プロトピック軟膏の位置づけ
タクロリムス軟膏はT細胞活性化に関わるカルシニューリンを抑え、アトピー性皮膚炎の炎症を抑える外用薬です。

診察で確認するポイント
症状の部位、いつから出ているか、痛み・かゆみ・膿・じゅくじゅくの有無、過去の薬の効き方、副作用歴、妊娠・授乳、併用薬を確認します。
使い方と治療の組み立て
薬の効果を出すには、診断、使う部位、量、期間、再診のタイミングをそろえることが大切です。
似た見た目でも湿疹、感染、真菌症、アレルギーで薬が変わります。
塗り薬・内服薬・点鼻薬・点眼薬は、それぞれ効かせ方と注意点が違います。
改善が乏しい時は診断、使い方、併用薬、副作用を見直します。
副作用・注意点
薬ごとの副作用に加えて、診断が違う場合の悪化、併用薬、妊娠・授乳、年齢による注意点を確認します。
処方された量・回数・期間を守り、改善しない時や悪化する時は自己判断で増量せず相談してください。
強い痛み、急な腫れ、膿、発熱、広がる赤み、息苦しさ、強い眠気、発疹の急な悪化があれば早めに受診してください。
処方・鑑別・安全管理を確認するための情報です。患者さんは上部の患者向け説明をご覧いただき、薬の開始・変更・中止は自己判断せず診察時にご相談ください。
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処方医向け:プロトピックの年齢別用量・2週判定・安全管理
タクロリムス軟膏0.1%・0.03%小児用について、適応選択、年齢・体重別上限、刺激感、びらん・感染、腎機能、紫外線、寛解維持を整理します。
0.1%製剤は成人用です。小児は2歳以上で0.03%製剤を用い、年齢・体重に応じた1回上限を守ります。
最初の要点を開いています。見出しから「適応」「処方設計」「安全性」「再評価」「一次資料」を必要な順に確認できます。
適応判定1. 適応・病変・既治療の確認
ステロイド外用薬等で効果不十分、または副作用等で使用できず、本剤がより適切なADで選択します。
診断と鑑別
ADの診断、接触皮膚炎、疥癬、白癬、脂漏性皮膚炎、乾癬、薬疹を確認し、感染性病変を先に見分けます。
重症度
IGA、EASI、BSA、顔面・頸部・間擦部・手などの難治部位、そう痒NRS、睡眠、POEM/DLQIをベースライン化します。
外用治療歴
薬剤名・濃度・基剤、塗布部位、1回量、回数、期間、残薬、刺激感、ステロイド不安と塗布手技を確認します。
用量2. 濃度・年齢別上限・2週判定
| 対象 | 製剤・用法 | 1回上限 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 成人 | 0.1%を1日1〜2回 | 5g | 2週以内に改善がない、または悪化する場合は中止 |
| 2〜5歳(20kg未満) | 0.03%小児用を1日1〜2回 | 1g | 刺激・感染・塗布量を早期確認 |
| 6〜12歳(20kg以上50kg未満) | 0.03%小児用を1日1〜2回 | 2〜4g | 体格・面積に応じ上限内で調整 |
| 13歳以上(50kg以上)の小児 | 0.03%小児用を1日1〜2回 | 5g | 小児用製剤の上限として確認 |
| 共通 | 1日2回の場合は約12時間間隔 | 約0.1gで10cm四方が目安 | 不要になれば速やかに中止し、漫然長期使用を避ける |
処方前3. 禁忌・慎重評価・処方前確認
| 領域 | 確認 | 判断 |
|---|---|---|
| 皮膚バリア | 潰瘍、明らかに局面を形成するびらん、紅皮症、Netherton症候群等 | 潰瘍・明らかな局面状びらんと魚鱗癬様紅皮症は禁忌。処置・改善後に再評価 |
| 腎・電解質 | 腎機能、高カリウム血症、広範囲・重症病変 | 高度腎障害・高度高Kは禁忌。重症・広範囲では全身吸収リスクを考慮 |
| 感染 | 膿痂疹、毛包炎、ヘルペス、白癬 | 原則使用しない。不可避なら感染部位を避け、適切な抗菌・抗ウイルス・抗真菌治療を先行または併用 |
| 紫外線 | PUVA等の紫外線療法、日焼け・UVランプ | 紫外線療法中は禁忌。日光曝露を最小限にし、日焼けランプを避ける |
| 妊娠・授乳 | 妊娠可能性、授乳、治療必要性 | 妊娠は有益性が危険性を上回る場合のみ。授乳は治療と母乳栄養の利益を比較 |
経過観察4. 刺激感・腎機能・感染のモニタリング
| 時期 | 評価 | 対応 |
|---|---|---|
| 開始時〜数日 | 灼熱感、ほてり、疼痛、そう痒、塗布回避 | 多くは皮疹改善とともに軽減することを説明。高度・持続例は休薬・中止を検討 |
| 2週 | IGA/EASI/BSA、そう痒、使用量、悪化、感染 | 改善なし・悪化では中止。診断、感染、量・手技を再評価 |
| 重症・広範囲 | 腎機能、塗布面積、びらん、使用量 | 開始2〜4週後に1回、その後必要時に腎機能を確認し、異常時は直ちに中止 |
| 継続時 | 感染、刺激、紫外線曝露、必要性 | 皮疹消失後の連用を自動継続せず、維持戦略を明確化 |
塗布指導5. 塗布方法・部位・患者説明
密封・重層を避ける
密封法と他剤との重層塗布の臨床経験はなく、行わないよう指導します。保湿剤との時間・順序は処方設計として明示します。
眼・粘膜
粘膜と外陰部への使用を避け、眼周囲は慎重に扱います。眼に入った場合は直ちに水で洗い、刺激が続けば受診します。
発がんリスクの説明
症例報告との因果関係は明確でなく、長期国内調査・海外疫学研究ではリスク上昇を示さない情報も含め、添付文書に沿って偏りなく説明します。
維持療法6. 寛解導入後のプロアクティブ療法
- 急性炎症を十分に鎮静し、そう痒・紅斑・触診上の隆起がない状態を確認してから間欠塗布へ移行する
- 再燃部位にタクロリムスを週2回程度使用し、非塗布日も保湿を続ける方法はガイドラインで推奨される
- 週2回は添付文書の一律用法ではないため、患者ごとの再燃部位・頻度・期間を医師が定める
- 再燃時はリアクティブに必要な抗炎症治療へ戻し、感染や接触皮膚炎を再評価する
比較7. 他の外用薬との比較
診療録8. 診療録に残す項目
- 診断、IGA/EASI/BSA、そう痒・睡眠・QOL、難治部位、感染徴候、必要に応じ臨床写真
- 薬剤・濃度・基剤、塗布部位、1回量、回数、予定期間、処方総量、併用保湿剤・抗炎症外用薬
- 年齢・体重、妊娠・授乳、腎障害・高カリウム血症、紫外線療法、感染症、びらん・潰瘍の有無
- 選択理由、代替治療、刺激感・感染・紫外線・眼粘膜への注意、改善しない場合の受診基準
- 2週または4週など薬剤固有の評価日、寛解導入後の減量・切替・プロアクティブ療法の計画
本節は医療従事者の情報確認を目的とした一般的な整理です。実際の処方は診察時点の最新電子添文、診療ガイドライン、患者背景に基づいて判断してください。添付文書の用法・用量と、ガイドラインに基づく維持療法は区別して記載しています。
非ステロイド外用薬を比較する
疾患別の記事と薬剤別の記事を行き来しながら、治療の位置づけを確認できます。
監修医師
薬の基本情報だけでなく、選ぶ条件・避ける条件・改善後の出口まで確認しています。
監修医からのメッセージ
対象疾患、使用部位、年齢・患者背景
使用量、回数、剤形と導入時の注意
効果判定、副作用、中止・変更条件
よくある質問
プロトピック軟膏は自分の判断で使い続けてもよいですか?
改善後に漫然と続ける薬と、維持目的で続ける薬は異なります。症状、部位、副作用、再発のしやすさを見て継続・変更・終了を判断します。
以前もらった薬を同じ症状に使ってよいですか?
見た目が似ていても、感染、湿疹、かぶれ、にきび、真菌症などで治療が変わります。残薬の使用は診察で確認してからにしてください。
