有無、小児か成人か、過去の外用薬での刺激感、塗布量の理解を確認します。
使い方と治療の組み立て
処方された規格・塗布量・回数を守り、感染を疑う部位やびらんの強い部位では診察で使い方を確認します。
小児と成人、皮疹の範囲、刺激感などを見て規格や塗布範囲を確認します。
炎症を抑える薬と、バリアを整える保湿剤は役割が違います。
赤みやかゆみが落ち着いた後も、再燃しやすい部位は維持方法を相談します。
副作用・注意点
毛包炎、ざ瘡様皮疹、刺激感、感染の悪化などを確認します。自己判断で広範囲・長期に増やさないことが大切です。
赤みが強くなった、膿や痛みが出た、水ぶくれが出た、発熱を伴う場合は早めに相談してください。
とびひ、ヘルペス、カンジダ・白癬などが疑われる場合は治療方針が変わるため、外用前に診察で確認します。
PATIENT GUIDE
本文に出てくる医療用語
このページで使う専門用語を、患者さん向けに短く言い換えました。
- JAK
- 炎症の情報伝達に関わる酵素です。
- PDE4
- 炎症反応に関わる酵素です。
処方・鑑別・安全管理を確認するための情報です。患者さんは上部の患者向け説明をご覧いただき、薬の開始・変更・中止は自己判断せず診察時にご相談ください。
患者さん向け情報へ戻る ↑FOR PRESCRIBERS / MEDICAL PROFESSIONALS
処方医向け:コレクチムの濃度選択・BSA 30%・4週判定
デルゴシチニブ軟膏0.5%・0.25%について、小児の濃度選択、1回5g・BSA 30%、感染、毛包炎・ヘルペス、改善後の変更を整理します。
成人は0.5%、小児は0.25%が基本で、症状により小児でも0.5%を使用できます。生後6カ月未満では有効性・安全性を指標とした臨床試験がありません。
最初の要点を開いています。見出しから「適応」「処方設計」「安全性」「再評価」「一次資料」を必要な順に確認できます。
適応判定1. 適応・重症度・感染の確認
ADの炎症範囲と、膿痂疹・毛包炎・ヘルペスを含む感染徴候を処方前に記録します。
診断と鑑別
ADの診断、接触皮膚炎、疥癬、白癬、脂漏性皮膚炎、乾癬、薬疹を確認し、感染性病変を先に見分けます。
重症度
IGA、EASI、BSA、顔面・頸部・間擦部・手などの難治部位、そう痒NRS、睡眠、POEM/DLQIをベースライン化します。
外用治療歴
薬剤名・濃度・基剤、塗布部位、1回量、回数、期間、残薬、刺激感、ステロイド不安と塗布手技を確認します。
用量2. 0.25%/0.5%の選択と上限
| 対象・場面 | 製剤・用法 | 量・範囲 | 再評価 |
|---|---|---|---|
| 成人 | 0.5%を1日2回 | 1回5gまで。BSA 30%までを目安 | 0.5%で4週以内に改善がなければ中止 |
| 小児 | 0.25%を1日2回。症状により0.5%を1日2回可 | 1回5gまでだが体格を考慮。BSA 30%までを目安 | 0.5%で改善後は0.25%への変更を検討 |
| 6カ月〜2歳未満 | 承認用法は小児と同じ枠組み | 体格・面積を特に考慮。臨床試験では1回最大2.5gで検討 | 早期に刺激・感染・使用量を確認 |
| 改善後 | 継続の必要性を再評価 | 処方量と使用面積を記録 | 漫然と長期使用しない |
処方前3. 処方前チェック
| 領域 | 確認 | 判断・説明 |
|---|---|---|
| 感染 | 膿痂疹、毛包炎、単純ヘルペス、カポジ水痘様発疹、帯状疱疹、白癬 | 感染部位を避ける。不可避なら適切な抗菌・抗ウイルス・抗真菌治療を先行または併用 |
| 皮膚バリア | 粘膜、潰瘍、明らかに局面を形成するびらん | これらへの塗布を避け、バリア改善後に再評価 |
| 年齢・面積 | 月齢、体格、BSA、1回使用量 | 生後6カ月未満は試験なし。広範囲・低年齢では処方総量を具体化 |
| 妊娠・授乳 | 妊娠可能性、授乳、治療必要性 | 妊娠は有益性が危険性を上回る場合のみ。授乳は治療と母乳栄養の利益を比較 |
経過観察4. 4週判定と局所有害事象
| 時期 | 評価 | 対応 |
|---|---|---|
| 早期 | 刺激感、紅斑、そう痒、ざ瘡・毛包炎、塗布量 | 局所反応とAD増悪・感染を鑑別し、範囲と用量を再確認 |
| 感染時 | 膿痂疹、口腔ヘルペス、単純ヘルペス、帯状疱疹、カポジ水痘様発疹 | 発熱・有痛性小水疱・急速な拡大では早期診察と抗感染症治療を優先 |
| 4週 | IGA/EASI/BSA、そう痒、使用量、アドヒアランス | 0.5%で改善がなければ中止。診断・感染・手技を再評価 |
| 改善後 | 残存炎症、使用部位、継続必要性 | 小児0.5%は0.25%への変更を検討し、漫然長期使用を避ける |
実務5. 外用JAK阻害薬としての処方実務
BSAと処方量
BSA 30%までを目安とし、1回量・1日量・再診までの本数を診療録と患者説明で一致させます。
併用・塗布法
密封法・重層法は臨床試験で用いられていません。併用外用薬は同一部位・時間・順序を明示し、吸収増加を避けます。
全身JAKと区別
外用薬の電子添文に基づき管理し、経口JAK阻害薬の一律の検査・警告をそのまま転用せず、皮膚バリア・範囲・感染を重視します。
中止・切替6. 中止・切替を考える状況
- 0.5%で4週以内に症状改善が認められない
- 皮膚感染が増悪する、カポジ水痘様発疹・帯状疱疹等が疑われる
- 適切な量・範囲・手技でも反応せず、診断・接触皮膚炎・感染の再評価でも説明できない
- 改善後も連用が続き、継続必要性・濃度・部位が再評価されていない
比較7. 他の外用薬との比較
診療録8. 診療録に残す項目
- 診断、IGA/EASI/BSA、そう痒・睡眠・QOL、難治部位、感染徴候、必要に応じ臨床写真
- 薬剤・濃度・基剤、塗布部位、1回量、回数、予定期間、処方総量、併用保湿剤・抗炎症外用薬
- 年齢・体重、妊娠・授乳、腎障害・高カリウム血症、紫外線療法、感染症、びらん・潰瘍の有無
- 選択理由、代替治療、刺激感・感染・紫外線・眼粘膜への注意、改善しない場合の受診基準
- 2週または4週など薬剤固有の評価日、寛解導入後の減量・切替・プロアクティブ療法の計画
本節は医療従事者の情報確認を目的とした一般的な整理です。実際の処方は診察時点の最新電子添文、診療ガイドライン、患者背景に基づいて判断してください。添付文書の用法・用量と、ガイドラインに基づく維持療法は区別して記載しています。
非ステロイド外用薬を比較する
疾患別の記事と薬剤別の記事を行き来しながら、治療の位置づけを確認できます。
監修医師
薬の基本情報だけでなく、選ぶ条件・避ける条件・改善後の出口まで確認しています。
監修医からのメッセージ
対象疾患、使用部位、年齢・患者背景
使用量、回数、剤形と導入時の注意
効果判定、副作用、中止・変更条件
よくある質問
コレクチム軟膏は自分の判断で使い続けてもよいですか?
改善後に漫然と続ける薬と、維持目的で続ける薬は異なります。症状、部位、副作用、再発のしやすさを見て継続・変更・終了を判断します。
以前もらった薬を同じ症状に使ってよいですか?
見た目が似ていても、感染、湿疹、かぶれ、にきび、真菌症などで治療が変わります。残薬の使用は診察で確認してからにしてください。
参考文献
- PMDA 医療用医薬品情報検索
- 日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024
- AAD Guidelines of Care for Atopic Dermatitis
- 鳥居薬品 コレクチム医療関係者向け情報
- コレクチム患者向け公式サイト
掲載内容は一般的な医療情報です。診断・処方は診察での確認をもとに判断します。
